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シプロキサン注射液とエンピリックセラピーについて
プロキサン注射液をエンピリックセラピーに使ってはいけない理由は何ですか?
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- kyushuwalker
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疾患によりけりでしょう。例えば市中肺炎にニューキノロンの注射を第一選択薬にしたら、こいつは使えないというレッテルを貼られます。喀痰培養を出して、ABPC辺りから始めてもOKです。市中でもMDRPやMRSA肺炎がありますなんてアホなことは言わないで、グラム染色の結果を待ちましょう。ほんの10-20分です。問診とグラム染色で当たりをつけて、起因菌を推定し、古くから使われているオーソドックスな薬を第一選択にしましょう。サンフォードに書いてあるからっていうのもちょっと間違い。便利だけど、あれはとってもファイザーよりに作ってあります。エンプリックセラピーは問診と、グラム染色と、推理です。たとえ耐性菌が起因菌だったとしても、余裕がある場合には、感受性試験の結果を待っていればいいと思います。 たまに待てない場合もあります。数日以上前の入院患者とか、抗生剤がすでに使用された転院患者とか、ショック状態にあるとか、こういう場合には耐性菌をあらかじめ見積もる必要があります。 ニューキノロン注射薬をエンプリックセラピーで使う場合。例えば、抗がん剤治療中、ステロイド使用、ベースに糖尿病があり、中心静脈栄養を行っている患者に、感染フォーカスがはっきりしない39度の発熱なら、MRSA治療薬+ニューキノロン注射薬+抗真菌薬でも問題なしでしょう。 つまりTPOを守れば使っても問題なしです。ただ、このような患者には十分な量を十分な期間投与しましょう。中途半端に使うと耐性誘導します。de-escaltionもお忘れなく。 使ってはいけない理由は、耐性菌を誘導しやすいことで、外したくないからシプロキサンを使う人は、不十分な量を不十分な期間使う人が多いです。使うからには、バシッと覚悟を決めて使いましょう。 大曲貴夫先生の 「感染症診療のロジック」という本をご一読することをお薦めします。
お礼
どうもありがとうございます。大変助かりました。 感染症診療のロジックを早速読んでみようと思います。