こんにちは。
社会福祉会計基準は徹底した区分経理を要求しています。したがってその区分で負担すべき支出(資金収支)、費用(事業活動)はその区分でキチンと仕訳をしないと、適正な資金管理と損益計算ができなくなってしまいます。
それでも、今回のように資金負担と費用負担の区分が異なる(A区分が費用計上し、かつ支出すべき掛金をB区分が支出した)場合には、両区分間で繰入金による資金移動があったと考えて仕訳を切る必要がります。
具体的な仕訳を示す前に、いくつか確認をしておきます。
(1)「預り金」勘定は、掛金の個人負担分を職員の給与から天引きしたものと理解します。そうすると、サービス区分Aからの支出として仕訳が切られている預り金は3,000ではなく、1,500ではありませんか?つまりA区分による負担分は預り金ではありません。事業主・職員折半と考えると、職員の給与から天引きしたのは1,500だと思います。
(2)退職給付引当資産と退職給付引当金に、職員負担の掛金も計上されているようですが、職員負担分は計上しないはずです。あくまで法人が一時預かっていただけです。個人負担の社会保険料と考え方は同じですよ。
仕訳例:A区分の方も仕訳が必要です。以下、ご確認ください。
A区分:
資金収支;
退職給付引当資産支出 1,500 / 支払資金 1,500
支払資金 1,500 / 繰入金収入(Bより) 1,500
事業活動;
退職給付費用 1,500 / 退職給付引当金 1,500
預金 1,500 / 繰入金収益(Bより) 1,500
退職給付引当資産 1,500 / 預金 1,500
B区分:
資金収支;
退職給付引当資産支出 1,000 / 支払資金 1,000
繰入金支出(Aへ) 1,500 / 支払資金 1,500
事業活動;
退職給付費用 1,000 / 退職給付引当金 1,000
繰入金費用(Aへ) 1,500 / 預金 1,500
退職給付引当資産 1,000 / 預金 1,000
預り金(B個人負担) 1,000 / 預金 1,000
預り金(A個人負担) 1,500 / 預金 1,500
もし他の区分の引当資産も区分Bで積み立てることにするのでしたら、上記の仕訳をした上で、
A区分の事業活動;
退職給付引当金 1,500 / 退職給付引当資産 1,500
B区分の事業活動;
退職給付引当資産 1,500 / 退職給付引当金 1,500
としたら良いかと思います。
ところで、A区分の職員の預り金がB区分の口座にあるという事は、A区分の職員の給与もB区分の口座から出されているということでしょうか?そうだとすると、A区分の職員給与支払いの時にも、B区分からA区分への相当額の繰入金がなされたと考えられるのですが、この点は大丈夫ですか?
お礼
説明が、悪く、混乱させてしまいすみませんでした。 丁寧にありがとうございました。