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福寿草について
福寿草について、お尋ねいたします。 ネットで調べると、福寿草は、「全草が有毒である」と書いてあったのですが、 「根には強心作用、利尿作用があり民間薬として使われることがある」とも 書いてありました。 全草が有毒なら、根も当然、毒成分を含んでいると思うのですが、 どうして、薬として使われることができるのでしょうか。 教えてください。
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その毒成分こそが薬の成分なんです。毒と薬というのは文字やイメージは正反対と思われがちですが、使う量が違うだけです。たとえば、漢方薬にブシという名前のものがありますが知っていますか?このブシは、トリカブトという非常に強い毒性を持った植物の根を乾かしたものです。昔、矢毒として使われていました。でも、漢方薬では前処理することでその毒性を弱め、新陳代謝を高めるための薬として使われます。つまり多く摂れば死に至るものでも死なない程度の量を使うことで体に有益な効果をもたらすということです。ブシのほかにも、コルヒチンという通風の薬や、ジギトキシンという強心剤、アトロピンというものに至っては、毒殺に使われたこともあるのに、あの地下鉄サリン事件で悪名高くなったサリンの特効薬でもあります。今あげたのは「毒」とも「くすり」ともよばれる物質のごくごくごく一部です。世の中にある医薬品のほぼすべてがこういった性質を持っているといっても過言ではありません。ですから、福寿草の毒が薬になるとしても別段不思議じゃありません。むしろ毒であるからこそ薬になれるのです。 ちなみに福寿草に含まれる薬、毒としての成分はアドニトキシンといわれるものであなたが調べられた通り民間療法で心臓に作用する強心剤として使われます。でも、この成分は副作用や毒性が強いので煎じて飲もうと思ってるのならやめてください。実際、過去に薬として福寿草を自宅で栽培し飲まれた方が亡くなられております。福寿草に限らず、薬としても使われるから、と安易に服用しないでください。毒は薬としても使われる、裏を返せば薬はいつでも毒となりえるということです。毒は薬、薬は毒、このことを忘れてはいけないと思います。
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- nitto3
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薬はほとんどのものがそういった性質を持ちます。 食事だって同じでしょう、普通に食べればいいですが、 食べ過ぎたら悪いでしょう。
お礼
早々にご回答ありがとうございます。 私は植物学、薬学の知識を、あまり持ちあわせておりませんので、 薬のほとんどが、そういった性質を持つかどうか知りません。 でも確かに、有機化合物のニトログリセリンを考えた時、 強心薬にもなれば、ダイナマイトの原料にもなりますよね。 ところで、ご回答をいただいておきながら、このようなことを 申し上げるのは、非常に失礼ですが、 >食事だって同じでしょう、普通に食べればいいですが、 >食べ過ぎたら悪いでしょう。 というのは、的外れなご回答のような気がいたします。
お礼
大変、ご丁寧なご回答を、本当にありがとうございます。 お礼を申し上げるのが遅くなってしまい、本当に申し訳ございません。 scnk6850 さまのご解説のおかげで、毒草が薬として使われる理由が、 よく理解できました。 ところで、トリカブトといえば、『猛毒』のイメージが大変強いのですが、 このトリカブトの成分さえも薬になりうると知り、大変驚きです。 また、毒殺に使われたようなものが、サリンの特効薬にもなりうるなんて...。 でも、おっしゃる通り、 >毒は薬としても使われる、裏を返せば薬はいつでも毒となりえる ですね。 あと、私は小心者なので、勝手に取ってきた植物を薬として飲用するようなことは、 いたしませんので、ご心配くださってありがとうございます(笑) 専門家の方にご回答をいただけて、大変うれしく思っております。 本当に、ありがとうございました。