まず、カレンダーを研究してみましょう。
私たち日本や欧米の多くは太陽暦を基本に社会が廻っています。中華人共和国や華人が治めている国は太陰暦を基本にして民間行事などが行われています。
太陽暦の一年は太陰暦の一年よりも少し日数が多いんです(約10日間)。だから私たちが現在使用している太陽暦カレンダーと比較すると、だんだんとずれて来ます。それを補うために数年に一度、太陰暦は一年を13ヶ月とする年が時々有ります。ふつうは二月頃を二回設定します。閏月(うるうずき)のことですね。(太陽暦でも4年に一回、二月が28日間の年が有りますよね)。だから太陰暦正月は年によって前後14日間ほど、計29日ほど変動します。
太陰暦2004年は13ヶ月有ります。つまり今年は二月が二回も有りますよ。(閏二月と呼称します)。だから太陰暦2005年の正月は、2004年の正月よりも大幅に遅れるはずです。たぶん二月三日頃でしょうか。
ちなみに、いわゆる'正月'のことを中華人民共和国では'新年'または'過新年'と言います。正確には新年の初めの一ヶ月を'正月'と言います。(旧正月という呼称は世界中で日本人だけが使用しています)。
歴史の長い国-中国は今でも太陰暦を基本カレンダーとして民間行事や社会が動いています。太陰暦カレンダーを'農暦'と呼んでいます。一年の初めの日と翌日を特に'農暦新年'と言って、オメデタイ日なのでみんなで祝います。(日本で言うところの正月三が日みたいなもんです)。英語でLunar New Yearと呼称。
農暦は季節感と密着しています。農業は何百年間も農暦に基づいて作業していました。
彼ら華人にとって太陽暦の1月1日はたんなる休日で、お祝いするには及びません。
農暦で正月第一日目を国民の休日としてお祝いしている国は香港・台湾・韓国・ヴェトナム・インドネイジア・ブルネイ・シンガポール・マレイジアなどが有ります。国によって第二日・第三日目も休日のところが有ります。
シンガポールのように複合民族国家では、それぞれの民族のカレンダーに基づく正月を国民の休日としている国では正月が年に三回も四回も有ります。いいですね。
現在、日本人が祝っている太陽暦の正月三が日は、為政者の都合で国民的行事を勝手に移動しただけなのです。だから、なんかこういまいち盛り上がりが欠けますね。季節感と大幅にずれています。仄聞したところ、戦前の正月は今よりも、もっともっと盛り上がっていて、有り難味が有ったそうですヨ。