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電子書籍

最近は楽天は電子書籍が増えています。今後、普通の書籍がなくなるのでしょうか?

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回答No.1

電子コンテンツには、ひとつだけ大きな欠点があります。 コンピュータがないと読めないことです。 コンテンツだけで独り立ちができていないんですね。なので、今の電子ブックが1000年後に残るためには、1000年後に電子データが残るだけでなく、その電子データを再生するプレーヤーも残る必要があります。 昔のビデオの多くは、ベータやVHSで保存されていますが、いま、それを渡されても、プレーヤーを探すほうが大変ですよね。 本には大きく2種類があります。 上製本の呼ばれるもので、背が固められ、10年以上の長い期間保存できるものです。さらに接着剤を使わず糸かがりにして、中性紙を使うと、1000年の壁も超えられる本になります。 紙も高いですし、製本も一部または全部の工程が手作業になる高価な本になります。 もうひとつは仮製本と呼ばれるものです。安価で印刷の写りが良い酸性紙を使い、接着剤で表紙を固めた本は、文庫本、新書、単行本の多くに使われ、庶民の書籍文化を支えるものです。 書店が身近なものになり、世界で最も安い流通網を構築し、年間何十万冊もの新刊が出ています。 これらの本は、ただ、残念ながら本としての寿命は5年から長くても7~8年です。それを超えると紙は酸化し色がついてしまい、接着剤は弱まり、少しの無理でページがバラバラになることも。 あと、こういう視点もあります。 楽天KOBOがターゲットにしている本の多くは、ブックオフなどで売っているような少し昔に出た本、ようは古本屋です。AmazonKindleは、新刊の発売にこだわり、新刊書店をターゲットにしています。あと、新聞や雑誌をターゲットにしているGALAPAGOSやフジサンなどがあります。 出版社の視点からすると、古本がフックオフで売れても1銭の収入もありませんが、KOBOで売れれば収入が入ります。なので、電子書籍に積極的でない出版社も、もう新刊書店では1冊も売れない本の電子化には積極的です。 ただ、これがどんなに進んでも、紙の本は残ります。新刊の上製本が単行本になり、やがて文庫本になり、それも売れなくなってから電子書籍になるわけですからね。これで困るのは流行作を扱っている古本屋です。新刊書店は困らないんです。100巻を超える二十手捕物帳やゴルゴ13の全巻を揃えられる本屋はほとんどありません。最新刊を置くだけです。でも、電子ブックで昔の作品を読んで興味を持ったお客が最新刊を買うようになったら、新規のお客さんが増えるわけです。 売れる雑誌の売上は、書店ではなくコンビニに写ってしまいました。ただ、コンビニはもともと単価の高い商品を扱うお店で、薄利の雑誌は客寄せには良くても、あまり積極的に売りたいものではありません。でも、求められる雑誌がないとお客さんからは文句はいわれる。 出版社にとっても、数百円の価格帯の雑誌は、雑誌の売上では単なる赤字で、広告収入や単行本の売上で黒字化しています。 じゃあ、紙の本は要らないね。作品をWebに載せてればWebで広告も載せて広告料も取れるし、連載が進めば単行本化もできる。 これまでは無料でWebやアプリに雑誌は流れていました。今日、AmazonがKindleで雑誌を無料配信することを発表しています。一度手続きすると、ずっと無料で最新号が配信され続ける。 雑誌はひょっとしたらあと数年でほとんど見かけなくなるかもしれません。ただ、そのためには、幼稚園児や小学生、老人やコンピュータが苦手な人が、電子書籍リーダーを使えるようになっている必要があります。 紙の雑誌で今元気なのは、かつて少年ジャンプのような少年や青年をターゲットにしたものではなく、コロコロとゼクシーです。ターゲットは、分かりますよね? 最後にご質問への回答ですが、「普通の」書籍はなくならないと思います。「蔵書」として子どもや孫に残すことができないからです。電子書籍になっても、紙の本の需要はなくならないからです。ただ、流行を追った作品は、普通の書籍からはなくなっていくと思います。 紙の本の最強の利点は、レコードやCD、ビデオテープと違って、それだけで読み返せることです。この点を覆せないと、普通の本がなくなることはないでしょう。

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