色々な観点がありますので、私の考える愛国の問題点について回答します。
1)判断基準の偏り
愛国心というのは論理を超越した価値観ですので、これを判断の基準にしてしまうと
第三者から見ると明らかにおかしな判断を下すことがあります。
ネットで見れば、中国、韓国、日本のそれぞれの「冷静でない意見」が散見されます通り、
メリット、デメリットを全然考慮しない判断が下されます。
2)他国の排斥
愛国心として、自国を誇りに思う気持ちが高まり過ぎて、他国を見下すようになったときに、
他国を排斥する行動に出てしまうことが、歴史上よく見られます。
(例えば、移民の排斥ですとか、日本の幕末であった尊王攘夷運動による外国人の暗殺ですとか)
これは、他国民だけでなく、意見の異なる自国民に対してもしばしば行われます。
『俺は日本の事を考えている』
→『あいつは自分と意見が違う』
→『あいつは日本のことを考えていない』
という、おかしな三段論法で「自国の敵」として認識されてしまい、『だから奴に対しては何をやってもいい』
という思考に陥ることがあります(これは3)の話も絡みますが)。
3)大義名分・同調圧力
愛国心は何か事を起こすときの大義名分に利用されることがしばしばあります。
例えばクーデター。
「我々は国を想って武力蜂起したのだ!」
という主張に対して、論理的に反論することは難しいです。
なぜなら、「国を想って」というのはしばしば事実であることが多いですし、
その部分が嘘だとしても、それを第三者が嘘だと証明することは困難なためです。