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宇宙エレベーターの原理的な可能性と問題点
- 宇宙エレベーターは原理的に可能性がありますが、いくつかの問題点も存在します。
- 衛星の軌道の維持や物資の運搬にかかるエネルギーの問題など、実用性には課題があります。
- しかし、宇宙エレベーターは研究がすでに行われており、将来的には実現の可能性もあります。
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>建設後、ステーションの軌道を修正できない? 軌道エレベータの長さが一定とした場合には、軌道エレベータは地球の自転と同じ周期で回らなくてはなりませんから、軌道エレベータ全体が描く軌道は、変えようがありません。 しかし、軌道エレベータ全体が描く軌道ではなく、軌道エレベータの重心位置を、静止衛星軌道よりも高い位置とする事で、(回転周期は変わらないものの)重心が描く円の半径をもっと長くする事でしたら、理屈の上では可能です。(この場合の重心が描く円は、衛星軌道とは呼べません) 但し、その場合には、軌道エレベータに加わる地球の引力よりも、遠心力の方が強くなりますから、エレベータが地表に接続されている部分を上空に引っこ抜く力が働きますので、エレベータの下端に遠心力によって持ち上がらないだけの重りを接続しなければなりませんし、エレベータの各部には、遠心力の増加した分だけ、より強い強度が必要になりますから、同じ材料を使用した場合には、エレベータはより太く、重くなり、それによる増加した終了をぶら下げるために、更に太くする必要がありますので、合理的ではありません。 その場合でも、貨物を揚げると、エレベータ本体の角運動量が減少する事に変わりはありませんから、エレベータの回転速度が少し遅くなり、エレベータは西に傾き始めます。 エレベータが傾くと、エレベータの重心と地球の中心との間の距離が少し近くなりますから、ある程度西に傾いた処で、エレベータの回転周期が少し短くなり、エレベータは垂直に戻り始め、垂直にまで戻った処で、又西に傾き始める、という事を繰り返します。 その際、エレベータを途中で曲げ伸ばしする際の抵抗がありますから、徐々に振り子の様な往復動の振れ幅が小さくなってき、多少西に傾いた形で止まります。 但し、何度も繰り返し貨物を上げ続けて行けば、いつかは重心位置が静止衛星軌道よりも低くなり、ANo.4で述べた様な軌道エレベータの崩壊に至ります。
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- cocacola2010
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宇宙エレベータに別段詳しいわけではないですが たぶんロケットエンジンによる軌道修正は必要ないです。 「荷物を持ち上げた時に衛星がエネルギーを失う」のと同様にして 「荷物を降ろす時に衛星がエネルギーを得る」を利用すれば良いだけです。 荷物を上げるときにはコリオリの力で荷物が西に引っ張られて衛星にブレーキをかけます。 荷物を降ろす時にはコリオリの力で荷物が東にひっばられて衛星にアクセルをかけます。 イメージしにくいかもしれませんが。 例えばベルトがループ状になっていて、等間隔に多数の重りが付いているとします。 そのベルトが回転ずしのレーンの様にクルクル等速で回り、それぞれの重りが地上と衛星を 行ったり来たりしている状態を考えます。 その「衛星とベルトと重り」丸々全部ひっくるめた状態で地球の自転と角速度を一定にしておきます。 荷物を上げる(降ろす)時は、同量の重りと入れ替れて輸送すれば定常状態を維持できます。 何らかの外力で楕円になったときはタイミングよく荷物を引き上げ(降ろす)ればいいんじゃないでしょうか。 摩擦等で減り続けるエネルギーはロケットエンジン使わないと駄目かもしれませんが。
お礼
回答ありがとうございます 仰る事は分りますがこの目的からして宇宙空間に物資を運ぶ、と言う事が本来の目的でしょうから行きと帰りの質量が同じと言うのはあまり現実的では無いような気がします。 貨物を運ぶ→衛星が下がる→ロケットで横方向の速度を上げる→軌道を元の静止軌道に戻す 結局これの繰り返しでそれなりにエネルギーを必要とする、と解釈しました。
- 中村 拓男(@tknakamuri)
- ベストアンサー率35% (674/1896)
>いいえ、静止衛星から垂れ下がっているだけです。 : > 軌道エレベータが遠心力で引っ張られる事で構造を維持しているのではない事は、軌道エレベータの代表>的な建設方法が、「静止衛星軌道から、下方向かってエレベータの構造を延長して行く」である事からも判>ります。 これが本当ならわずかなじょう乱に対して頻繁に軌道修正が必要そうですね。 でも初期の建設時の条件が運用時の条件になるんでしょうか? 建設後、ステーションの軌道を修正できない?
お礼
回答有りがとうございます 要するに衛星を静止軌道上に固定する為にはある一定の横向きの速度が絶対に必要な訳で貨物を上げればこの速度が減少するのだから従来言われているような軌道エレベーターは実現不可能ではないでしょうか。 つるべ井戸方式で上げる分と下ろす分が同じならそのような心配もなくなるでしょうけれど目的は安価に宇宙空間に貨物を運ぶ、事ですからつるべ井戸方式は現実的では無いと思います。
- kagakusuki
- ベストアンサー率51% (2610/5101)
ANo.4です。 >No.4 ですが、軌道エレベータって上から垂れ下っているだけではないはずです。 いいえ、静止衛星から垂れ下がっているだけです。 但し、単に下にのみ垂れ下げただけでは、重心の位置が静止衛星軌道よりも下になってしまい、地球と同じ周期で公転する事が出来なくなりますから、静止衛星軌道よりも上方に向かってケーブルを伸ばし、静止衛星軌道よりも上の位置にカウンターウエイトを設ける必要があります。 軌道エレベータが遠心力で引っ張られる事で構造を維持しているのではない事は、軌道エレベータの代表的な建設方法が、「静止衛星軌道から、下方向かってエレベータの構造を延長して行く」である事からも判ります。 >東西に傾けば遠心力により、地球とエレベータの接点に対しトルクが発生します。 貨物を揚げない状態においては、軌道エレベータに加わる遠心力は、軌道エレベータに加わる地球の引力と釣り合っています。 そして、荷物を揚げると、軌道エレベータが持っていた角運動量の一部が、貨物の角運動量を増すために使われますから、軌道エレベータの公転速度が低下してしまい、遠心力もまた減少します。 そのため、地球の引力よりも遠心力の方が小さくなり、軌道エレベータの高度は低下します。 高度が低下すれば、地球の引力によって加速されますから、ある程度まで高度が落ちれば、遠心力が地球の引力を上回る様になり、落下速度が減少し始めます。 そして、更にある程度高度が低下した処で、軌道エレベータの軌道が低下して行く速度が0になり、その後、軌道エレベータの高度は再び上昇して行きます。 上昇すれば、地球の引力によって減速されますから、高度が高くなって行くほど遠心力は弱くなって行き、元の静止衛星軌道の高度まで上昇した処で、再び高度は低下して行く方向に転じ、結局、軌道エレベータは下降と上昇を繰り返す楕円軌道を描く事になります。 この際、軌道エレベータの重心の高度は、最高でも静止軌道以下までの高さにしかならず、最高高度に達している時以外では、重心の高度は静止衛星高度よりも低くなっていますから、この楕円軌道の長軸方向の長さは、元の静止衛星軌道の直径よりも小さくなります。 軌道の長軸の長さが短い程、衛星の公転周期は短くなりますから、貨物を揚げた軌道エレベータの公転周期は、地球の自転周期を上回る様になり、推進装置等を使用してエレベータを加速させなければ、エレベータは時間の経過とともに地球に巻き付いて行く事になります。 そして、地球に巻き付く事で軌道エレベータの重心の高度が低下しますと、重心の移動速度は低下せずに、回転半径が小さくなるため、遠心力が増加し続けます。 そのため、過大となった遠心力に、地表近くのエレベータの構造の細い部分が耐え切れず、千切れる事になります。 尚、1、3の問題の解決するためには、揚げた貨物の角運動量を増すために消費された、軌道エレベータ本体の角運動量を補う事が出来る何らかの手段を講じる必要があります。 静止衛星軌道よりも上の位置に設けたバランス重りは、貨物を揚げない状態における軌道エレベータの下部に加わる地球の引力に、丁度釣り合うだけの遠心力を発生させる働きはするものの、バランス重りが軌道エレベータ本体に固定されている限りは、軌道エレベータ本体に角運動量を回復させる事には全く寄与する事はありません(バランス重りが無から角運動量を生み出したりはしません)から、1、3の問題の解決には全く役に立ちません。 角運動量保存の法則という物理学上の基本法則が存在する以上、貨物を揚げた事によって減少した角運動量を回復させる手段は、軌道エレベータ本体と、軌道エレベータ以外の物体との間で、角運動量のやり取りをする以外に方法はあり得ません。(ロケット噴射を使用した場合には、ロケットから噴射されたガスが、軌道エレベータとは逆方向に回転する角運動量を、軌道エレベータから持ち去る働きをします)
お礼
再度の回答ありがとうございます 要するにカウンターウエイトを付けても貨物がよじ登って行き公転エネルギーが増加すればそれは衛星からもらう訳でその結果衛星の横向きの速度は減少し遠心力が小さくなり軌道は下がる。 軌道が下がれば24時間の公転周期よりも早くならざるを得ず衛星と貨物の角速度は増加し東の方角に傾きロープは赤道に東向きに巻きつく・・・とこんな解釈でよろしいのでしょうか。 これを防ぐためには貨物の上昇によって減少した衛星の角速度を元に戻す為ロケットで東向きに加速し静止軌道に戻すべく燃料を使う。 >そして、更にある程度高度が低下した処で、軌道エレベータの軌道が低下して行く速度が0になり、その後、軌道エレベータの高度は再び上昇して行きます。 この「その後、軌道エレベータの高度は再び上昇して行きます」 この部分が良く分らないのですが高度があがる為には運動エネルギーを与えなければなりませんがそれはどこから来るのでしょうか。
- foomufoomu
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ちょうど今年の初めに、宇宙エレベータ協会の方の講演を聞いてきたところです。 講演の中ではエレベータの角運動量の話はできてませんでした。それ以前に解決しなければならない問題が山のようにあるみたいです。 軌道エレベータ建設の手順は 1.赤道上に静止衛星(静止衛星はかならず地上3万6千kmの高さ)を打ち上げる。 2.衛星から同時に上下にロープをバランスをとりながら下ろす(上げる) 3.地上まで届いたら、それを使って、さらに資材を引き上げ、大きなステーションにする。 問題点は、 ・3万6千km垂らして自重で切れないロープを、現在は作れない。ナノカーボンチューブが実用化されると作れる可能性が出てくる。 ・宇宙船からロープをたらすというのは、とても難しい作業。ちょっとしたミスで軌道を崩して、宇宙のかなたへ飛ぶか地上に墜落するかになる。宇宙ヨットのイカロスが20mの帆を張るのに成功したのは奇跡のようなこと。現在は宇宙船から百m(?)のロープをたらすのに成功しているのみ。 ・エレベータの箱は、普通のエレベータのようにがっちりした建物中にあるわけではないので、風などでふらふらゆれながら登ることになる。安定して登る方法を考えないといけない。 というわけで、質問の 1.3.は、ステーションから上にバランス重りを上げることで解決。 2.については、まだ思案中のようです。(わりあい簡単に解決できると思いますが) 現在、世界の軌道エレベータの開発状況は、 学生を中心に、気球から垂らしたロープを登るエレベータの模型を作って、どこまで登れるか競争している段階です。いちおう世界中から参加者が来て、にぎやかに大会が開催されています。(ほとんど構想のみしか進んでないということです。) 軌道エレベータは、まだ遠い夢物語ですが、それの前段階として、気球からロープを垂らし、成層圏近く(地上数10km)に半固定的な施設を作る、というのが現実的な案としてあるそうです。ほんとの宇宙ステーションより安価にでき、気象観測、太陽光発電などに利用できるとのこと。
お礼
詳しい解説ありがとうございます。 >それ以前に解決しなければならない問題が山のようにあるみたいです。 しかしその前に原理的に可能なのかどうかと言う方が問題なのかと思うのです。 >2.衛星から同時に上下にロープをバランスをとりながら下ろす(上げる) これは衛星からロープを地上に下ろすのと同じタイミングで外側の軌道にロープを伸ばすと言う意味でしょうか? でも外側ロープと衛星のバランス問題が解決されたとしても衛星とロープは運動エネルギー上は一体の物と考えられ地上から貨物がよじ登って行けばその運動エネルギーが減少し軌道が下がり周期が短くなり結果静止軌道にはなれないような気がします。外側ロープの有無は無関係に思えますが。 確かに宇宙船からロープを垂らして目的地点と結ぶのは技術的に難しいでしょうけれどその前に運動エネルギーのみで静止軌道に存在する衛星を頼りに貨物を運ぶ事が可能なのかどうか、これが問題のような気がしてなりません。 気球からのロープの件は衛星とは根本的に異なる原理ですから同じに論じる事は出来ないように思えてなりません。 詳しい回答有りがとうございました。
- 中村 拓男(@tknakamuri)
- ベストアンサー率35% (674/1896)
No.4 ですが、軌道エレベータって上から垂れ下っているだけでは ないはずです。 東西に傾けば遠心力により、地球とエレベータの接点に対し トルクが発生します。この復元力のおかげで、衛星の位置は 容易にはずれないでしょう。 #あくまで軌道エレベータが現実に #つくれたならの話ですが・・・
お礼
回答ありがとうございます。 >軌道エレベータって上から垂れ下っているだけではないはずです。 え?そうなのですか? 私は静止軌道の衛星から丈夫なヒモを地上に垂らしてそれにつかまって太陽エネルギーで発電しモーターを駆動し宇宙までよじ登って行くシステムだと思っていました。 >東西に傾けば遠心力により、地球とエレベータの接点に対しトルクが発生します。この復元力のおかげで、衛星の位置は容易にはずれないでしょう。 質問で書き間違いましたが静止軌道から下がった衛星の公転周期は24時間よりも短くなり(ケプラーの第二法則でも理解できるが)赤道から見て東の方角に傾く筈でこれを自動修正する力が働くのでしょうか? 貨物を運べば運ぶほど軌道は下がり遂には気体分子に運動エネルギーを奪われ急激に高度が下がりバランスを崩した凧のように地上に激突する、と言うイメージしか湧きませんが。
- kagakusuki
- ベストアンサー率51% (2610/5101)
ANo.1様やANo.2様は、御質問内容を誤解されておられる様です。 御質問内容1は要するに、 「軌道エレベーターを使用して、地上から貨物を持ち上げた場合、貨物が地球の周りを回る回転周期は、軌道エレベーターが地球の周りを回る回転周期に等しくなりますが、貨物の高度が高くなるに従って貨物の回転半径は大きくなりますから、貨物が持つ角運動量もまた貨物の高度が高くなるに従って大きくなります。 角運動量保存の法則により、貨物の角運動量が増加したという事は、貨物以外の物体が持つ角運動量が減少した分が、貨物に移ったという事になります。 この場合、貨物に角運動量を与え得るのは軌道エレベータだけですから、軌道エレベーターを使用して、地上から貨物を持ち上げるという事は、即ち、軌道エレベータ本体の角運動量を減らす事になり、軌道エレベータの角運動量を減らすという事は、軌道エレベータの平均高度を下げて、軌道エレベータが地球の周りを回る周期を早くする事になる筈です。 そのため、軌道エレベータで貨物を持つ上げたままだと、軌道エレベータは、地球の自転速度よりも早く回る様になり、西方向に倒れて、地球に巻き付いてしまうのではないか?」 という趣旨の御質問です。 例え軌道エレベータの先端に重りがあった処で、角運動量自体が減少してしまえば、その高度における遠心力も減少しますから、軌道エレベータの重心の軌道もまた、遠心力と重力のバランスが取れる、公転周期の速い(即ち遠心力が大きい)、平均軌道半径が低い軌道へと落ちる事になります。(正確には、地上の近くで千切れた軌道エレベータが、北極の上空から見てから見て時計回りに自転しながら、高度が高くなったり低くなったりを繰り返す楕円軌道を描く事になります) 2は、 「貨物や軌道エレベータに吹き付ける風が、軌道エレベータに加わる外力を生み、軌道エレベータの公転軌道を乱すのではないか?」 という趣旨の御質問です。 3は、突き詰めれば、1と同じ質問内容となります。 風の問題ですが、軌道エレベータを建設する事が可能なのは赤道上だけであり、赤道地域には、ほぼ常に貿易風という東寄りの風が吹いていますから、軌道エレベータを西方向に加速する力となります。 風以外にも、金星や木星、月、太陽といった、太陽系内の地球以外の天体の重力や潮汐力によって、軌道エレベータはふらつきます。 これらの風や他天体による外乱に対しては、ロケット等の推進装置を使用して、外乱を打ち消す必要があります。 それから、貨物を持ち上げる事による問題に関してですが、軌道エレベータの元々の構想では、衛星軌道上に持ち上げる貨物もあれば、衛星軌道上から地上へと降ろす貨物もあり、揚げる貨物と降ろす貨物の質量が等しければ、巨大人工衛星である軌道エレベータの公転軌道には影響は殆ど無くいため、推進剤を消費する事なく、衛星軌道と地上との間を行き来出来、加えてエレベータの昇降に、リニアモータと回生ブレーキを併用すれば、貨物を降ろす際に回収されるエネルギーを使用して、貨物を揚げる事が出来るというものです。 とは言え、これはあくまでも理論上の話であり、軌道エレベータを実現させるとなれば、軌道エレベータで持ち上げた物資の中には、使い捨てとなるものもあるでしょうし、なにより、軌道エレベータ自体の軌道から別の軌道に人工衛星を移動させたり、他の惑星に宇宙船を送ったり、外乱に対抗して軌道エレベータの軌道を調整し続けるためには、推進剤を消費しなければなりませんから、例え全ての宇宙船を回収して再使用した処で、どうしても持ち上げる質量の方が多くなります。 そして、消費される推進剤を持ち上げた事による、軌道エレベータの角運動量の減少分は、ロケット等の推進装置を使用して補わなければいけませんから、更に多くの推進剤が必要となる筈だと思います。 但し、軌道エレベータで貨物を持ち上げる際には、空気抵抗や地球の重力によって、ロケットの推進力が目減りする問題が多少軽減される可能性がありますし、軌道エレベータの軌道調整や軌道エレベータからの打ち上げには、プラズマロケットやアークジェット、イオンロケット等の様な、推進力は小さいものの、少ない燃料で高い速度を得られるタイプの推進装置も使用可能になりますし、回収した宇宙機器を地上に降ろす分だけ推進剤が少なく済みますから、打ち上げ単体のコストは、地上からロケットで打ち上げるよりは低コストになると思われます。 尤も、軌道エレベータ自体が、何億トンになるのか判らない程の超巨大静止衛星であり、それだけの質量の資材を静止衛星軌道上に打ち上げるだけでも非現実的な量の推進剤が必要になりますから、元が取れる様になるまでに何千年掛かるか判ったものではありません。 尚、将来的に月の資源開発が進めば、月から送られて来た資源と土砂を、地上へと運ぶ量を調節して、揚げ降ろしする貨物の質量を釣り合わせる様にする事で、軌道エレベータの軌道を維持するために必要となる推進剤の量を、極端に低減する事が可能になるかも知れません。 尚、他天体の重力や潮汐力による外乱を打ち消すために、ロケットをふかす必要がある事に関しては、本屋で立ち読みした軌道エレベータに関す書籍に書かれていた事なのですが、肝心の御質問内容1に関する議論や解説に関しては、私も1度も目にした事は御座いません。 只、どう考えても、貨物を揚げれば軌道エレベータの回転周期は早くならざるを得ませんから、その様な議論がみられないのは、軌道エレベータの解説本等では、軌道エレベータに対する夢を強調したいが故に、その様な問題点がある事は判り切った事として、敢えて述べずにいるのかも知れません。 【参考URL】 QNo.1175796 スペースエレベーターについて http://okwave.jp/qa/q1175796.html QNo.6279976 今現在、先進六ヶ国等で赤道周辺に軌道エレベーターを建造する事は出来るで http://okwave.jp/qa/q6279976.html
お礼
kagakusukiさんありがとうございます。 質問では貨物が衛星を下に引っ張ると言う表現をしましたが要するに貨物を静止軌道に乗せる場合その運動エネルギーは衛星から貰うしかないでしょうと。 その結果衛星の角運動量は減少し軌道が下がり角速度も変化し初期の目的は達成できないでしょうと言う趣旨です。 言いたかった事を物理用語を交えて解説して頂き感謝します。 風の問題も同じで要するに運動エネルギーにのみに支えられている衛星に外乱が加われば軌道は乱れるでしょう、その乱れを修正するには当然エネルギーが必要でそれを衛星まで配達するにも膨大な燃料が必要で・・・・ 一体軌道エレベーターとは原理的に実現可能なのか、机上の空論ではないのかと思う次第です。 広い意味では原理的には可能なのかもしれませんが軌道修正に大きなエネルギーを使うならあまり意味がないような気がします。 詳しい解説ありがとうございます。
- 中村 拓男(@tknakamuri)
- ベストアンサー率35% (674/1896)
どうも軌道エレベータがふわふわ「浮いている」ようなイメージが 伝わってきますが、現在の構想では、軌道エレベータは 巨大な自重を持ち、これを遠心力で支えます。静止軌道よりも 外側の「おもり」が軌道エレベータ全体を宇宙へ 引っ張り上げるイメージになります。
お礼
>静止軌道よりも 外側の「おもり」が軌道エレベータ全体を宇宙へ引っ張り上げるイメージになります。 え、そうなのですか? 衛星の更に外側におもりを付けそれを強引に静止軌道と同じ周期で公転させるという事ですか。 しかしそれでも地上から荷物を持ち上げればその荷物に公転軌道分の運動エネルギーを与えなければならないはずでそれは衛星とおもりから貰う以外にないかと。 でその結果衛星とおもりは運動エネルギーを奪われ軌道が下がると共に角速度が大きくなり東の方向に動いていきませんか? これを修正するにはエネルギーを与えなければならず膨大な燃料をその時に備えて宇宙空間に準備しておかなければならないような気がします。
- Wr5
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風の問題はどうなのか…ちょっと調べ切れていませんが… >1、地上からベルトを伝わって貨物を持ちあげる場合衛星の公転周期は当然24時間ですが貨物の重さによって衛星は引っ張られ高度が下がり 地球と反対側に安定させる為の重りを接続する。 ということになろうかと。 適切な重量にすれば3万キロも延ばす必要はない…ハズです。 (遠心力も加わりますので) ちなみに、静止軌道より上から人工衛星を放出することで惑星間探査機が飛ばしやすい…とか。 アニメではありますが…ガンダムOOでは軌道エレベータに重りがついていました。 崩壊する際に全体的なバランスを取るために外側の重りを切り離す。という描写もあったかと。 それでも、崩壊していましたが…。 どっちみち、現在では「自重に耐えられる素材」が無いのでまだまだ実現できませんが。 # カーボンナノチューブが期待されていますが…まだまだかかりそうですね…。
お礼
回答ありがとうございます >地球と反対側に安定させる為の重りを接続する。 せっかくですがこれの意味が分りません、もう少し詳しく教えて頂け得ると嬉しいのですが。
宇宙エレベーターの話は聞いた事があります。 物理的には可能でしょう。 ただ近くを飛ぶ飛行機にとっては邪魔な存在でしょうね。
お礼
一番のご回答ありがとうございました 確かに飛行機には邪魔ですね。
お礼
とても詳しい解説大変参考になりました、ありがとうございます。 最後の >但し、何度も繰り返し貨物を上げ続けて行けば、いつかは重心位置が静止衛星軌道よりも低くなり、ANo.4で述べた様な軌道エレベータの崩壊に至ります。 ここの部分なのですが要するに巷で言われている宇宙エレベーターは修正エネルギーの話は出て来ないで衛星がまるで固定されているかのような内容になっているのが気になり質問を立ち上げた次第です。 荷物を上げる度に衛星の運動エネルギーが失われそれを修正するにはエネルギーが必要である、と言う事が理解できました。