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V0が低すぎて困っています
- 工事着工後に受託契約の話を頂いたため、設備の詳細を知った時にはすでにPASは装柱されておりました。
- 電圧制定タップは2%までしかなく電圧制定のしようがありません。エネジーサポートに電話しても「対策品はない」との事です。
- 対策がない場合お客様に、「構内の地絡事故では継電器が動作しないことも考えられ、波及事故に発展しかねない。」と伝えるべきか?
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中国電力(株)他のほとんどの電力会社は、地絡検出抵抗を6,000Ωに整定します。 (作業は人工地絡試験において、6kV地絡事故において6,000Ω検出できるV0(零相電圧)を整定します。 ※ 6,000Ω整定の理由として地絡抵抗3~5kΩ以下の場合は、消弧する割合が50%程度です。6kΩ以上の故障については90%が消弧してそのほとんどが0.5S以内に消弧します。配電線を不必要にトリップ(停電)させないようにするために、この様な整定にします。 さて、配電用変圧器(バンク)2次側全ての電路の対地静電容量により6,000Ω時の零相電圧値は変化します。近年は地中線化などにより対地静電容量が大きくなりV0のは低くなり、電力会社との感度協調の取れないところは多くあります。 ・ZPD方式の検出限界。また、EVT方式はPASでは不採用。(需要家側では!) ・変電所の各バンク容量を小さくして、数多くのバンクを接地すればV0値は小さく出来ますがコスト増の影響で不可能。 ・四国電力は需要密度の少なく、広範囲の地域(対地静電容量が多くなる。)に供給する目的でPC接地方式を採用しているので、V0値は大きくなる。 ・中国電力は、基本的に非接地方式ですが、山間部などのおいて対地間にリアクトルを挿入する分散リアクトルが設置されています。(電力の主たる目的はEb許容値の増大ですが、地絡感度協調ではV0値は大きくなる。) ここで、需要家側は ・無方向性のPASを設置すると、地絡電流のみによる協調ですので、感度協調は可能ですが外部事故による不必要動作を起こして需要家に迷惑をかける。 (不必要停電は最も嫌われると思います。) ・変電所の整定値とPASの整定値において、感度協調が取れていない範囲は、PAS不動作により波及事故になる可能性はありますが、地絡抵抗による特性表を作っても大きな範囲では無い。(確率的に非常に低い。) ・また、実際の事故の時は地絡抵抗は、アークにより地絡抵抗値が変化して「0Ω」側に変化しますので、動作範囲に入ることを期待出来る。 ・昔はPASに地絡保護が無かった時代もありました。 ・地絡事故の起きないような保安管理に努める。(簡単に地絡事故は起きません。) ・お客さんには、現在の電力系統、技術においては波及事故の可能性の説明を簡単に!(あまり脅かしても良くないでしょう!) ※実際のところ、広島中心部や大阪駅周辺においては感度協調は取れていないのが現状です。 関電と中電は若干リレーが異なり、6000Ω時のトリップ時間が異なります。(関電側有利) また、参考として、東京電力は変電所の整定を10%固定です。 ※ 日本の中心部では、そう簡単にトリップさせる訳にもいかないので、6000Ω整定では無くかなりの低抵抗にならないとトリップしません。日本は東京が中心ですから各メーカーとも東電仕様の保護継電器、書籍類も東電の保護継電器が載っています。以前はV0=5%までの製品しかありませんでしたが、近年は技術の進歩と他の電力の実情が解ったせいかV0=2%が出てきました。 私も電力経験が有り、30歳前から電気管理技術者を20年以上行っていますが協調の取れていない所は多々経験しております。(大都市中心部で感度協調はほとんど取れていません!) 事故報告が必要な ・波及事故はたかが停電ですが、電気火災は需要家に多くの被害を与えますし、感電死亡(入院他)は電気管理技術者にとって最悪です。 いろいろ理論的に行かないことも多々あるかと思いますが、ご活躍ください。
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V0が出ないのは恐らく都市部だと思いますが、万が一の波及事故を起こした場合を想定すると影響も大きくなると思われますし、なんとか交渉して制御部だけでも無方向に交換したほうが寝覚めが良いかと思います。 お客様には、現状では波及事故に発展しかねないということは伝えておくべきだと思います。その後、交換するか、そのまま使用するかはお客様の判断となります。交換せずそのまま使用するなら、後々の事を考えて交換を進言したことを記録として残したほうが良いです。 新設時に交換を渋るようでは10年程度では交換しないでしょうから。実際数十年使用されるのはざらにありますし、故障してもなかなか交換しないなんてこともあります。 この辺りは、お客様の考え次第ですが主任としての責務だけは果たしておく必要があります。 工事業者も話に入ってもらって、方向性を選択した経緯から交渉していけば、工事業者にも多少責任を取ってもらいそれ程費用掛けず交換できるかもしれません。。。 あと、今回は使用できないと思われますので参考までにですが、リンク先はV0が低い場合に使用する地絡方向継電器(GR動作付き)です。
お礼
たびたびありがとうございます。 現在、最も安価に「方向無」にすす方法をメーカーに確認中です。単純に制御機の交換で対応できるのか?あるいは交換せづとも結線換えなどで対応できるかなどなど・・・ >>主任としての責務だけは果たしておく必要があります。 おっしゃるとおりですし、人身事故と波及事故ほど管理者の恐れるものはありません。 光商工の情報もありがとうございます。 一応問い合わせたところ非常に丁寧に回答をしてもらいました。 「気中開閉器には使用できません。」とのことでした。 エネジーサポート社の回答が来次第お伝えします。 ありがとうございました。
構内事故で動作しないのは最悪です。波及を起こさないのを第一に考えると PASはそのまま使用して、制御部だけ無方向に交換するのが無難な感じがします。
お礼
ご回答ありがとうございます。 現実的なご提案ですね。検討したいと思います。ただ新設の現場で交換を提案しにくいことと、樹木の接触や小動物の侵入のリスクが極めて低そうな現場(他に比べて)ですので説得もしにくそうなんですよねね。 ありがとうございました。
- sentakuya
- ベストアンサー率32% (396/1204)
時既に遅しかも、NO.2ですが閃きましたので一言です。 電力変電所からの系統、特に近くで高圧受電の需要家に事情を述べてヒアリングして見てください。きっと最小に設定してあるはずです。 参考までに過電流継電器など複数シリーズである場合協調は取れないことが多いのでこの領域は協調不可能ですと最近割り切っています。教科書のようにうまく行きませんね・・・
- sentakuya
- ベストアンサー率32% (396/1204)
突っ込みではありませんが仰る型式は「無方向=S」ではありませんか? それはさておきPASはその他「戸上電機製作所」「大垣電機」が主流です。 ここの全てを表形式で表し、標準品でないことを「中国電力」に申し出てください。 解決策が出てくると思います。 <補足> 以前PAS用のDGは光商工とのOEM製品でした。 ここにも問合せして見てください。ヒントがあるかもわかりません。
お礼
CLD-A217Se-Dの間違いでした。 ありがとうございました。
- fujiyama32
- ベストアンサー率43% (2298/5278)
方向地絡継電器付きPASの他社品の整定範囲を調べました。 調べた範囲になりますが、他社のPASでも電圧整定範囲は2%以上の ようです。 念のため他社品の同等品の仕様を調査して確認して下さい。 無いことを確認した上で、現状 2%以下のPASは製造していないよう なのので整定値を2%にしたい旨、中国電力に説明して了解をもらう と良いと思います。 或いは中国電力に整定値が2%以下に対応するPASのメーカ名、形式等 を推奨してもらうと良いでしょう。
お礼
ご回答ありがとうございます。 私もここで質問をする前に各メーカーに問合せたところ、対策品はないとのことです。調べますと、ZPDで零相電圧を検出している以上2%が限界だとか・・・それ以上のものを作るとなるとかなり高価になるようです。光商工あたりから2%以下の線路に対応した継電器は市販されているようですが、これはCBの接点を「たたく」もののようで、既設の気中開閉器の制御器の代替とはならないようです!?(メーカーへは未確認) 真っ先に中国電力には問い合わせいたしましたが「最低(2.5%)タップで整定して下さい。」とのことでラチがあきません。
補足
ここで質問をする前に自分ではかなり勉強したつもりです。その結果の結論は 「装柱された以上もはやどうしようもない。」です。 ですから、どなたか裏技でもご存じないかな?と質問した次第です。 ありがとうございました。
お礼
ご回答ありがとうございます。 お礼が遅れて申し訳ありません。 >>日本は東京が中心ですから おっしゃるとおりですね。 日本全体の10%に満たない電力消費地の実情にあった製品をメーカーは考えてくれません。 仮にV0=2%製品で対応できる線路でも数年後にはそれを下回る可能性もありますから、考えてもどうしようもないようです。やはり地絡事故を起こさない管理に努めるという基本に立ち返りたいと思います。 いろいろと貴重なお話をありがとうございました。