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医療行為で傷害致死罪になる理由
- 医療行為で傷害致死罪になる理由について解説します。
- 正当な医療行為でない場合に傷害致死罪となる理由について詳しく説明します。
- 医療事故で傷害致死罪が適用される条件とは何でしょうか?
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"「正当な医療行為でなければ(業務上の行為でなく) 傷害行為に当たると判断した」という部分の意味が よく分からないので、お教えください。" ↑ この部分は、刑法理論を知らないと、理解が難しい かもしれません。 専門的に説明すると、もっと訳が解らなくなるでしょう から簡単に説明します。 医療行為は、例えば手術などは、人の身体を切り刻み ますから、本来は傷害になるのです。 しかし、それが医療行為として正しいものなら 刑法35条が適用され、違法性がない、として 傷害罪は成立しません。 ボクシングの試合も同じです。 殴り合っているのですから、本来は暴行、傷害になります。 しかし、ボクシングというスポーツの枠内で行われる 限りは、正当行為として、暴行罪や傷害罪にはなりません。 この場合は、医療行為が正当でなかったのですから 本来の姿に戻って、傷害罪、傷害致死罪になる可能性が 出て来た、ということです。
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- georgie-porgie
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> 本件では、警察は、…………、過失致傷罪として捜査していた。 > しかし、両親は、…………、傷害致傷罪である、として今回、告訴した、 > ということでしょうか? 刑法の学習書で「構成要件的故意」について調べましたか? 回答No.4で検討した傷害や殺人の故意は構成要件的故意で、 前述した犯罪の成立要件1.(構成要件該当性)の段階に位置づけられます。 他方、責任故意は、 前述した犯罪の成立要件3.(有責性)の段階に位置づけられます。 回答No.4のこの事件に関する解説は、 犯罪の成立要件2.(違法性)や3.(有責性)について 検討していませんから、 刑法総論の論題に対する解答としてはまだ不完全です。 ただ、あなたがこの事件を題材として刑法の理解を深めたいと思うなら、 まず犯罪の成立要件1.(構成要件該当性)の段階で、 なぜ医師が「正当な医療行為」を意図していれば 傷害の故意がなくて過失に留まるとされ、 なぜ医師が「禁忌に該当する」と認識していれば 傷害の故意があるとされるのか、考えてみてください。 この続きは明日以降に。
補足
ありがとうございます。 明日以降が楽しみです、笑。 >まず犯罪の成立要件1.(構成要件該当性)の段階で、 なぜ医師が「正当な医療行為」を意図していれば 傷害の故意がなくて過失に留まるとされ、 なぜ医師が「禁忌に該当する」と認識していれば 傷害の故意があるとされるのか、考えてみてください。< 私の理解としては、「正当な医療行為」を意図した手術で医療過誤があった場合は、手術=傷害の構成要件的故意は「ある」が、正当業務行為と誤信していたので、責任故意がない、のだと思いますが、私の勘違いでしょうか?
- georgie-porgie
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> この記事の中で、 > 「正当な医療行為でなければ(業務上の行為でなく)傷害行為に当たると判断した」という部分の意味がよく分からない ↑ これは記者会見の内容から一箇所を抜き出したもので、 しかも筆者が自分の推測に基づいて()書きを添えているので、 わかりにくい文になっています。 また、この記事では「故意」というキーワードが抜け落ちています。 次の記事では、 男児の両親が「故意による疑いが生じたと主張している」 と報じていて、告訴の趣旨がわかりやすいと思います。 http://www.jiji.com/jc/zc?k=201502%2F2015021900789 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150219-00000133-jij-soci ↑ 念のためリンクを二つ貼っておきますが、時事通信社が配信した同一の記事です。 > なぜ、正当な医療行為でない場合は、過失致死罪から傷害致死罪になるのでしょうか? > 刑法は勉強しているのですが、次のように考えてよいでしょうか? この麻酔科医らが男児に鎮静剤を投与した行為が 正当な医療行為であったかどうかと、 この麻酔科医らに、当該投与行為による傷害の故意があったかどうかは、 刑法理論上は別の論点です。 犯罪が成立する要件は、 1.(罪刑法規に定める)犯罪の構成要件に該当して、 2.違法であって、3.有責である、ことですね。 ある行為が正当な医療行為であることは、違法性阻却事由、 すなわち、前述した犯罪の成立要件2.(違法性)を阻却する事由です。 刑法より抜粋: “(正当行為) 第三十五条 法令又は正当な業務による行為は、罰しない。 ” 傷害致死罪と、 過失致死罪及び業務上過失致死傷等罪(人を死亡させる場合)では、 人を死亡させる原因となる行為について 行為者に構成要件的故意があるかどうかが異なり、 これは前述した犯罪の成立要件1.(構成要件該当性)の段階における相異です。 故意の刑法理論上の位置づけや故意の要素については、諸説ありますが、 ここでは通説に従って、 構成要件的故意と責任故意を区別し、 犯罪事実の実現の認容が構成要件的故意の意思要素だと考えることにします。 本件医療事故において、 麻酔科医らが男児に鎮静剤を投与した行為は、 同剤の使用に係る禁忌に該当するものでした。 もし、この麻酔科医らが正当な医療行為であると認識して当該投与行為をしたならば、 刑法理論上は、 行為者は当該投与行為によりこの男児(の身体)を傷害することも 当該投与行為によりこの男児を死亡させることも認容していなかったと考えられ、 従って傷害や殺人の故意が否定されます。 当該行為者が、医療業務上必要な注意である、 薬剤の使用に係る禁忌行為を確認して回避すべき注意を怠った過失によって 当該投与行為をし、 これによって人を死亡させたものとして、 業務上過失致死傷等罪が成立することになります。 刑法より抜粋: “(過失致死) 第二百十条 過失により人を死亡させた者は、五十万円以下の罰金に処する。” “(業務上過失致死傷等) 第二百十一条 業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。” 他方、 もし当該投与行為には (告訴状において主張されている通り) 当該鎮静剤の適応を小児へと拡大するために必要なデータを取得する目的があり、 この麻酔科医らが禁忌に該当すると認識しながら当該投与行為をしたならば、 刑法理論上は、仮に殺人の故意が否定されるとしても、 行為者は当該投与行為によりこの男児(の身体)を傷害することを 認容していたと考えられることから、傷害の故意(※)があったことになります。 当該行為者が傷害の故意を以て、 敢えて禁忌に該当する当該投与行為をして人を傷害し、 これによって人を死亡させたものとして、傷害致死罪が成立することになります。 ※ 傷害の実現を消極的に認容していた……傷害の未必の故意、 認容していただけではなく積極的に意図していた……傷害の確定的故意。 刑法より抜粋: “(傷害致死) 第二百五条 身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。”
補足
ご回答ありがとうございました。 本件では、警察は、医師らには、傷害の構成要件的故意はあるが、医師らは「医療行為=正当業務行為だ」と考えて鎮静剤を打っていたから、責任故意がなく、過失致傷罪として捜査していた。 しかし、両親は、医師らには、傷害の構成要件的故意はあるし、かつ、医師らは、データの取得を目的として鎮静剤を打っていたから、つまり、もともと「医療行為=正当業務行為だ」とは考えていなかったから、責任故意があり、傷害致傷罪である、として今回、告訴した、ということでしょうか?
- ryo_ Deathscythe(@Deathscythe)
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まずこの種での最大の罪なのは「殺人罪」です。 おそらく殺そうとは思っていないのでこれは適用されません。 で、過失致死罪の場合は「行為自体は正当だけど(この場合だと投与量を)誤って死なせてしまった」場合です。 医療行為が正当でないなら、 行為自体が間違っているので暴力と同じ事になりますので傷害致死になります。
- TooManyBugs
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判断したのは両親、弁護士ですから理由は本人に聞かなければ確かなことはわかりません。 医師が薬を処方したり手術で身体に傷を付けても傷害罪などにならないのは正当業務行為(刑法 第35条 法令又は正当な業務による行為は、罰しない。)だから、この場合過って死なせた場合は業務上過失致死罪(実際の適用は希有)になる。 正当でない医療行為だから鎮静剤の使用が傷害罪もしくは暴行罪に相当、結果死亡したから傷害致死罪との判断と推測されます。
補足
専門家としてのご意見、ありがとうございました。 僕も刑法は勉強しているのですが、次のように考えてよいでしょうか? 本件の医師たちが、(客観的には禁忌の鎮静剤を投与した本件の医療行為が正当業務行為ではなかったとしても)、医師たちの内心において、自分たちの行為が正当業務行為だと誤信していた場合は、誤想正当業務行為として、故意がない。 これに対して、遺族は、本件の医師たちは、(客観的には禁忌の鎮静剤を投与した本件の医療行為が正当業務行為ではなかっただけでなく)、自分たちの行為が本件の鎮静剤の適用拡大のデータを集める違法な目的で行うものだと認識しており、医師たちの内心において正当業務行為だと誤信していなかったから、誤想正当業務行為ではなく、故意がある。