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「妬(ねた)み」と「やっかみ」の狭間の中で?
ある直木賞受賞作家(女性)の小説の中に出てきた「普通、そのように完璧に見える男は、同性から妬みとやっかみから中傷されるものだが、…」という表現にやや違和感を覚えました。 私は「やっかみ」=「妬み」と思っていたので、先のように表現されると「やっかみ」と「妬み」はニュアンスが違うのかと、気になって眠れなくなっています。(*^_^*) どなたか解説していただけないでしょうか?
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他の回答者さんが仰る通り、「妬み > やっかみ」と言うニュアンスかと思います。 かなり極論ですが、「妬み」は殺人の動機になるけど、「やっかみ」くらいで殺されちゃ堪らない・・みたいな感じかな? ただ、そうであるならば、「妬みとやっかみ」と言う並べ方よりは、「妬みややっかみ」などの方が適切かな?とは思います。 「や」が重なるのを避けたかったのかな?などとも思いますが・・。 たとえば「妬みと怒りから中傷される」なら、余り違和感は無いんですよ。 でも「妬み」と「やっかみ」は、程度の差はあれ、同種の感情ですから、足し算的に「と」で並列に置くのは違和感があります。 作家独特の言語センスで、「妬み」と「やっかみ」を使い分けているなら、それはそれで良いのですが、同種の感情を「と」で並べちゃった結果、言わば「激怒と怒りから」みたいな表現になってしまっている格好かと思いますよ。 ご質問文に書かれている通り、「と」で繋げるなら、「程度の差」では無く、明瞭に「ニュアンスの差」があるべきかと思います。 逆に同種の感情を並べるのであれば、「妬みややっかみ」「妬みとかやっかみ」などの方が良いと思います。 個人的には、文筆を生業とする作家の文章としては、余り評価出来ないなぁ・・。 逆に、そこに違和感を感じた質問者さんの言語感性の方が、するどいと思います。
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- kine-ore
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#4です。 >「嫉む」は「そねむ」かと思っていたけど「ねたむ」とも読むのですね。 「ねたむ」の同音同訓異字はこの程度あるようですが、とても使い分けは無理ですね。 嫉む…焼き餅を焼く。他人の良い事を憎らしく思う。 妬む…他人の幸運や長所をうらやみ憎む。 妒(女扁+戸)む…「妬」の異体字。男女の仲の良さを憎む。 悋む…焼き餅を焼く。嫉妬する。 猜む…他人の良い状態をうらやみ憎む。 媢(女扁+冒)む…他人の吉事をうらやくあまり、憎み嫌う。女性が邪魔になる相手を押しのける。憎む。 (以上の引用:阿久根末忠「同音同訓異字辞典」柏書房) >「妬む」も「そねむ」とも読むようで。 次のような語意の転位説もあります。 step1.「muneitamu(胸痛む)」頭音脱落→+小開き母音縮約→「(mu)ne(i)tamu(妬む)」 step2.「netamu(妬む)」→子音交替(t→s)→「nesamu/nesomu(嫉(ねそ)む:壱岐弁)」 step3.「nesamu/nesomu(嫉(ねそ)む)」→音調安定性から語順転位→「sonemu嫉(そね)む」 「丹波通辞ではソネミニクム(猜み憎む)をソネクムといった。」 (以上の引用:田井信之「日本語の語源」角川書店) しかほどさように、日本語の言葉遣いは1500年余の歴史の集積にあります。 プロの作家がどれほど「推敲」に苦心するかと考えると、当該作品の記述は多義語彙と方言性語彙の接続詞「と」による同列提示の形なので、まことに意味が曖昧であり、やや安易に流れたものと感じます。 *余談ですが「推敲」も、昔風のうるさい漢学者なら「タイコウ」と読むべし!と。
お礼
いろいろ興味深い情報をいただき、感謝しています。 今回は特に「語意の転位説」の「step1」に“胸打たれ”ました。 ありがとうございました。
- mota_miho
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同じような意味の言葉を二つ並べて使うことによって、リズムが生じます。ご質問の例では、「妬み」・「やっかみ」が「----み」と韻を踏んでいるので読んで気持ちがいい文となっています。 また、意味的にも、「軽さ」が伝わってきます。 元の文「同性から妬みとやっかみから中傷されるものだが」を →「同性から妬みにより中傷されるものだが」とすると、 ちょっとシリアスな文になってしまします。※「妬みとやっかみから」→「妬みにより」としました。 ついでに書けば、同じような意味の言葉を二つ並べる表現は英語にもあります。 例えば、 by leaps and bounds 急速に, とんとん拍子に。 ※ leap:跳ぶ(こと)。bound:飛び跳ねる(こと) means and measures 手段、方法。 ※ means、measures:どちらも「手段、方法」
お礼
》 同じような意味の言葉を二つ並べて使うことによって…リズムが生じ…「軽さ」が伝わってきます な~るほど、仰るとおりだと思います。 ありがとうございました。
- kine-ore
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男性が同性に対しては、羨望と疑いの混在とそれ故の嫌悪感情としての「そねむ」か「ねたましい」が納まりやすいのではないでしょうか。 一方、「嫉(ねた)みや(そね)み=嫉妬」という用いられ方は、異性や同性という使い分けという面があってのことではないかと思われます。 そこで、「やっかみ」は江戸後期ごろからの関東方言とされていますが、その意味には「羨(うらや)む」もしくはそのトーンが含まれる「嫉妬」のようなので、この作家の表現についても、悪意のある「恨み嘆く&いかる」という他動詞と、悪感情のない「うらやましがる」と悪感情のこもった「ねたましい」の混在した形容詞との言い回しと読めば、それなりに読み流せる気もします。 その点からしても、次の女流作家の表現の方が分かりやすくも納まりが上等だと感じます。 「義王の大切にされるのをうらやむ者があれば又そねむ者も沢山あった。」(宮本百合子訳「「平家物語」ぬきほ」) このあと、つぎのURLのように具体的にその二つの具体的な説明が続いています。(中段部「義王」の項) http://www.aozora.gr.jp/cards/001529/files/15937_35058.html (参考) 「そねむ/そねぶ」は「平安初期には「嫌」との結び付きが強かったらしい。なお、「そねむ」は主として男性の作品に用いられる」と「古語大辞典」(小学館)の「語誌」は述べた上で、女流作品では「源氏物語」のしかも「桐壷」とそれをなぞった亜流作品だけと指摘しています。 「ねたむ(妬む)」については「な(名)いた(痛)むの約で、相手の名(評判)が高くて、自分に痛く感じる意か」(「同上」)として、「恨み嘆く、恨みいかる」意を第一に上げています。 「やっかむ 羨む。嫉む。江戸(庄内・浜荻)・秋田・山形・新潟県西蒲原郡・福島・関東」(東條操編「全国方言辞典」東京堂出版)
お礼
「嫉む」は「そねむ」かと思っていたけど「ねたむ」とも読むのですね。 「妬む」も「そねむ」とも読むようで。 そう言えば(?)、「シットする」は「嫉妬する」と書きますねぇ。 それでは、… http://thesaurus.weblio.jp/content/%E5%A6%AC%E3%81%BF%E5%AB%89%E3%81%BF に出てくる「妬み嫉み」は「ねたみ そねみ」か「そねみ ねたみ」か、また、眠れなくなりそうですが、今回は“ドッチでも構わない”と解釈しておきます。
- aries_1
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自分の勝手な解釈ですので、参考程度にしてください。 確かに「妬む」と「やっかむ」はほとんど同じ意味の言葉ですし、英語訳でもenvyという同じ単語が与えられています。 国語事典によると、「妬む」という言葉には、「憎しみ」の感情が入っているようです。 また、「やっかむ」という言葉には、「うらやむ」という意味があるようです。 なのであえて言うなら、 「妬みとやっかみから中傷される」→「憎しみの気持ちと、うらやましいという気持ちが原因で中傷される」 となるのではないでしょうか。
お礼
》 「妬む」という言葉には、「憎しみ」の感情が入っているようです なるほど。「やっかみ」より重い感じも? ありがとうございました。
- bluestorm666
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「小学館類語例解辞典」によると 「ねたむ・そねむ」には、話者の悪感情がより深く込められている場合が多い。 「やっかむ」は、もとは関東地方の方言。 と書かれています。 使用例として、 「才能のある人間をねたむ。」・「友の出世をねたむ。」 「二人の仲の良さをやっかむ。」・「隣人をやっかむ。」 が、あげられていました。 確かに、「やっかみ」には、「ねたみ」よりも「うらやみ」に近い感情が込められているような気がします。
お礼
》 「やっかみ」には、「ねたみ」よりも「うらやみ」に近い感情が込められているような… なるほど。そして「妬み」より軽い感じも? ありがとうございました。
- cxe28284
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妬みは人をねたむこと嫉妬すること「やっかみ」はやっかむという動詞の名詞化で主に 関東地方で使われる方言と辞書には出ています。 強調するため同じ意味で違う言葉を重ねて使うことはよくあります。 ねたみ、そねみを身に受ける。その魅力に引きつけられる。 過ちや間違いは二度としません。 なんてよくみかけます。 眠れなくて不眠症になったら困りますね。(^=^)おやすみなさい。
お礼
》 強調するため同じ意味で違う言葉を重ねて使うことはよくあります なるほど、言われてみれば仰るとおりだと思います。 ありがとうございました。
お礼
》 「妬み」と「やっかみ」は、程度の差はあれ、同種の感情ですから、 》 足し算的に「と」で並列に置くのは違和感があります 私が覚えた違和感もその辺りから来ていたのかも知れません。 ありがとうございました。