- 締切済み
ブラックホールが物を飲み込める理由について
例えば、地球からブラックホールを観察すると、ブラックホールに物が近づいていくと、その速度はだんだんと緩やかな速度になり、飲み込まれることなく止まってしまうと思います。 しかし、ブラックホールは成長しているとも聞きます。 物を飲み込むことが出来ないのに、ブラックホールが成長する理由が分かりません。 どういった原理で、飲み込むことが出来るのでしょうか?
- みんなの回答 (7)
- 専門家の回答
みんなの回答
お礼、ありがとうございます。#1です。 >しかし、飲み込まれる方から見ると、実際には瞬間に飲み込まれるわけですよね? ブラックホールに対して一定の距離を保っている系と、ブラックホールに対して真っ直ぐに自由落下する系では、観測する現象が違うんですね。 ブラックホールから一定の距離を保っている系からすれば、ブラックホールに空間的に近づくに従って、時間の流れは遅くなって行き、事象の地平面で時間は停止します。 このため、この系からブラックホールに落下していく物体を観測すれば、最初こそ、重力に引かれて落下速度が増していきますが、近づくに従って、ニュートン力学的な落下速度よりどんどん遅くなって行き、事象の地平面に到達するには無限大の時間がかかります。 このとき、物体に時計があって、それを観測していれば、物体での時間の進み方が遅くなっていることが観測できます。 このことは、事象の地平面を持つブラックホールが形成されるのにも無限大の時間がかかることを意味します。 ブラックホール(になりかけの星)が重力崩壊で、支えるものもなく表面含めてすべてが自由落下で収縮していきますが、最も強い重力が形成されるブラックホール表面で、どんどん時間の流れが遅くなっていきます。事象の地平面では時間が止まるのですが、そこへ向かって無限大の時間を掛けて収縮していきます。 以前に、そういうブラックホールになりかけの星に、大量の物質が降り積もっていくなら、降り積もる物質と合わせた質量を持つ星となるから、事象の地平面が顕わになるのではないかと聞かれたことがあります。 そうはならないです。単純化して、ブラックホールになりかけの内球と、それに向かって落ちて行く外の球殻があるとします。単純化のため、どちらも重力崩壊した一様な密度の物質から成っているとします(時々刻々内部が密度一様ですが、時間経過と共に密度は増大します)。 外の球殻表面に最大の重力があるためには、内球との距離が0であることです。ここまで単純化すると、なんのことはない、一つの星が重力崩壊したのと同じなんですが。 ただ、外の球殻表面の重力のほうが、内球表面の重力より強いということが大事です。これはニュートンの重力式から求められますが、一般相対論といえど、そういう法則的なことまで、ニュートン理論を否定できるわけではないです。 このことは、ブラックホールについて、事象の地平面が重力崩壊した星内部から現われて成長することは無く、まず星表面に現れるということで、あり得る全てのブラックホールの解が示されています(対称性を欠くなどで裸の特異点の可能性のある解は除く)。それが無限大の時間の後ということになります。 こうしたことは、見た目の現象ということではなく、実際の現象です。 これと比べて、ブラックホール(になりかけの星)に自由落下していく場合は、全く異なります。有限時間で事象の地平面に到達しますが、そこには事象の地平面といった特別なものはありません。しかし、この段階で外界は無限大の時間の経過があります。 >そうであれば、ブラックホールは存在しているような気もします。 宇宙が無限の過去から続いてきたとすれば、恒星由来のブラックホールがあっても良かったのです。無限大の時間があればブラックホールができますので。 しかし、宇宙の寿命は現在までで有限なことは、ほぼ確実です。しかも、ブラックホールのホーキング輻射が正しいとすると(まず、そう)、ブラックホール(になりかけの星)は有限時間で蒸発して消えてしまいます。 >また、ブラックホールに飲み込まれた時、強い放射線を出すと聞きます。これは、本当は、飲み込まれたではなく、事象の地平線に辿り着く寸前の状態の意味? そうです。事象の地平面に到達する前の現象です(もっと正確には、その前の段階の、光を外界に出せない半径の前)。 >他にも、ブラックホールが成長しているという話を聞きますが、これは、正確には、事象の地平線間近に大量の物が集まっている状態なのでしょうか? おおむね、そうです。ブラックホール(になりかけの星)が事象の地平面を、未だに持っていない以上、その表面に物質が降り積もることは可能です。 この他に、暗黙の裡に「無限大の時間の後」という前提があることもあります。 >また、宇宙誕生後まもなくして出来たブラックホール(事象の地平線あり)があったとします。 そういうブラックホールがある可能性が期待されています。通常では重力崩壊しないような小さな質量が、宇宙の初期に別の原因でブラックホールになった可能性があります。。 そうしたものがあれば、ホーキング輻射が実際に観測されるかもしれません。ブラックホールが小さいほど、ホーキング輻射が激しいので。 >このブラックホールに落ち込んだ天体は現時点に於いては、まだ、ブラックホールには飲み込まれていないのでしょうか? その通りです。事象の地平面が顕わなため、どんな物質も、光も、事象の地平面を有限時間では超えられないため、事象の地平面の外側です。ですので、ブラックホールは決して質量を増しません。そのため、ホーキング輻射のみの効果で質量を減らし、今の寿命の宇宙で、ホーキング輻射などが観測できる可能性があります。 ただ、事象の地平面と特異点までは、外界から、隠されているとはいえ、光を含むあらゆるものが、無限大の時間をかけて到達せねばなりません。こうしたところを、どう解決して、そういう小さいブラックホールに期待しているかまでは、私はちょっと調べていません(あんまり面白くなさそうなので^^;)。
- tadys
- ベストアンサー率40% (856/2135)
もう少し説明しましょう。 天体の質量を M、光速度を c、万有引力定数を G とした場合のシュヴァルツシルト半径Rs(事象の地平線)は Rs =2GM/c^2 です。 いま、ここに質量Mの一様な球殻(シャボン玉の膜のようなもの)が有るとします。 この球殻がそのままの形で収縮していくとします。 球殻の半径がRsより大きい場合にはその内部には引力が無いのでブラックホールでは有りません。 球殻が縮んでいくに従って球殻表面の重力は強くなります。 そして、球殻の半径がRsに等しくなった時にその表面重力は事象の地平線を発生させるのに必要なだけの強さになっています。ブラックホールの誕生です。 質量Mのブラックホールが有るとします。 このブラックホールを質量Mの球殻が取り囲んでいるとします。 この球殻がそのままの形で収縮していくとします。 球殻の内部には球殻による引力は作用しないのでブラックホールによる事象の地平線の半径はRsです。 一方、質量2Mのブラックホールの地平線の半径は2Rsです。 球殻が収縮してその半径が2Rsに達した瞬間に地平線の半径が2Rsにジャンプします。 ブラックホールに近づく物質が球殻で無い場合には少し違いますが、同じような事です。 質量Mのブラックホールに質量mの物体が近づく時に、その距離がM+mによる地平線より内側になった時にM+mの質量によるブラックホールに変化します。 最初の例で分かるように球殻から離れた所に対する球殻からの引力の大きさは球殻の大きさに無関係です。 この事は球殻がブラックホールに変化した時でも同じです。 ブラックホールの引力が大きいというのは、ブラックホールから離れた所でも引力が大きいということではありません。 ブラックホールはその大きさが小さいので引力が強くなるところまで近づく事が出来るからなのです。
- tadys
- ベストアンサー率40% (856/2135)
下記URLの「ブラックホールは太れないの」の項を見てください。 http://blogs.yahoo.co.jp/karaokegurui/9060328.html こちらの方も参考に http://blogs.yahoo.co.jp/karaokegurui/folder/1221565.html?m=lc&p=1
- Hayashi_Trek
- ベストアンサー率44% (366/818)
ブラックホール(BH)の事象の地平線の近くから出た光は、事象の地平線から離れるのに時間がかかるので、事象の地平線に近づくにつれてゆっくりに見えます。(エスカレータを逆走するみたいに) ただしこれはそのように観測されるというだけで、実際には有限な時間で事象の地平線を超えて飲み込まれます。 BHが物体を飲み込むと、BHの質量が増えて、そのぶん事象の地平線が大きくなります。 すると、いままで事象の地平線の手前だと思っていた場所が、いつの間にか事象の地平線の内側になるので観測上でも見えなくなる(飲み込まれる)と思います。
- kyo-mogu
- ベストアンサー率22% (3398/15358)
NHKのコズミックフロントで、巨大ブラックホールを研究している方達が紹介されていました。 いくつかのパターンがあるようです。 ブラックホールがブラックホールと合体するような物です。 今はブラックホールが話題なのかプラネタリウム番組で取り上げているようですね。 そこでは映像も含めて説明が有るかと。
お礼
回答いただきありがとうございます。 私も、ブラックホールの特集を見ていて、この疑問にぶち当たったため質問させて頂きました。全てを飲み込むブラックホールと思われがちですが、事象の境界線に達する寸前では時間が停止状態(例えば、1mm進むのに1000億年掛かると仮定し、ビックバンから100億年と仮定すれば、何一つブラックホールに飲み込まれた物は存在しないのではないかと思っているのです。)実は、飲み込むことができないのではないかと思い質問させて頂きました。
- tadys
- ベストアンサー率40% (856/2135)
ブラックホール(BH)の近くでは重力が極めて大きいので日常の常識とは異なる事が起きます。 その一つが時間の異常です。立場が異なると時間の経過が異なったものになります。 >の速度はだんだんと緩やかな速度になり これは、BHから離れて静止している人がBHに近づいているものを見ている場合の事です。 BHに対して自由落下している人の立場ではBHに近づいても自分がゆっくりになるという事は無く、有限の時間で事象の地平線に到達します。
お礼
回答いただきありがとうございます。 これは、地球から見た場合、落下した物は、ブラックホールの質量になるのでしょうか? それとも、永遠にブラックホールには落ちないのでしょうか?(詰まり、地球から観測する限りに於いて、ブラックホールに幾ら巨大な天体や物が落ちても成長することはない)
飲みこめません。同様の理由で、そういう本当のブラックホールもありません。 事象の地平面も、中心の特異点もないです。そういう無限大の時間がかかるものは、今まで有限の寿命の宇宙から生まれません。 事象の地平面を持つブラックホールになる以前(全部のブラックホールがそう)なら、どういう接触も、有限時間でできます。この宇宙にはそういうものだけがあります。
お礼
回答いただきありがとうございます。 しかし、飲み込まれる方から見ると、実際には瞬間に飲み込まれるわけですよね?そうであれば、ブラックホールは存在しているような気もします。 また、ブラックホールに飲み込まれた時、強い放射線を出すと聞きます。これは、本当は、飲み込まれたではなく、事象の地平線に辿り着く寸前の状態の意味? 他にも、ブラックホールが成長しているという話を聞きますが、これは、正確には、事象の地平線間近に大量の物が集まっている状態なのでしょうか? また、宇宙誕生後まもなくして出来たブラックホール(事象の地平線あり)があったとします。このブラックホールに落ち込んだ天体は現時点に於いては、まだ、ブラックホールには飲み込まれていないのでしょうか? 質問が多くてすみません。
お礼
回答いただきありがとうございます。 もう少し、具体的に、事象の地平線付近を考えるとどうでしょうかね? 例えば、飲み込まれる予定の物が、事象の地平線までの距離1mm、若しくは、電子一つ分ほどの距離まで近づいているとします。 そうすると、そこでの時間の進み方は、ブラックホールの外側から観測すると、1000億年経っても殆ど(1mmや電子1つ分)進まないくらい遅くなっているのではないだろうか?仮にそうなら、宇宙が出来て100億年なので何一つブラックホールに物は飲み込まれないのではないかと思っているのです。 全てを飲み込むブラックホールですが、実は、何一つ飲み込めないという矛盾があるような気がしてどうなのだろうかと思っています。