あるとしても、1957年頃にあった程度のものですね。大したことはありません。
カナダのケベック州の停電がよく引き合いに出されますが、逆に言えばケベック州くらいしか例がない。注意したいのは高緯度地域だということです。オーロラは荷電粒子から成る太陽風が地磁気によって北極・南極に誘導され、その影響で出ます。
高緯度地域では、常にそうした太陽からの荷電粒子の影響を受けやすいんですね。鉄道の信号に影響して、事故になった事例もあり、現在では対策が必要という認識になっています。オーロラが大規模に見られるときなどは、要注意となります。
動画などでは、太陽フレアによる荷電粒子が降り注いで、多数の発電所がどっかんどっかんと爆発事故を起こして、なんてものがあるようですが、そんなことは起こりません。
高緯度地域でも、現在行われている、あるいは行われつつある対策で充分です。
P.S.
高い高度で核爆発を起こせば、荷電粒子を大量に地表に送ることができ、発電所や電子機器に故障を誘発できたりはします。核兵器の使用方法として、真面目に検討されたほどです。
軍事用などの重要な施設や機器は、それへの対策として、配線を金属で覆うなどが施されています。それにある程度近いことを太陽が起こすとすれば、太陽程度の恒星では非常に起こりにくいが、まれに起こすらしいことが分かってきたスーパーフレアがあったときでしょう。
しかし、太陽が今までスーパーフレアを起こしたことはありませんし、起こるとしても天文学的な低確率です。小説などのフィクションでは、眩いばかりの光といった描写がありますが、実はそんな凄い現象ではなく、地表での明るさは、少なくとも目で見ての変化はありません。気が付いたらスマホが故障している、といった程度。
また遠い将来、地磁気が一時的に失われる可能性があります(地磁気は長い期間でみれば反転するらしいので)。そのときは、今は地磁気が防ぎ、北極・南極に誘導している太陽からの荷電粒子(太陽風)が、そのまま地表全てに到達しますので、今は高緯度地帯だけで行われている対策を、低緯度地域でも行う必要がでてきます。
生きている間にそういう現象を観測したいものですが、それはちょっと叶わぬ願いのようです。