会社法という法律では会社には最低でも1名の取締役を置くことが義務付けられています。1名しかいない場合はその人が代表取締役です。複数(2名以上)の取締役がいるなら、最低でもそのうちの1人が代表取締役でなければなりません。
一方、常務とか専務という呼称は法律で定められたものではありません。これは法律とは関わりなく、単なる肩書に過ぎません。一般的には複数いる取締役のうち、社長、副社長や専務に次ぐ地位(順番とでも言うか)にある役員、という意味です。でうから、社長も専務も常務も法律ではまったく同じ取締役なんです。
そして慣例的には冒頭に述べた代表取締役は同時に会社の肩書である「社長」であることが多いのですが、会長であったり、専務でも代表取締役である会社もたくさんあります。
>どちらの方が偉いのですか?
これに回答するのは誤解を生みやすいんですが、取締役には先ほど述べたように社長を務める代表取締役もいれば、専務である取締役もいます。ですから、常務取締役と取締役はどちらが偉いのか、という質問は「ブルドッグと犬はどちらが高いのか」という質問のようなものなんです。ブルドッグは犬ですが、犬がすべてブルドッグである訳ではありません。
ただし、(あくまでも一般的に、ですが)、社長も専務も常務も付かない取締役もいます。代表的なのが部長から昇格して取締役になる人です。まだ常務ではないので、ヒラ取(ヒラの取締役なので、ヒラトリ)とも呼ばれます。この意味では常務の方がヒラ取より偉い、と言っても間違いではありません。
また社外の人を取締役に任命することもあります。社外の大物経済人が取締役に就任すると、専務や常務より実質的に地位が上、なんてこともあります。しかし社外の人が専務や常務という社内肩書きをもつことは、まずありません。
常務取締役とは、常務(社内の肩書)+取締役(法律で決められた役職)の複合語なんですよ。
お礼
回答頂きありがとうございました。