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ウイルスは生き物の体に入り込むのはなぜですか?
ウイルスは何が目的で人間や動物たちの体に癒着したがるのですか? その生き物が死んでしまえばウイルスたちも生きていけないのではないでしょうか?
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ウイルスは細菌のように栄養と環境さえよければ、それ自体で生きたり、繁殖したりする機能を持っていないのです。 同じように生物に感染し増殖する細菌がありますが、こちらはウイルスと異なり、その細菌にとって好都合な環境を整えてやれば、生き続けることはもちろんですしどんどん増殖していきます。しかし、ウイルスはどんなに栄養があり環境がよくても、寄生可能な生きた細胞がなければ、生き続けることも増殖することもできないのです。これは、ウイルスには栄養を取り込んだり、栄養からエネルギーを得たり、必要なタンパク質などを合成したりという、機能を全く持っていないからです。それじゃウイルスはどうやって増えるのか? 実はウイルスは生きた細胞に取り付き自分の遺伝子を生きた細胞の中に組み込み、生きた細胞をウイルス製造工場に変えてしまうということを行って増えているのです。まぁ、行ってみれば遺伝子の組み換えをやるのです。そのためウイルスが生きていくには必ず生きた細胞に取り付く必要があるのです。 「その生き物が死んでしまえばウイルスたちも生きていけない」 まさに正解です。 ウイルスや細菌に感染する=病気なる という図式が当たり前のようになっていますね。実はこれは細菌やウイルスにとっては作戦失敗なのです。自然界にはウイルスや細菌に感染しても病気にはならず、両方ともうまいことバランスをとって生きているというのがいくらでもあるのですが、こっちのほうが成功例なのです。ウイルスや細菌も寄生した相手を殺してしまっては自らの住家も失ってしまうので、生物としての選択としては決してうまくいった訳ではありません。むしろ先にあげた成功例を求めているといっても良いでしょう。このような感染先を自然宿主といいます。 ウイルスや細菌が病気などをもたらすこと自体は確かですが、これはウイルスや細菌にとっても寄生される相手にとっても迷惑な話ということです。 ウイルスは細菌に比べてはるかに構造が単純で細胞ですらありません。言ってしまえばウイルスの遺伝子が殻を着て遺伝子を生きた細胞に押し込むための酵素を持っているだけの構造ですから、簡単に遺伝子の組み換えが起こります。このように簡単に遺伝子の組み換えが起こるため、結構な確率で本来の自然宿主となる細胞以外にも取り付いてしまうのです。その結果、宿主が病気なって死んでしまえばウイルスにとっても、これは失敗ということです。
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バクテリオファージ(ファージ)は細菌が宿主であるウイルスですが、ヴィルレントファージとテンぺレートファージの二つのタイプに分けられます。ウイルスが生き延びることについて、これら二つのタイプのファージの生き方の違いは参考になると思います。
お礼
最近が宿主?ウイルスは最近より小さいのですか? ウイルスっていろいろありますねぇ。 ご回答ありがとうございました。
ウイルスに専門知識を有します。 No.6さんがほとんど綺麗な説明をしておられるので、特に付け足すこともないのですが・・・ 敢えてもう少し詳しく説明すると、「細胞」というのは作業仕様書である遺伝子や原材料を受け渡しする受付、原料を燃やしてエネルギーに変換するエンジン、組み立て機械といった「自分を増殖させたり器官としての役割を果たすための装置一式」を持っている「工場」に例えることができます。 なお、一般に遺伝子は「設計図」と例えられますが、それは必ずしも妥当な例えではなく、「作業仕様書」や「レシピ」に例えた方が正確なイメージを掴みやすいと思います。 それに対し、ウイルスは基本的に「作業仕様書」たる遺伝子がダンボール箱に入っているだけ、の存在です。 そのウイルスがどうやって増殖するのかというと、細胞、すなわち「工場」の中に侵入し、工場の機械に自分の作業仕様書を「読ませる」ことによってウイルス自身を細胞に生産させるわけです。 (ここでウイルスの遺伝子を生きた細胞に組み込む、という表現がありましたが、それは正確ではありません。ウイルス遺伝子を細胞の遺伝子に組み込むのは一部のウイルスのみで、ほとんどのウイルスは単に自分の遺伝子を細胞に読ませるだけです) なので、「ウイルスは生きた細胞の中に入らなければ増殖できない」のです。 また、「ウイルスは増殖以外の生命活動を行わない」という存在でもあります。その増殖も実は細胞がやっているわけですから、「ウイルスは生物か?」という議論もされてしまうわけです。 その「細胞の中に入る」ことさえ、ウイルスが能動的に何かするわけではありません。 上の細胞の例えで、「受付」というのが出てきましたが、これは選択透過性を持った細胞膜の例えです。 細胞膜には様々な受容体、つまり蛋白質の突起があって、それに結合した物質を取り込んでいます。これは「鍵と鍵穴」に例えることもできますが、つまりは本当に「形状」が合えば受容体に結合することができ、受容体に結合すれば後は細胞が勝手に取り込んでくれるわけです。 ウイルスは、その特定の受容体に結合することができる抗原を持っていて、たまたま受容体に結合したウイルスは細胞が勝手に取り込んでくれるわけです。 つまり、ウイルスはある特定の細胞の扉の鍵穴にマッチする「鍵」を持っている、というわけです。 ですから、あるウイルスは他の動物には感染しない、あるいは極めて感染しにくい、といった種特異性があります。 狂犬病ウイルスのように哺乳類なら何にでも感染できるウイルスもいますが、それは狂犬病ウイルスが持つ鍵に合う鍵穴がどの哺乳類にもある、というだけの話です。 で、「その生物が死ねばウイルスも死滅する?」という話ですが、これまでの話で判るとおり、ウイルスは「生きた細胞の中でしか増殖できない」微生物です。ですから、宿主動物が死ねばウイルスも時間の差こそあれ、例外なく死滅します。 その時間の差、というのは、上でウイルスの殻をダンボール箱に例えましたが、ウイルスによってはそのダンボール箱の丈夫さに差がある、といった程度のことです。いずれにしろ、細胞外のウイルスは、いずれはダンボール箱の表面に付いている「鍵」が壊れ、鍵が壊れればもはや細胞に侵入することはできません。 ウイルスは増殖以外の生命活動を一切しない存在ですから、「細胞に侵入できなくなった」ウイルスは、もはやいかなる意味でも生物とは認められませんよね。 ですから、この「細胞に侵入できなくなった」時点をもって、ウイルス屋達は「このウイルスは死んだ」と言います。 正確には、「感染能を失った」という表現をするのですが、まあ普通に「死ぬ」という表現も使いますね。「ノロウイルスはエタノールでは死なないよ」みたいな。 これもNo.6さんが綺麗に説明されてしまっていますが、「病気を起こすウイルス」は実は僅かです。まあ何も宿主に影響を及ぼさないウイルスは見つけようがないのですが、現在見つかっているウイルスの中で宿主に病気を起こすものは僅か(正確な割合はあまり考えたことがないですが)です。 大半は、宿主の免疫によって排除しようとする力とウイルスが増殖しようとする力がバランスしたところでゆるゆると平和に共存しているものなのですが(それを自然宿主と言います)、本来の宿主ではない異種動物に感染したときに、強い病原性を示すことがあります(もちろん異種動物には感染しないことがほとんどだし、感染しても何も病気を起こさないことも大半なのですが)。 鳥インフルエンザは自然宿主であるカモ類には何も病気を起こしませんが、鶏に感染すると増殖速度が飛躍的に増し、ごく一部のものは感染した鶏を100%殺してしまうような"狂い咲き"をしてしまいます。 ヒトのインフルエンザは既に「ヒトが自然宿主」の状態になっていますが、元々は鳥から豚などを経由してヒトに感染し、最初にヒトに感染した当初はかなり派手に暴れたものの徐々にヒト側の「排除しようとする力」とバランスしている状態です。 「排除しようとする力」のことを免疫力と思われるかもしれませんが、それだけではありません。 受容体の数が減ったりするといったような純粋に遺伝的な要素もあるので、免疫力という安直な言葉では表現しきれないので曖昧な言葉を使っています。 病気を起こすのはウイルスにとっては失敗、とも言い切れません。病気を起こすウイルスの方が起こさないウイルスより増殖効率は良いですから。 インフルエンザウイルス(ヒトの)のように、けっこう派手な病気を起こしながら流行するウイルスもありますし、無症状の替わりにたいして増殖もせず、細々と生き延びているウイルスもあります。 それはそれぞれの進化の結果、ということです。
お礼
なるほど・・・。ウイルス屋さんとか呼ばれている人たちもいるのですね。ウイルスは奥が深い。 この年になり、寝耳に水なことばかりです。 興味深いご説明をありがとうございました。
- 596359635963
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ウィルスは細胞を持っておらず菌のように自己増殖ができない。 そのため増殖するには生物の細胞を材料として使う必要がある。 ウィルスは生物ではないので死の概念が無い。 故に宿主がどうなろうと知ったことではない。
お礼
ウイルスは生物ではないのですね?細胞もないとなると、何に該当するのでしょうか?はぁ、ウイルスって面白い!驚きばかりです。
- hiddenleaf
- ベストアンサー率63% (42/66)
いわゆる生き物は遺伝子とそれを複製するタンパクを持っています。 なので、自力で自身の遺伝子を複製して増殖することができます。 一方ウィルスは自身の遺伝子と、それを守る外骨格を構成するタンパクしかありません。 要するに自力で自身の遺伝子を複製することができないわけです。 自力で自身の遺伝子を複製できないので、生物に寄生します。 で、寄生した生物の遺伝子を複製するタンパクを使って、遺伝子を複製して増殖するわけです。 要するに他の生物に寄生しないと、増えることが出来ないわけです。
お礼
ウイルスって面白いですね。もし自分で複製可能であれば、人に寄生することはなく、永遠、空中をさまよう生き物?固体?なわけでしょうか? 勉強になりました。ありがとうございます。
- skip-man
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>>その生き物が死んでしまえばウイルスたちも生きていけないのではないでしょうか?<< 宿主が死ぬ前に,大量の分身を作って、バラまくんです。 1個体が,100万以上に増えれば十分でしょう。
お礼
ご回答ありがとうございます。 増えることに大いに意義ありですね。
- einn
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単純に言えば、そのように進化してしまったが為に、 種としての必要に迫られてのことです。 ウィルスは単体では増殖できないので、 生物に進入する必要があるからです。 「魚ってどうして水の中にいるんだろう。」 「エラ呼吸だからね。あと、すぐやけどするし。まぶた無いし。手足も無いし。」 というようなもので、絶対的なルールとも言えます。 なぜそのように進化したのか、というのなら諸説ありますが、 創造主(笑)でないと分かりえないことなので、全部机上の空論ですよ。 生き物が死んでしまえば、例外はあれどウィルスも死滅します。 ですから、即死しないようなウィルスが大半なわけです。 致死性の高いウィルスでも、長く苦しんで拡散させるとかね。 ですから、致死性が高く、即効性もあるウィルスというのは、 局所的に爆発的に流行ることはあっても、世界中には蔓延しないんです。 なので新種のウィルスが発生しても、人類滅亡にはなかなか至りません。
お礼
致死性が高く、即効性もあるウイルスは他の宿主に移る前に宿主が死んでしまうから、世界中に蔓延しにくいと言うことなのdすね。 勉強になります。ありがとうございました。
- DJ-Potato
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寄生虫と同じことです。 宿主を殺さないように自分がうまく増えつつも、単純にとどまり続けずに他の個体に移動するチャンスも必要なため、例えば咳を出させたり、下痢させたり、ぶつぶつを作ったりする必要があるのでしょう。 ミトコンドリアや植物の葉緑体なんかも、寄生した細菌のようなものが進化して共生関係になった、って説もありますから。
お礼
ご回答ありがとうございます。 >ミトコンドリアや植物の葉緑体なんかも、寄生した細菌のようなものが進化して共生関係になった、って説もありますから。 そんな説もあるんですね。面白い。
お礼
ご回答読みながら頷き、ため息ばかりでとても関心深いです。 ちょっと違うと思いますが鳥のカッコウとか想像しています。 共存できれば一番言い訳で、人に免疫?機能が増えればお互いにとっていいのですね。