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「真空技術」は電気製品から消えていくのか?
電気の歴史で「真空」といえば、エジソンの白熱ランプ、真空管、 TVカメラの撮像管、そしてTVでおなじみブラウン管、といった感じですが、 最近、これらの真空技術が世代交代を始めている感じがします。 街角では、信号機の電球が徐々にLEDに変わりつつあります。 真空管回路はすでにトランジスタを経てLSIに変貌しました。 撮像管はCCDになって携帯電話にまで搭載されています。 そして、とうとうTVも液晶やPDPが取って代わり始めました。 21世紀には真空技術を用いた電気製品/部品は、もはや衰退の一途でしか ないのでしょうか? 分析装置やプロセス設備の真空ポンプくらいしか 残らないのでしょうか?20世紀のX線の発見、レーダーの発明、 オシロスコープなどは全て真空技術の賜物だったはずですが・・・。 何か真空技術を使った電気製品の新しい分野の可能性があるのなら、 ぜひ教えてください!
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こんにちは。ご質問のもともとの意図が書いてなく、私がその趣旨を正確に理解しているかどうか不安ですが、次のような意見はいかがでしょう。 他の方のご指摘のとおり、真空技術は研究・工場レベルでは未だ重要で、これからも重要性が下がることは考えにくいですが、一方、家庭内においてはその役割が低下しつつあるように思います。 従来、家庭内での電気製品における真空(ガス封入を含む)技術は、 ○ 放電による各種効果(真空管増幅器、蛍光灯・ブラウン管・レーザ・プラズマディスプレイ等の発光) ○ 蒸散・蒸発を利用する各種効果(エアコン、冷蔵庫) ○ 物質の酸化防止(白熱電球) ○ 断熱(魔法瓶) 等々があると思いますが、冷蔵庫におけるペルチェ素子(冷却/加熱半導体素子)の普及も含め、ご指摘のとおり、多くの場合、半導体等に取って代わられつつあるようですね。 考えてみれば、真空/ガス封入の技術の多くは、特に電子の移動や電子・分子によるエネルギー移動の環境を作るために利用されており、これら電子の移動等が半導体内で制御できるようになれば不要になるのは当然でしょうか。白熱電球も、所詮、熱運動と電子の移動による発光がもとと考えれば同類ともいえますね。 このように、一般的に、同じ効果が固体内でできれば、少なからず機械的な構造が必要な真空・ガス封入は駆逐されると考えてよいかも知れません。 しかし、一方、このような中で、「断熱」は、真空が圧倒的に有利で、他の方法がないとも言えるでしょう。断熱効果の高い物質は次々と生まれていますが、何より「物質がない」状態は一番に断熱が可能です。こちらのほうは、ガラスの魔法瓶からステンレス保温ボトルや冷蔵庫用ユニット式断熱パネル等へ、機械加工技術の発達に合わせて普及が進んでいます。 防音もまた然りですので、将来は真空パネルの建築用壁材なんかもできるかも。 で、家庭における新しい分野への真空の応用ですが、残念ながら、私は思いつきませんでした。 それでも、負け惜しみを言わせていただければ、まだまだ真空・ガス封入は安定した技術として当分はまだまだ元気に使われて行きそうですね。 お役に立てれば幸いです。
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- p-21
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おまけ http://www.ulvac.co.jp/ は 旧社名「日本真空・・・以下不明」 で シャープが液晶をこの世に登場させた まさに縁の下の力持ちです この会社なしにして現在のシャープは無いと言える でしょう プロジェクトXで取り上げられていました
- menchanman
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ナショナルの新しい冷蔵庫に真空断熱技術が使われています。
お礼
ご回答ありがとうございます。 これは新技術なんでしょうか?今まで使われていなかったのがちょっと意外に思いました。
- p-21
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液晶や半導体の生産には真空技術なくして 確立することはありません 真空技術では世界レベルで3本の指に入る トップ企業です ワタシの前職でのお客さんでした
- 参考URL:
- http://www.ulvac.co.jp/
お礼
ご回答ありがとうございます。 なるほど、真空装置は健在ですね。ここから新しい家電製品の要素技術などがでてくるとうれしいです。
- yu-taro
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May_I_askさんこんばんは。 難しく専門的な知識が必要ですが、現状では他にエアコンや冷蔵庫、除湿機などのコンプレッサを使用した冷凍サイクルには真空の技術が必要です。 真空の部品では、バキュームコンデンサやバキュームバリコンなどの特殊部品があります。高周波回路の電力増幅部に使用する部品です。 バキュームリレーという物も、高電圧大電流が流れる回路に使用するために、接点が接触したときにスパークが発生するのを防止するためにあります。 研究では、真空内での半導体の純度を更に上げたり、新たな半導体の開発なども行われています。 特殊な用途では、小柴昌俊博士がノーベル物理学賞を受賞した、スーパーカミオカンデの光電子増倍管があります。 測定器も、オシロスコープやスペクトラムアナライザもブラウン管を使用しないと、液晶では信号の追従性が遅いため、細かい波形の変化を見ることができません。 電子工学、電子機器の世界ではまだ真空技術がなければ成り立たないものが数多くあります。 それと、放送局の送信所の大電力出力増幅回路は真空管を使用しないとまだ成り立たないものです。半導体の技術で、この分野ではまだ苦手なジャンルです。 家電機器も真空技術を利用した新製品も出てくるかもしれません。あらゆる可能性を研究しているのが、技術者であり研究者だからです。現在もさまざまな可能性を模索していると考えられます。 スーパーカミオカンデのURLです。↓
- yu-taro
- ベストアンサー率39% (3209/8203)
May_I_askさんんばんは。 難しく専門的な知識が必要ですが、現状では他にエアコンや冷蔵庫、除湿機などのコンプレッサを使用した冷凍サイクルには真空の技術が必要です。 真空の部品では、バキュームコンデンサやバキュームバリコンなどの特殊部品があります。高周波回路の電力増幅部に使用する部品です。 バキュームリレーという物も、高電圧大電流が流れる回路に使用するために、接点が接触したときにスパークが発生するのを防止するためにあります。 研究では、真空内での半導体の純度を更に上げたり、新たな半導体の開発なども行われています。 特殊な用途では、小柴昌俊博士がノーベル物理学賞を受賞した、スーパーカミオカンデの光電子増倍管があります。 測定器も、オシロスコープやスペクトラムアナライザもブラウン管を使用しないと、液晶では信号の追従性が遅いため、細かい波形の変化を見ることができません。 電子工学、電子機器の世界ではまだ真空技術がなければ成り立たないものが数多くあります。 それと、放送局の送信所の大電力出力増幅回路は真空管を使用しないとまだ成り立たないものです。半導体の技術で、この分野ではまだ苦手なジャンルです。 家電機器も真空技術を利用した新製品も出てくるかもしれません。あらゆる可能性を研究しているのが、技術者であり研究者だからです。現在もさまざまな可能性を模索していると考えられます。 スーパーカミオカンデのURLです。↓
お礼
回答ありがとうございます。知らないところでまだまだ真空技術が使われていることを知り、参考になりました。 光電子増倍管、拝見させてもらいました。確かにある意味で最先端技術ですね。 ただ、やはりご回答の技術を見ると特殊用途が多いという感じがします。 デジタル技術によって多くのアナログ技術が置き換えられつつあるように、真空⇒固体という流れは歴然とあるのでしょうね。 私は個人的にアナログや真空管に思い入れがあるので、ちょっと寂しく感じています。
お礼
ご回答ありがとうございます。 断熱、防音、あたりが真空技術の残された使命のようですね。 私は最近のPDPや液晶TVを見ても、やはりブラウン管のほうが画面が総合的に自然で綺麗に思えます。 立体感というか、質感というか、そういったアナログ的な深みがあるように思えるのです(文字表示は苦手ですが)。 同様の感想は、レコードがCDに取って代わられたときにも感じました(f特や音の切れでは負けますが)。 DVDよりもS-VHSの方が高画質だと思います(ノイズレベルでは負けますが)。 手軽さ、便利さが受けて、本物が消えていくような気がして、今まで身近な存在だった電球やブラウン管はなくならないでほしいなあ、などと、個人的にかってな感想をいだきました。 断熱と防音、主役というより縁の下の力持ち的な技術ですが、頑張ってほしいです。