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古代ギリシャ・コインにある刻印の意味
古代ギリシャのコインに刻印されているギリシャ文字(単語)の読みと意味を教えてください。 文字:AOE Oは中に点のあるシタかも知れません。 この刻印はフクロウの絵とともに描かれているので、長い間フクロウ(英語でowl)の意味だと思っていました。しかし、ある時フクロウはkoukoubayia(ククヴァヤ)だと分かり疑問を持つようになりました。 ギリシャ語はまったく分かりませんが趣味のふくろうとの関係で二つの単語だけ知っています。よろしくお願いいたします。
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No.1です。ちょっと訂正です。 Athena=女神の名前(=Athene) Athenae=Athenaの属格(英語で言う所有格)(=Athens)=アテネ(地名)(=アテナイ) コインには、地名ではなく神様の名前が書かれていると理解するのが正しいと思いますので、Athe(na)が良いようです(-naを補って考える)。 ギリシャ文字の名詞をアルファベット表記に直す際に、ラテン語化(ラテン語の語尾を補う)してあるように見えますので、きちんと理解するにはギリシャ語とラテン語の知識が必要となりそうです。 残念ながら私にはその素養が無いので、十分明快にお教えすることはできません。すみません。 読みは「アシー」(英語っぽい)か「アテー」(日本語っぽい)でしょうか。良くわかりません。
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- maris_stella
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これについては、古代ギリシア語については、本来、大辞典で調べるべきなのですが、大辞典はなかなか出てこない処に仕舞っていますので、中辞典( Intermediate )で調べてみました。また、Google の検索を使っています。 「ΑΟΕ」または「ΑΘΕ」の文字刻印があり、ふくろうの絵が付いているコインとのことです。 こういったことは、古代ギリシアやその他古代のコインや、碑文の刻印などについての専門家あるいは、それらについて知識のある人でないと分からないのが普通です。理由は、「字体」が標準的なものと違っていて、読めないような字体や、混乱の起こるような字体で刻印されている場合があることが一つです。そして、「省略」や「特殊な記法」で記されている場合があるからです。 過去、コインの刻印とか、その他の彫刻や写本などの刻印や文字などを写真や印刷で見て来た印象では、「文字が足りない・抜けている」と思える場合や、「意味不明な付加文字」が逆に付いていたり、あるいは、解読できない字体・書体で書かれているので、読めないというのがありました。(写本等を読む訓練がないので、分からないのだとも思いますが)。 慣用的に、省略されている刻印文字が、恐らく多数あるのだと思えます。 「ふくろうの絵が付いた古代ギリシアのコイン」だと、「ΑΟΕ」の可能性はまずないと思えます。古代ギリシア語で、「αοε-」というのは、「οε」という形の母音連続が普通でないので、まずありえません。何かの頭文字を集めた場合は別ですが。 従って、「αθε」である可能性が圧倒的に高いのです。ただ、困ったことに、「αθε-」だと、これは普通、「α+θε-」だと考えられ、代表的には、「θεοs (テオス)=神」のような言葉に、否定の「α(a)」を付けた形になります。英語の「無神論( atheism )」は、神を意味する「テオス」に、否定の「α」が付いたものです。 しかし、ふくろうの絵がある場合、これは、圧倒的に、アテーネー女神の「略」だと考えられます。アテーネーは、アテーナイ(現代のアテネ市)の方言であるアッティカ語では、アテーナーと言いますが、綴りは、「Αθηνη」または「Αθηνα」です。現代の英語で、the city of Athens と呼ばれているポリス国家は、古典ギリシア語では、「アテーナイ(Αθηναι)」と言います。「アテーナー」の複数形をしています。 しかし、常識的に考えると、「アテーネー女神」の略は、「ΑΘΗ」となります。「Η(エー)」と「Ε(エ)」は、古代ギリシア語では、別の文字です。 しかし、Google で、「 coin greek ΑΘΕ 」で検索すると、十ページほどがヒットしますが、「ふくろうの絵のあるコイン」で、ふくろうの横に、「ΑΘΕ」という inscription(刻印)のある古代ギリシアのコインの例が出ています。 次のページのトップに、そのような古代のコインの複製品が売りに出されています。このページは変化しますので、コインについている説明文を以下に写します(コインの図柄などについての事実記述です)。 >ANTIQUANOVA MINT - Greek coins reproductions 3rd page >http://www.antiquanova.com/greek3.htm >Athens (Attica), AR Tetradrachm. 455 - 449 BC. OBV: Head of Athena r. wearing crested helmet with olive-leaves and floral scroll. R: Owl standing right hd. facing, ΑΘΕ, οlive-twig and crescent, all within incuse square このようにコインの絵柄などを、事実記述していますが、OBV ( obverse : 表) には、「アテーネー女神の兜を被った頭部」、R ( reverse : 裏)には、「右向きで、こちらを向いて立っているふくろう」、「ΑΘΕ」の文字、「オリーヴの小枝と三日月」などが刻印されています。(銀、4ドラクマ・コインで、紀元前5世紀のコインの模造)。 最初にある、「 Athens (Attica) 」は、「アテーナイ(アッティカ)」のコインの意味で、他のコインを見ても分かるように、「 Corinth (Corinthia) 」つまり、コリントスのコインにもアテーネー女神の頭部が刻印されています。また、次のURL: >ANTIQUANOVA MINT - Jewelry reproductions & inspired >http://www.antiquanova.com/jewelry.htm ここの一番下に、ふくろうの絵柄のペンダントがありますが、これは現代の模造品または創作品ですが、裏に、「ΑΘΕ」の文字が記されています。 知識がありませんが、一般に、コインに「国名・ポリス名」などを刻印しないと思えます。絵柄の人物の名前とか、神の名前、動物の名前などが刻印されているようです(または、コインの価値数字等)。 「ΑΘΕ」は、ポリス国家「アテーナイ(Αθηναι)」の略である可能性は、完全には否定できませんが、ふくろうと一緒に刻印されているところからは、おそらく、「アテーネー女神(Αθηνη)」……アッティカ・アテーナイでは、「アテーナー女神(Αθηνα)」の略だと考えるのが妥当と思えます。 次のURLのページには、色々な古代バクトリア・北インドのコインの写真や説明があります: >Ancient coins of Bactria and North-West India >http://www.snible.org/coins/hn/bactria.html ここで、大文字で記されたギリシア語の文字は、コインの表面の刻印だと考えられます。そのような文字の例は、次のようなものがあります: >ΑΘΕ Owl [/ΑΘΕ/ ふくろう] >ΑΛΕΞΑΝΔΡΟΥ Eagle r [/アレクサンドロスの/ 鷲] >ΑΛΕΞΑΝΔΡΟΥ Club and bow in case [/アレクサンドロスの/ 棍棒と弓] >ΣΩΦΥΤΟΥ Cock [/ソーピュテースの/ 雄鶏] >ΒΑΣΙΛΕΩΣ ΣΕΛΕΥΚΟΥ ΑΝΤΙΟΧΟΥ [/アンティオコスのセレウコスの王の/] >ΒΑΣΙΛΕΩΝ ΣΕΛΕΥΚΟΥ ΚΑΙ ΑΝΤΙΟΧΟΥ [/セレウコスとアンティオコスの諸王の/] なお、[ ]内はわたしの訳です。これで見ると、コインの刻印文字は、人名とか、「どこの王の」というような形になっています。「/ΑΘΕ/」は、やはりふくろうと一緒になって出てくるので、これは「アテーネー女神」の略だと考えられます。 ----------------- なお、「ふくろう」は、古代ギリシア語では、「 γλαυξ ( glauks, グラウクス)」と言います。これは、「γλαυκοs ( glaukos, グラウコス)」という形容詞から派生した言葉で、「グラウコス」は、「輝く、灰色の、青緑の、青い」など色々な意味があります。色だと「灰色か青」で、色に言及しない場合は、「輝く」という意味の形容詞です。 ふくろうの目は、夜「輝いて」見えるので、「輝く」という意味の形容詞から「ふくろう」が派生したとされます。このまた派生語に、「γλαυκωπιs ( glaukoopis, グラウコーピス)」という形容詞があり、これは、「輝く目の・青い目の・ふくろうの目の」など色々と訳されますが、アテーネー女神に付く定型修飾辞(日本の枕詞のような修辞です)で、ホメーロスの叙事詩で盛んに使われています。 ふくろう(グラウコス)が、アテーネー女神に付属する鳥だというのは、一つの説では、アテーネー女神を、部族神としていた部族の「トーテム動物」がふくろうだったからではないかと言う考えがあります。あるいは、古典時代(紀元前5世紀)頃のギリシアでは、アテーネー女神は、多数の地域の小女神と統合した合成された神となていますが、その原始的な起源の一つに、「ふくろうの女神」を取り入れている可能性があります。 アテーネー女神は、ある面で、原始的には、「ふくろうの女神」だった可能性があるのです。 「 κουκουβαγια 」は確かにギリシア語で「ふくろう」ですが、近代・現代ギリシア語の単語ではないかと思えます。仮に古代ギリシア語にもあったとすると、読み方は、「クークーバーギア」というような発音です。 ----------------- 追記) Athenae が、Athena の属格というのは、ラテン語の話で、古典ギリシア語では、Atheenaa の属格は、Atheenaas です。混同してはなりません。[-e」で終わる名詞は、古典ギリシア語では、特定の男性名詞の「呼格」しかないはずです( ee で終わる女性名詞は、もっとも普通の規則変化名詞ですが、ギリシア語では、上に述べた通り、「エ」と「エー」では、文字が違うのです)。 (また、古代ギリシア語の言葉がラテン語の影響を受けたなどありえません。ヘレニク時代を通じ、ローマ帝国時代を通じ、その逆です。ラテン語がギリシア語の単語などを多数、取り入れたのです。またローマ帝国の共通語は、コイネーギリシア語で、ラテン語ではなく、教養あるローマ人はギリシア語を使いました。『新約聖書』が何故ギリシア語で書かれているのかを考えれば自明のことです)。 >参考1>模造コイン>ANTIQUANOVA MINT - Greek coins reproductions 3rd page >http://www.antiquanova.com/greek3.htm >参考2>模造コイン>ANTIQUANOVA MINT - Jewelry reproductions & inspired >http://www.antiquanova.com/jewelry.htm >参考3>Ancient coins of Bactria and North-West India >http://www.snible.org/coins/hn/bactria.html
お礼
詳しい説明を有難うございました。 κουκουβαγια は現代語だと思います。アテネでタクシーの運転手に習ったものです。 アテネ女神はクレタ島あたりの出身のようで元は農業の神、次に軍事の神、最後に知恵の神となり、海を渡ってローマでミネルヴァに習合されて芸術の神にまで出世したようです。ポリスの拡大、戦争、安定、覇権確立という歩みに合わせて神性も変化したようです。日本では 単に幸せを呼ぶ鳥となってしまいましたが・・・
- shift4
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AOEは正しくはAΘE(ギリシャ文字)で、ローマ字に直すとATHEとなります。 ATHE(NS)の省略で「アテネ」のことを示しています。 アテネといえば知恵と戦いの(女)神、ローマでは「ミネルヴァ」として知られています。 ふくろうは、このアテネ(orミネルヴァ)の従者として有名ですね。
お礼
即答深謝。 長年の誤解が解けました。ふくろうを愛するものはギリシャ語の素養も必要かも・・