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石坂洋次郎の盛衰
ほかの方への回答をしていてふと思ったのですが、石坂洋次郎はなぜこんなに急激に読まれなくなったのでしょう? かつて吉永小百合主演などで盛んに映画化、TVドラマ化されていたころ猫も杓子も読んでいたように思うのですが。 というよりむしろ、なんであのころ盛んにもてはやされていたのでしょう。 こういう世界にも栄枯盛衰はなはだしいことは承知しているつもりです。 知りたいのは一時期の人気が続かず、急速に衰えた原因。 個人的ご見解、もちろん歓迎です。どうぞよろしくお願いします。
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流行作家の盛衰に確たる理由があるのかどうか・・自信がありませんが、私も考えてみます。 売れている作家には2種類あるような気がします。つまり、その作品に対して新しい読者が次々に生まれてくるタイプの作家と読者層は比較的固定していて次から次へと作品を出すことによって作家生命を保っている人との2種類です。 前者の作品はスタンダードとなり、やがては古典となっていくのですが、それには時代がどのようになっても変わらないような人間に共通の感情とかをテーマとしてしっかり取り上げ書き込まれているような作品であると思います。 これに対して、その時代の風俗や考え方を取り入れたり、新しい考え方を提唱したりするような作品は時代の先端を行くが故に、その時代と密接に結びつき時代の変化によって古びてしまうことが多いように思います。大半の作家はこちらのコースを辿ると思います。 さて、石坂洋次郎の作品は後者のタイプであり、次々と作品を書くことによって人気を維持していたと思います。で、彼は昭和61年に死ぬ訳ですがそうすると新しい作品はもう出てきません(当たり前ですね)。その作品内容からして新しい読者が付くとは思えませんし、新しい作品が出なくなれば人気を失う(その作品を買って読む人がいなくなる)のは当然ではないでしょうか。 つまり、その作家が死んだり、(十分稼いだりして)新しい作品を精力的に発表しなくなったりすることが人気凋落の一原因となると思います。逆に、その書くテーマが古びたり、他の新進の人気作家とかぶったり、小説の水準が落ちたりして注文が来なくなることすなわち人気がなくなって消えていく作家もいるでしょうね。
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- yan2014
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石坂洋次郎、懐かしいですね。 石坂作品が読まれなくなった理由は、個人的には「性」に対する考え方が時代に合わなくなったことと思います。 青春・恋愛小説を読む読者層からしても、今の時代にラブレターやキス如きで大騒ぎはないでしょう。 今の週刊誌を「青い山脈」の時代に持って行ったら、間違いなく猥褻物と判断されるでしょう。 急速に進んだ「性」の開放?が石坂作品が読まれなくなった原因ではと思っています。
お礼
お答ありがとうございます。#1の方といい、拙問に的確に答えていただいて嬉しくなります。私事になりますが、わが回答の内容とは大違い(泣)。 確かにそのとおりですね。新しいところが真っ先に古くなる。 けれども、あれらの小説のウリはそこだけにしかなかったのでしょうか。一世を風靡した作家をもとにして、何が時代を越えて読まれ続けられるのかについて思いを巡らせています。
- mai9999
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石坂洋次郎さんに限らず、読まれなくなった作家は多いと思います。同時代の作家が流行になって読まれるのは当然だと思います。 時代に合わなくなった。とか、古さを感じる作品だったり、作家の筆が尽きてきたり、愛読者層が高齢化したり、それにつれて本を読まなくなったりとかです。 洋二郎さんは、青春小説のパイオニアかと思いますが、学生小説とかいろんな人が流行の追随をして書いたので マーケットが分散したともいえると思います。 石川達三さんも流行でしたが読まれなくなりました。
お礼
早速のお答え、ありがとうございます。 書かれていらっしゃること、一々納得です。 ただ、古くなったとして、具体的にどういう点が古くなったのでしょう?よろしければ、そこ、もうちょっと知りたいのですが。
お礼
読みやすく分かりやすい文章に、まず敬意を表します。 >流行作家の盛衰に確たる理由があるのかどうか・・ ええ、確かに解答があるのかどうかさえわからないことを質問しています。理由なんて本当はないのかもしれません。けれども、もやもやしたものを、ちょうど石の中からりんごが彫り起こされてくるように明確にしていただいたことは確かです。 ありがとうございました。
補足
この欄をお借りして、回答くださった皆さまへ。 つまらぬ質問に快く応じていただけただけでなく、たいへん有益なご意見を頂戴することができました。ありがとうございました。 なお、こういう質問の回答に優劣などありません。ポイントの発行はまったくの私の気まぐれによるものですのでお気にされませんように。