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骨の神経と、髄内釘について
- 大腿骨を骨折した知人が骨の内部に金属を入れる手術をした際、髄内釘というものを知りました。
- 骨の内部には神経や血管、骨髄などがありますが、金属を入れた場合に痛みや傷つく可能性があるのか疑問に思いました。
- 髄内釘は抜く場合と抜かない場合があり、それぞれメリットやデメリットがあるようです。
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まず骨に神経はありません。 骨を折って痛いのは、骨の周囲を覆っている骨膜というものがあり、それに神経が通っていますので、それが損傷されて痛みがあります。 次に骨の構造ですが、大腿骨のような長管骨は骨の端の部分(骨端部)は周囲を皮質骨という密度の細かい硬い組織で覆われており、その中に海綿骨と言うスポンジ状の骨で構成されています。 そして骨の幹になる部分(骨幹部)はやはり皮質骨で覆われており、その中に骨髄があります。 他にも短骨や種子骨といった様々なタイプの骨があり、それぞれちょっぴりずつ構造や特長は異なります。 さて、髄内釘ですが、大腿骨のような長管骨の骨幹部骨折では非常に有効なインプラントとなります。 他には骨の横からプレート(鉄の板)とスクリュー(骨ネジ)で止める事もできますが、生体力学的に骨の中心に棒(髄内釘)を入れる方が安定性と固定性が高いです。 確かに骨の中に棒を突っ込むとなると「大丈夫かおい?」と思いますが、大丈夫です。 入れた髄内釘を抜くか抜かないかですが、これは年齢にもよります。 若い患者であれば、抜く事はあります。 高齢者の場合は、基本的に抜きません。 手術に耐える体力的問題や抜去の為の再手術による入院で寝たきりになり痴呆を合併したり等リスクの方が高くなったりするからです。 抜かないデメリットとして、再度入院が必要になってしまいます。 また、髄内釘を入れたまま交通事故等にあってしまい、骨内で髄内釘が曲がってしまったりすると、それを通常の方法抜去するのが非常に困難になります。 抜くメリットとしては、骨内に異物があるわけですから、髄内釘周囲の組織で感染をおこすとひどくなる。 力学的負荷が長期に渡ってかかった場合、髄内釘が折損する可能性がある。 ってなとこでしょうか。
お礼
とてもよくわかりました。 迅速に回答していただいたのにお礼が遅くなりすみません。 ありがとうございました。