農協と種苗会社は分けて考えましょう。
最初に農協は総合企業で、大きく分けてもいくつかの部門に分かれます。
1.金融・共済(生命保険・損保)
2.購買(肥料、種子、飼料、農機具など多種多様な物の購入と農家への販売)
3.販売(生産された米や野菜の販売やコメの保管倉庫事業)
4.営農指導
5.サービス部門(冠婚葬祭事業、車整備やガソリンスタンドなど)
6.その他 不動産販売や管理やその他
これを見ると解りますが、農学部卒であると良いのは4のみです。
農協も企業ですから利益を生まなくてはいけません。
すなわち利益は4以外の部門でうまれているわけです。
特に都市部の農協では金融中心になっています。
種苗会社では農学部卒が良いかもしれませんが、最近の新品種を見ると
今までの育種方法では対応できず、バイオによる方法が多く利用されています。
言い換えれば栽培は農学ですが、今の育種はもっと根幹の生命工学や生化学と
いわれる分野が重要になっています。
また種苗会社は遺伝子としての資産を多く持っていますが、資金力は一般的な
食品などの企業の方が大きいです。
ですから種苗会社とそれらの企業との提携がいくつか見られます。
最近は資金と生化学に力のある、JTやビール会社などの新品種が多く出ています。
大学院卒で就職を考えられているのでしたら、ふつう農協といわれるものは市町村や
その地域を基盤とした単一農協よりも、都道府県の上部団体で経済連や中央会なども
ありますし、製薬会社や農業試験場もあります。