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「知っていたろうか」は不自然ではないですか?
朝日新聞の天声人語で、<「ひとだすけ」の言葉を知っていたろうか。>という書き出しのものがあります。内容は評判を呼び、広告にも大きく展開されています。 わたしには、「知っていたろうか」という言葉遣いには、なにやら違和感があります。「知っていただろうか」というほうが、しっくりきます。 過去形と疑問系を組み合わせると、こうした書き方になるのかもしれません。文法としては、どういう解説ができるのでしょうか。 この話題に触れた参考文献などをうかがえると助かります。よろしくお願いします。
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文法的説明ですね。 「いたろうか」=い + たろ + う + か い =動詞「いる」の連用形 たろ=完了の助動詞「た」の未然形 う =推量の助動詞「う」の終止形 か =疑問の終助詞「か」 「いただろうか」=い + た + だろ + う + か た =完了の助動詞「た」の終止形 だろ=断定の助動詞「だ」の未然形 ほかは上に同じ で、結局は同じような意味になります。後者は断定が入っているぶん、ちょっときつめの表現になります。違和感があるのは、最近ではあまり使われない言い方だからでしょう。使う人が減ると、使われる頻度の減少も加速していくんですねー。
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- hakobulu
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「だろう」は、 《断定の助動詞「だ」の未然形+推量の助動詞「う」》のような辞書説明があります。 http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%81%A0%E3%82%8D%E3%81%86&stype=1&dtype=0 「知っていたろうか」と「知っていただろうか」の違いは、この断定の「だ」があるか無いかの違いです。 「知っていただろうか」のように断定表現にすると、「知っていたろうか」に比較して疑問が強調された文になるでしょう。 本当に知りたければ、おそらく「知っていただろうか」と書いたと思います。 記事を検索して読んでみましたが、この場合は「知っていたろうか」のほうが適切だと感じました。 『「ひとだすけ」の言葉を知っていたろうか。』の一文に込められた筆者の感覚はおそらく以下のようなものだったのではないか、と推測されます。 『「ひとだすけ」の言葉を知っていたろうか。 ふと、こうした思いも脳裏をよぎる。 いや、しかし、この件に関して、そうした疑問を持つこと自体、おこがましいことなのだろう。』 断定表現を避けることによって、こうした意図を伝えているように思いました。 本当に書きたいのはそういうことじゃないんだ。 でも、あさはかにも、ついそうした疑問も浮かんでしまう・・・。 といったニュアンスでしょうか。 知っていたらどうだというのか? 今さら蘇るわけじゃないんだ・・・。 という思いに裏打ちされた「あさはか」です。 字数の問題もあったのかもしれませんが、こうした言い訳がましいことを一切省略しつつ自らの思いを語っているのが、 『「ひとだすけ」の言葉を知っていたろうか。』 でしょう。 そうした疑問は浮かぶが、(断定形を使うことによって)強調的に表現するにはしのびない、というニュアンス。 なかなか良い文章になっていると思いました。
- keirimas
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「知っていようか」「知っているだろうか」どちらでもいいのと同様、 「知っていたろうか」でも「知っていただろうか」どちらでもいいです。 「知っていたろうか」に違和感が少しあるかもしれないのは、やや詩的・文語的なせいかもしれません。 参考文献 『老化は体の衰えであることを知っていたろうか』 『廊下は走ってはいけないことを知っていたろうか』
- ozkryt90A
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私は日常生活でさえ似たような事を言う時があります。「だ」がつく時よりも少しくだけた様な、柔らかい様な印象をもたらします。「ほら、できたろ?」とか、「(そこに)あったろ?」とか。天声人語の件に関しては、「ふと気付いて心の中で呟いた」様な印象を醸していると思います。
- sayuliy
- ベストアンサー率16% (207/1282)
こんにちは。 私は全く違和感はありません。 日常で使いこそしませんが年配の方が使っていてもすんなり聞けます。
お礼
ありがとうございます。とてもよくわかりました。 ご回答をもとに、文法のことをあらためて調べてみます!