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庄司薫 愛読された方
庄司薫を愛読された方、想い出話などお聞かせ下さい。
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『赤ずきんちゃん気をつけて』 これ読んだのはたしか高校1年のときでした。芥川賞の作品を順に読破しようと 試みていた頃です。まず、この作品が特異な文体と題材であることに驚きました。 これが女の子たちにもてはやされるのが気になって、放課後黒板に書評のような ものを黒板に書きました。内容はもはや定かではないのですが、私が書いたのは 「これが単なる青春小説として読まれるのは間違っている。これは主人公(東大 入試が中止になった年、高校生だった世代)が書いた小説でなくその10年前の 世代が書いた小説という点だ。柴田翔のされどわれらが日々の挫折感の流れの先 にあるものを感じ取るべきだ。」 というような内容だったと思います。 当時の私は知性より直感的な情動に従って生きることに魅かれていました。それ に対してこの作品は、膨大な蔵書を持つ老人のエピソードや主人公と友人との 会話のなかで、幾度も「教養や知」の持つ力を取り戻し世界の混迷と戦っていく べきだと主張しています。 読み終えると誰しも、作品に隠れた真意を読み解こうとおもうのではないかと考え 「みんな、どう思う?」と訊きたくて黒板に書いた書評でした。 特に、進学校のクラスに数人しかいない女生徒に(本当は憧れていたN子に)問い かけたつもりでした。それを読んだ国語の教師が 「○○くん。井上靖の補堕落渡海記を読んだことはあるかい?」 と謎の言葉を残しただけで、せっせと自分で黒板を拭いて授業をはじめました。 人生は不可思議で奥深いものだよと、その先生は言いたかったのでしょうか 井上靖と庄司薫の接点は謎のままです。 そののちの3作品も楽しく読みました。寡作なのが残念ですね。 もう77歳なんですか。
お礼
おはようございます。御回答に感謝いたします。くりかえし御回答を読ませていただきます。