失礼ながら、主さんの不安は、大いなる勘違いだと思います。
主さんは、「同調性バイアス」という「認知バイアス」のひとつに陥っておられます。
「バイアス」とは、「偏った状態」を表す英語(Bias)から来ていて、認知状態が、現実を反映したのとは違った状態に偏っていることを「認知バイアス」といいます。
つまり、マヤ暦が2012年12月21日で終わっている、という情報が独り歩きし、暦がない=歴史が終わる予言=人類滅亡?!という思考をする者が現れます。
これは、震災時などに起こる、デマの発生プロセスとまったく同じメカニズムで起こる思考のドミノ倒しです。
これには、往々にして視聴率を稼がねばならないテレビ放送局の思惑により、面白おかしく特番として放送され、テレビに対する信頼を持つ多数の人に、真実だとして周知されてしまいます。
そして、自分も含め、周囲にいる身近な家族が、同級生が、知り合いが、その根拠のない論理を信じ、あたかも「これから起こるであろう真実」のように語ったとしたら、その不安は確実なものとして心に固定され、またそれをほかの人に話し、人から人への思考のドミノ倒しが始まります。
そうやって、複数の人が同じ考えを語るのを見て(或いはテレビを見て知ったと認知して)、現実と比較して論拠を探す努力が完全に失われ、周囲と同調していくのが、「同調性バイアス」です。
昨年の大震災において、津波の犠牲者が多数発生したときも、同調性のほか、他の認知バイアスが働いていたと言われています。
海岸沿いで、強烈な地震があったのなら、本当は、即刻、しかも全力で逃げなければいけないのに、さらに大津波警報が発令された、と聞いても「周囲の人が慌てていなくて避難行動をしていない」のを見て「それほど危険ではなさそう。逃げなくてもいいのかな。」と判断してしまう人が多くいたのです。
また、非現実的な事はそうそう自分の身の上には起こらない、と考える「正常性バイアス」や、危険の中でも他人を助けないといけないと感じる「愛他行動」(これは認知バイアスではありませんが)などが働き、多くの人が津波から逃げ遅れたのです。
特に、認知バイアスは、誰にでも起こり得る可能性があり、時として、大きな失敗や、大事故発生へのトリガーとなります。
さて、主さんは、大丈夫ですか?。
ご自身で「見て」「確認した」ことをまずは判断の中心に置いていますか?。
ご自身の考えに、毅然として「自信がある」と言えますか?。
人から「見せられ」「聞かされた」ことを鵜呑みにして行動してはいませんか?。
今一度、ご自身を見つめなおされることをお勧めします。