森林生態系において、一次生産は樹木や草などの草本類がメインです。そしてこれらは光合成で生産した有機物の一部をセルロースという難消化性物質として蓄積します。多くの生物はセルロースを効率的に分解できないため、大量のセルロースは糞などとして排出されてしまいます。(ただしそれらは最終的には微生物や真菌によって分解されるか、腐植としてゆっくりと土壌に蓄積されていきます)つまり光合成産物の多くが未消化のセルロースとして『無駄』になってしまうわけですね。
一方海洋生態系においては、一次生産の多くは植物プランクトンが担っています。
そしてこの植物プランクトンはセルロースは生産しないものがほとんどで、陸上植物に比べて大変消化吸収がよいです。このため、植物プランクトンの成分の多くは食べた生物の血肉となって生態系ピラミッドの上へ上へと登っていけるわけです。
このことから海洋生態系は難消化性物質であるセルロースを持つ一次生産者が森林生態系に比べて少ないため、総生産量の多くが養分として利用できるということです。