埋め立て処分が正しいがどうかを簡単に決めることはできません。どのようなリサイクルを進めても、最終的には不要物となるからです。また、今後、技術が進めば技術的には捨てなくてもすむようになるかもしれません。しかし、そのために費やされる費用やエネルギー量を考えると、社会として合理的な選択かどうか、問題があります。せっかく作った埋め立て処分場ですから、できる限り長持ちさせるためには、埋め立て量を減らす努力が必要です。その方法はリサイクルと焼却などによる減量化です。できる限りリサイクルを進め、その上で埋め立てるごみはダイオキシンがでないような高度の安全装置を付けた施設で焼却し、埋め立て量を減らすことが必要になります。
ごみには家庭からでるような一般廃棄物と産業活動に伴ってでる産業廃棄物に分けられます。
このうち、一般廃棄物は、人が生活する以上、どうやってもゼロにすることはできません。産業廃棄物も経済活動がある限り、ゼロにはできません。結局、今のような生活様式を続ける限り、なにがしかの埋め立てが必要になります。
埋め立て処分場の適地は、地盤が堅固であれば、それ以外には絶対にこの条件がなければならない、ということはありません。tikさんのお答えにあるように、埋め立てるごみの種類に応じて「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」が備えなければならない構造を規制しています。この条件を満たす限り、どこでもかまいません。しかし、実際には、埋め立てたごみからしみ出す汚水を一カ所に集め処理するのに適した地形が選ばれる傾向にあります。すり鉢のような地形があれば、底に汚水がたまるので、処理水を集めやすいのです。もちろん、コンクリートの構造物でそのような形を作ることも可能です。また、ごみの搬送費用、つまりごみを出す場所との距離も候補地決定に関係してきます。
水面の埋め立てについては、環境保全関係法令の規制などがあり、簡単には埋め立てができません。漁業権の補償問題があれば、法律的な困難さに加え、補償費用が建設費に上乗せされます。また、海の埋め立ての場合には、地盤が堅固でないと、そもそも埋め立てができないこともあります。
以上のような物理的な候補に加え、施設周辺の人の理解があります。法律上は構造の安全性が確認されれば建設が許可されることになっていますが、実態は、周辺の人の反対運動があると建設が難しくなります。建設をしたいと考えている行政あるいは事業者により、安全性についての科学的評価、情報公開について十分なわかりやすい説明がないと、周辺の人々の理解が得られないようです。
お礼
たいへん詳しく説明していただきありがとうございました。 埋め立てに関しては完全に私は認識不足だったようです。 多大な困難とコストがかかるものなのですね。 たいへん勉強になりました。