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個人事業者の新築における節税効果と会社設立のメリット
- 個人事業者が新築する場合、個人所有にして住宅ローン減税や経費の算入が可能ですが、収入規模が小さいため節税効果は限定的です。
- 建物を会社の持ち物にし、事業使用と住居部分を役員に賃貸する場合、会社の設立費用や毎年の税金が発生しますが、建物のローンを会社費用にすることで節税効果が期待できます。
- 現在の収入規模や将来の成長見込み、節税効果を総合的に考慮し、会社にするメリットがあるか検討する必要があります。
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「会社として建物を購入した場合、2000万円の建物なら20年間に渡り年間100万円かそれと同額程度(定額法)を減価償却として費用計上でき、もしできるのだとしたら住宅ローン減税よりかなり節税効果はあるのかも」という視点は興味深いです。 個人が住宅をローンで購入してもローン控除が受けられるだけですが、法人が建物を購入すれば建物全体が減価償却資産となります。 法人の決算上減価償却費が損金算入できますので、法人に対しての実効税率が30%だとすると、個人がローン控除を受けるよりも高い節税効果が出そうです。 ただし法人が黒字の場合に限ります。 法人設立の暁には代表者が法人から役員報酬を取るでしょうから、その後の法人所得はそれなりに下がります。 あなたが納得するだけの役員報酬を貰ったのちの法人所得が減価償却費以上にあれば効果があります。 法人収入から役員報酬を含めた損金(ここでは経費ではありません。法人税法別表四で損金経理される損金です)を引いた所得が減価償却費用を上回ってる場合に、この上回ってる額に対しての法人への実効税額と、個人がローン控除を受けられたであろう額との差額がどれだけ発生するかを考えないと「とらぬ狸のなんとか」になります。 減価償却費を損金計上しない場合の負担法人租税と、ローン控除を受けられる額を、机上の計算ではなく毎年試算して「もうかった」「損こいた」と判断をしないとなりません。 もうかった場合には「法人成りしてよかった」となりますが、損こいたというときは、後の祭りです。 法人所有の建物を個人所有にする際に費用がかかります。登録免許税、所有権移転登記時の売買契約書への印紙税など、全ての手続きを自分でしたとしてもかかる租税があります。 司法書士に頼めば費用は嵩みます。 現在の個人事業の申告書はご自分で作られてるのでしょうか。法人税の申告書もご自分で作成して提出されるなら良いですが、高度な知識を要求される作業ですから、自分では無理だとなれば、それなりの税理士報酬も毎年覚悟しておかないとなりません。 法人なら定款も必要です。ほとんどの法人ではしてないですが形式的には株主総会も必要で議事録も必要です。 個人に比べて整備しておくべき資料や帳簿は増加します。 法人は個人のように死にませんので、代表取締役が死亡したさいには、持ち株相当額は相続財産になります。 非上場法人の株評価は素人ではまずできませんので専門家に任せることになりますので、相続人の負担する税理士報酬は嵩みます。 個人なら納税額が出ない場合には申告義務はありません。法人は赤字でも申告義務がありますので、毎年申告書の作成を要求されます。税理士依頼してるなら、どんな赤字でも毎年税理士報酬が出るというわけです。 赤字法人でも地方税が課税されます。毎年7万円程度課税されます。 もしかするとこれだけでローン控除額を相当「食って」しまうような気がします。 法人成りは、個人事業の廃止、法人の設立と資産譲渡がありますので、少なくとも当年の申告書はこの処理をクリアーしなくてはなりません。これも「自分でできる」というなら費用はかかりませんが、税理士に依頼するというなら別途報酬請求があるでしょう。 個人事業なら税務署の目につかなかったのが、新設法人(それも法人成り)だと目に付くでしょう。 儲かってるから法人成りするという「世間の目」を税務署も持ってるからです。 新設法人は、帳簿が整備されてるか、実際にどんな法人なのかを見に来るという「元気にやっとるかね?」という挨拶程度の調査を税務署にされるのが多いです。半日で済みますが、これも税理士の立会いを求めれば報酬が必要になります。 前回既述しましたが、法人だと営業がやりやすい、代表取締役=「社長だよ」と威張れ見栄を張れるというメリットがあり、これは無視できないものですが、法人成りなどしてしまって、金が余計にかかってしょうがないという声があるのも事実です。 設立される方が責任持って解散まで面倒見るというのでなければ、子孫が「うっとうしい法人を残しやがって」と口にする羽目になることも覚悟すべきです。
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- mukaiyama
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>金利を含めない年間のローン返済が100万円とすると、家事関連費として100万円の返済の20~25%を費用計上できるの… だから、それが違うといっているのです。 元本の返済が 100万円なら、それに金利が 10万とか20万とかが上乗せされて 110万か 120万の返済になるでしょう。 経費になるのは 10万か 20万の金利分だけで、しかも家事関連費を按分した後の数字だけです。 >外商売上(3000万円)から仕入と経費(計2500万円)を差し引いた収入が500万… 税の話をするとき、それは、「収入が500万」とは言いません。 「収入は 3,000万円」と言わないとだめです。 仕入と経費を引いた数字は「粗利益」、税法では「(事業による) 所得」と言います。
- hata79
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[建物のローンを会社費用にすることでかなりの節税になるのではないか]という点に疑問を感じます。 会社が持つ自社ビルは減価償却資産として償却します。 ローン負債の返済のうち利息相当額は損金算入できるでしょうが、元本返済分は損金算入ではありません。 これは個人が不動産を所有した場合でも同様です。 法人成りする際の一番大きなポイントは、個人に対しての所得税限界税率が30%を越えたときなど、個人負担租税と法人負担租税との差額を見るべきです。 また、法人所有の不動産を賃貸してるとなると、法人の存続を永遠にしないとなりません。 法人の意義をなくしたときに、清算手続きをする必要がありますが、家の処分をしないと精算ができません。 貴方が法人の代表者をなさってる間はなんとかなるでしょうが、未来に向けて法人の代表者を貴方の子、孫、その子へと委託することになります。 失礼な話で申し分けないのですが新設法人で10年後に存続してる率は30%をきってるというデータも目にしたことがあります。 「当時の節税のつもりで法人設立をしたが、なにやらかんやらで費用がかさんで、当時税負担をしてたほうがすっきりしてた」 「祖父だかその爺さんだかが、法人成りして、住んでる家を法人所有にしたものだから、だれも経営する人がいない法人の代表者を俺がしないとならんことになっている。まったく迷惑な話だ」 と後々子孫が言い出す種を作ることになりかねません。 かっては限界税率が高いので法人成りして節税するという方法がもてはやされましたが、今は法人成りそのものを節税対策で持ち出すことは消極的です。 収益力維持が担保されてるような企業が少なくなってるからかもしれません。 例えば個人で課税事業者になったら法人成りして非課税事業者になり、その法人が課税事業者になったら法人を解散して個人に戻るという机上の空論的な消費税逃れがあります。これとて、法人設立や解散手続きの費用などを考えると、本当に節税になってるのか?という話になります。 税務当局に提出する申告書や届出書などは全部自分で作成できるので、税理士報酬は発生しないというレベルの方なら「なんとか安くできたかもしれない」程度になるこかもしれません。 法人設立は費用が嵩みます。 財産を持たない法人なら「知ったことではない」としてわけがわからん状態にしておけばいいでしょうが、自分の家の大家である法人がわけがわからん会社だという状態になってもこまるので、精算時にはそれなりの手続きをしないといけません。 解散も簡単にはできませんし、これこそ費用が嵩みます。 どうしてもしたい、法人の代表取締役という名刺をばら撒いて、優越感に浸りたいというなら良いでしょう。 子孫に「なんだか面倒くさいことを遺産にしてくださったもんだ」と云われるオチがありそうです。
- mukaiyama
- ベストアンサー率47% (10402/21783)
>建物を個人所有にして住宅ローン減税を受ける… 事業用部分は、ローン減税の対象になりませんよ。 >外商のみとなり… >事務所部分の経費算入はローンの20~25%位かと… 外商のみで、全床面積の20~25%位も事業用に使用するのですか。 間違いなければ良いですけど。 また、月々のローン返済額のうち、経費になるのは利息・手数料分の20~25%だけです。 元本の返済分は経費でありません。 http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2210.htm >月5万円程の事業用家賃の経費算入… 持ち家に家賃はありません。 経費などでありません。 >事業使用と住居部分を役員の私に賃貸する場合… 会社に不動産収入が発生し、会社の利益として税金の対象になります。 >収入が500万円程… >法人成りで1年間消費税免除を考えるのはどうかなと… 500万では、消費税を納める義務は法改正がない限り、永久に生じません。 http://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6501.htm >こんな状況の場合、会社にするメリットがあるかどうか… ないでしょう。 税金について詳しくは、国税庁の『タックスアンサー』をどうぞ。 http://www.nta.go.jp/taxanswer/index2.htm
補足
拙い質問に丁寧に回答いただき有り難うございました。 回答を見て新たな質問が湧いてしまいました。ご気分を害する事がなかったらご返信下されば幸いです。 >月々のローン返済額のうち、経費になるのは利息・手数料分の20~25%だけです。 元本の返済分は経費でありません。 私個人の建物不動産を所有とした場合、建物の価格が2000万円として金利を含めない年間のローン返済が100万円とすると、家事関連費として100万円の返済の20~25%を費用計上できるのでしょうか。 >500万では、消費税を納める義務は法改正がない限り、永久に生じません。 わかりにくくてスミマセン。 外商売上(3000万円)から仕入と経費(計2500万円)を差し引いた収入が500万円ということです。
お礼
詳しいご説明とご意見有り難うございます。 特に会社として永続できなくなった時の清算に関してはなるほどと感心させられました。 実は個人として店舗と外商による営業をしてきましたが、自分の年齢からいってもあと25年続けられるかどうか判らず、子どもが事業を継ぐかどうかもまだまだ判らないのでその時のことを考えなければと思いました。 あえて節税に関して再度確認質問させていただくなら「会社として建物を購入した場合、2000万円の建物なら20年間に渡り年間100万円かそれと同額程度(定額法)を減価償却として費用計上でき、もしできるのだとしたら住宅ローン減税よりかなり節税効果はあるのかな」と思った次第です。