1.2. 可能ではありますが、結果として「任意売却」出来る可能性は少ないです。担保権者の数と債務額のバランスにも依ります。一般の住宅で銀行などの住宅ローンであれば、交渉相手は保証会社という事になりますが、任意売却というのはあくまで、現所有者(債務者)が売却するという形ですから、その協力が得られなければ無理な話ですし、交渉も買受人ではなく、債務者から「幾らで売却するので、幾らで抹消してくれ」というお願いをすることになります。
債務者が任意売却したほうが「金銭的なメリットが多い」とならない限り、協力などしてくれません。今は債権者側は、引越し代なども経費として認めてくれない場合も多く、実入りが同じならば、競売で処理されたほうが面倒でないという債務者側の都合もあります。
数十万の引越し代ぐらいは、包むぐらいの気持ちで接しなければ債務者の協力はあり得ません。
また、競売で処理した場合、その債権者の保証会社は短期間で帳簿上の損失処理が可能ですが、任意売却の場合は残りの債権を引き続き支払ってもらうのが建前ですから、しばらく損失処理が出来ません。この辺りが保証会社も承諾をしにくい原因にもなるでしょうし、破産や弁護士が介入していない状態での競売処理は、債務者の協力が得られないからそうなるのであって、任意売却で処理可能ならば、そうなる前に決着しているものです。
また、その手の交渉はすべて不動産業者が窓口となる場合が多く、一般の方が直接交渉は無理です。
事業用物件で法人購入などの場合は、直接でも交渉できる場合もありますが・・・・
3.この価格の算定に業者の評価書が必要となります。保証会社や金融機関によって形式が定められており、業者の押印が必要となります。経験からすると任意売却での一般的な成約事例は、時価の85%~90%程度です。物件に癖が無い限りそう安くはなりません。
但し、もう公示されている物件を今から任意売却で処理するのは、むずかしいですよ。時価100%ぐらいでなければOKしませんし、当然支払いはキャッシュのみとなります。
地元で、債務整理などが得意な業者へ相談してみるしか、無いと思いますが。
俗に言う、財閥系の大手不動産仲介会社などはこの手の案件は処理できません。
お礼
丁寧なご説明に感謝いたします。かなり難しいチャレンジなのだということがよく分かりました。競売入札を考えたいと思います。ありがとうございます。