具体的に米国の雰囲気については述べられませんが、こと欧州に
関しては、全体的に言えば、無宗教も、反教会主義も反キリスト教会
も、何でもありです。公言しても、何らマイナスになることはありません。
60年代までは、インテリの中には意図的にカトリックであることを公言
する雰囲気がありました。いまやそれは逆に隠す傾向にあります。
インテリと教会の関係も、もはや終わっています。
無宗教者は「欧米ではキチガイ扱いされる」というイメージは、明治時代
に日本に持ち込まれた一面的な印象をそのまま続けているのではない
ですか。あるいは、カルト的な人間が一方的に言いふらしているか、
あるいは学校の社会科で一面的に教えられたか。
(どの国にも、過激な根本主義者は見られます。一部ですがどの宗教に
もいます。現今の世界情勢を見れば、一目瞭然です。)
旧共産主義諸国では、おおむね無宗教、反教会の教育に成功しました。
その結果、教会に一度も足を踏み入れたことのない人びとは、かの国々で
はおびただしい数に上ります。
聖書をみたことも、当然、手にしたこともない人というは別に珍しくありま
せん。クリスマスや復活祭もまったく祝わないか、祝っても、国民的行事
位にしか考えない人も、もの凄くいます。
特に、ドイツをはじめ、少数ながら教会税制のある国々では、当初から
あるいは途中から脱退する人の数も、もの凄いです。そこでは、「無宗教」
と言うことを申告すれば、教会税を払う必要はありません。それで差別
されることはまったくありません。教会税は、いわば、クラブの会費みたいな
ものだから、それに入れば義務付けられ、源泉徴収されるます。
仕事を始めるときに、当初から「無宗教」と記入すれば、教会税はかから
ないし、途中脱退すれば、その月から免除されます。職場でも、一般社会
でも何ら問題はありません。ただ、葬式のときも無宗教ふうに、教会の
司祭や牧師なしで埋葬するだけです。それでも不都合はありません。
欧州各国でそれぞれにちがいますが、無宗教者が何かの差別を受ける
ことはありません。教会が猛反対した人工中絶や、離婚も、もはや昔話に
近い感じです。教会の思惑どおりには社会が動いていません。
昨今、同性同士の結婚すらも承認される時代です。
本当に、無宗教者が差別されるのでしたら、もっとも反教会的、反宗教的で
ある同性愛結婚はまずもって不可能なはずですが、大体認められる傾向に
あり、いくつかの欧州内の国では、法的に承認されています。
これは社会的にも、無宗教者がキチガイ扱いされていない、明白な証左です。
ニーチェが反教会的、アンティ・キリストについて書いたのは19世紀です。
フランスは18世紀のフランス革命以降、人々の教会離れは進みました。
無宗教も反教会も何ら問題はありませんでした。
国民の9割がカトリックだとされたポーランドでも、教会とは無関係な人は
かなりいました。何も不都合はありませんでした。
イタリアでも、戦後の共産主義が強かった頃、教会と縁のない人はもの
凄くいました。今でもいます。
宗教の自由を求めてあの大陸に渡り、建国した米国でも、その後、数多くの
国からの移民でなりたっています。長期の生活経験がないので詳細につい
ては語れませんが、
欧米のうちの欧州、特に、EUのなかでは無宗教でも、反教会でもいっさい
問題はありません。人間にとって、自由性こそ最も重要なことだからです。
教会もそれは成立当初から自覚しています。
カルトに染まっている人の言うことを鵜呑みにしないほうがいいです。
どうか、諸外国についての、一面的で、誤った想像や認識から開放され
ることを願います。
お礼
おお、面白い。とても参考になりました。