アルミダイカスト金型の熱収縮の考え方について
アルミダイカスト金型の熱収縮の考え方について
鋳造後の製品の狙い寸法を満たすために、
金型製作の際は係数をかけあわせて、少し大きな寸法で金型を製作します。
社内ではアルミ材料種や製品毎にある程度決まった数値が存在しており、
実際にその係数をかけあわせた金型で鋳造すると、
狙いとなる寸法で鋳造品が出来上がってきます。
ただ、その数値の根拠を知る人が社内にいないため、
算出方法を考えています。
考え方は
各材質の線膨張係数
金型
SKD61 11.1x10^-6
アルミ
代表値 23.8x10^-6
鋳造品取出し時の温度
金型 150℃
アルミ300℃
常温は20℃
狙いの寸法を1000mmとして、金型寸法も1000mmで製作した場合・・・
150℃の金型寸法は
1000+1000*11.1*10^-6*(150-20)
=1001.443
アルミは金型から外れるときにこの寸法のはず
この寸法から熱収縮で鋳造品が縮んでいくと
1001.443-1001.443*23.8*10^-6*(300-20)
=994.76938
となり、狙い寸法から外れる。
狙い寸法に入れるには常温状態で金型を太らせておく必要がある
1000/994.76938=1.0052581
となり、社内で使用している係数にかなり近い数値が出てきます。
が、ここからが疑問です。
各合金の線膨張係数を考えると係数はSiの含有量で変わりますよね。
実際にネット上で調べてみるとADC5>ADC12という関係になっています。
ですので、金型の係数もADC5>ADC12という関係になるのが本来と思います。
ただ、実際に社内で使用する係数はADC12>ADC5となっています。
もちろん型構造や取出し温度なども考慮しなければならないとは思いますが、
そもそもの考え方が間違っているようにも思えます。
分からなければ最終的には「そういうもん」で済ませるのですが、
課員と長年考えても回答が出てこないため、
ご存知の方がいれば考え方のヒントだけでも教えていただけると幸いです。
お礼
お返事ありがとうございます。