隣の人が「トイレ貸してください」と言ってきたとします。
どうしたんですか、と一応訊きますよね。自分のところがあるはずですから。
このとき、「うんちまみれで臭くて、使う気になりません」と言ったらトイレ貸す気になりますか。
どうしてそんな状態にしたのか、そしてそれに対処する努力をしないのか、と思いますね。
自分のところを貸したらこちらもおなじような状況にされるのではと心配しますね。
そう考えたら、転職先の面接で、前の職場の人間関係の支障を述べるのがいかに不利かわかりませんか。
こちらの職場でも同じようなことになるのではないか、と心配します。
ですから、仕事が合わなかった、というのも言うべきことではありません。
こちらの仕事も合わないかもしれないですから。
食事を誘うとしましょうか。
「ここの食堂まずいから、隣にしよう」
「あの野郎と一緒に飯食いたくないから、ごはんつきあって」
一緒に行きたいと思いますか。自分の価値観だけで勝手なことを言っているだけですね。
人にものを頼むときには、自分の事情や感覚だけをこてこて言って通ると思わないことです。
「隣の食堂が旨そうだから行かないか」
「君と一緒に食べたいんだ、つきあって」
といわれたら、提案が同じでも、気持ちは違ってきます。
就職の面接も同じことです。
前の職場の悪口とかを、いえばいうほど自分の価値が下がります。
事情はこうだ、自分は悪くない、なんていうのは自分の価値観だけの中で通用する話です。相手は知ったことではありません。
こちらの会社のこういうところが素晴らしいと思う。働きたいなと思った、と表現したら、絶対に悪い気になりません。
こういうことをしたいと思っていて、ようやくであった気になりましたので応募しました、とやればいいだけです。
前の会社はどうして退職されましたか、と質問されるかもしれません。
そのときは「向かなかったような気がします」で済ませればいいのです。
全然嘘はいっていないでしょう。