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ブータンへの対外援助が多額なのは?
昨日の哲学カテゴリに、ブータンに関して <彼らは完全であった、彼らは完璧であった> という質問があり、興味深く読みました。 その回答群のなかに <歳入の4割が外国の援助に頼っている。> があり、気になりました。 各国とも、単なる道義精神でブータンへ援助をしているわけではない、と思います。多額の援助をしている思惑とは何でしょうか?
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ブータンの大多数の国民は農民で、自給自足であり、 服は手織り、家は集落内で交代で建て替えるという 自給自足=貨幣経済から離れた所に真の経済の 実体があり、政府の予算は主に、公共建築や車道の メンテナンスなどに使われるものであり、国民にとって それがないと困るという性質のものではありません。 車道自体、国土を東西に貫通する1本+そこから 南北に分岐した数本の枝道しかなく、県庁所在地でも 車で行けない所があり、車を見た事もないお年寄りも 多かったぐらいですから。 確かに、国家予算の半分前後がODAですが、だからと いってその額が多額ではないのは、上記の通りで、 病院や学校、橋の建設といったモノによる援助です。 その額は、他国への援助に比べて特に多いとは言え ません(日本の援助も主に人口に比例するので少額)。 下記のJICAサイトで見ると、すぐお隣のネパールへの 援助額の1/3、パキスタンの1/20で、同レベルの 援助額というと、ソロモン諸島やトンガといった島国に なります。 http://www.jica.go.jp/about/report/2012/ku57pq00000sc3za-att/59.pdf そのように少額に過ぎない日本の援助が、インドに 次いで、毎年デンマークと第二位を競う主要援助国で ある事が、「国家予算の半分がODA」という事の “些細さ”を示しています(貨幣経済によらず国が (「政府が」ではない)成り立っている)。 そもそもブータンは、そんなに援助を欲しがっておらず、 デンマークなどという妙な国が日本と並んで主要援助 国になっている秘密は、他の国では大援助国である アメリカやイギリスの援助を断った‥‥というよりアメ リカの平和部隊やイギリスのVSOがキリスト教の布教 活動をしたというので追い出した(仏教が国教で他教 の布教は禁止(自宅内で他人を招かなければ可)) ために援助を絶たれたのです。 同時に白人の国際協力団体から敵視されネパール系 不法滞在住民を追い出した時に「ブータンが難民を生み 出した」と世界中に反ブータンキャンペーンを張られたし。 そして、そうした日本を含めた全ての国の援助総額を 上回る援助をしているインドには、更に複雑な事情が あります; 1.イギリスがブータンを攻めて、インド平原にブータンが 持っていた領地を取り上げた時(同時に外交権も取り 上げた)、その代わりブータンにお金を払うという腰の 引けた勝利に留まったため、その後イギリスからインド が独立した時に、その支払いを援助の形で引き継いだ のです。 2.インドは中国と国境紛争を続けており、ブータンの 中国国境にはインド軍の基地が点在するだけでなく、 インド軍全体の教育師団(IMTRAT)が、何とブータン 国内の「ハ」県にあるのです。当然、道路のメンテナ ンスへの“援助”は、インドにとって必須なのです。 3.ブータンの貿易額の9割以上がインド向けであり、 インドがブータンの最大援助国なのは当然です。 そもそも、ブータンの主要輸出物が電力であり、その 全てがインドに送られているところ、その発電所も インドの援助が半分(残りはADB)なのですから、 『それってブータン国民への援助?』と聞きたくな ります。 上記が、国家予算の半分をODAが占めているブータン への圧倒的に最大の援助国であるインドの「思惑」です。 (下の画像は、農閑期に村人が集まって古くなった家を 歌いながら建て替えている所。日本人は一生働き詰め じゃないと自分の家など持てないのにねぇ)
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- hideka0404
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ブータンは、軍事的にはインドの属国で、国内にインド軍が進駐しています。 対中国包囲網の構築の為に、日本はブータンの民主化とブータンの経済を実質支配しています。 ブータンの借入先が、主に日本のODAと無償緊急援助などです。 立憲君主国ですが、議会政治を日本に学んでいます。 (簡単に言うと、国王は天皇の立ち位置をまねようとしています) 日本のJICAの支援で、大規模水力発電所を建設して、インドに売電して外貨を獲得していますが、日本のODA垂れ流しがないと、国としてやっていけません。また、その為に日本から多額のプラント物資を輸入しなくてはなりません。その紐付きODAなので、返済額が低い、ソフトローンになっています。 国の幸福度が高いのも、日本の無償援助による、農業改革(まつたけ生産)・教育改革(識字率向上)などで、仕事があるので貧困が減ったというのがあります。 このために、ブータンは国連では日本に批准しています。 こんなに世界で日本人に感謝や憧れを抱く国もないでしょう。 日本人がもっとも安全に暮らせる国です。
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早速の回答ありがとうございました。 <対中国包囲網の構築の為に、> ですね。多額の援助が日本のへ <感謝や憧れを抱く> そうで、有効に生きているわけですね。、
- あずき なな(@azuki-7)
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ブータンはかつて西岡京治という日本人が農業改革を行い「ブータン農業の父」と言われ今も称えられています 前国王の時代は封建的で色々批判等もあったようですが今のワンチュク国王になってからは国際社会にも目を向け 各国からの投資や企業の誘致も呼びかけています 外国が援助するのは開発の余地があると踏んでいるからでしょう 良い国は恩を売って損は無いという考えも有ると思いますが
お礼
早速の回答ありがとうございました。 <西岡京治> については、初めて知りました。よほど <開発の余地が> あるのでしょうね。そして、 <恩を売って損は無い> ということですね。
お礼
回答ありがとうございました。 ブータンでの体験や、深い見識を持っておられるPSYTEX様の登場を、じつは、首を長くして待っておりました。 <政府の予算は主に、公共建築や車道の メンテナンスなどに使われるものであり、国民にとって それがないと困るという性質のものではありません。> ですね。援助額が多かろうと低かろうと、国民にとっては、誇張して言えば、無関係なのですね。 そして、インドなどの各国の側の思惑(内情)も興味深く知りました。、