抵当権と根抵当権の違いを簡単に言いますと、抵当権は、「既に成立した」債権を担保するためのもので、根抵当権は担保の枠を決めておいて、「既に成立した」債権と「これから成立する」債権を担保するためのものです。
通常、住宅建築の目的の融資を受けて抵当権を設定する場合は抵当権が多いのですが、取引が継続してある自営業の場合や今後もいろいろと借りたり返したりが続く可能性のある場合は、根抵当権を設定することもあります。
根抵当権は、ある債務者と継続して取引することを前提にしている担保権ですので、その債務者が死亡した場合は、その死亡後に誰が取引を継続していくかを決める必要があります。
そこで、次のような登記手続が必要となります。
1.「相続による所有権移転登記」
2.「根抵当権の債務者の相続の登記」
3.「根抵当権の債務者の合意の登記」
これらの登記をしてはじめて、その根抵当権が新たな債務者の債務を担保するための根抵当権となります。
この内、「合意の登記」は相続から6か月以内にしなければ、根抵当権は確定することになっています。
確定するというのは、今後新たな債権を担保しないということ、つまり今ある債権のみを担保するものとなるため、新たな貸し付けは、この担保物権に基づいては行われないということです。 抵当権と同じようなものになるわけです。
ですから、あなたがその金融機関から今後借り入れを継続してされることが予定されている場合は新たに根抵当権を設定することが必要ですが、その予定が無い場合は、再度設定する必要は全くありません。
金融機関は、取引が打ち切られることを避けるために、抵当権でも良い場合でも根抵当権を設定させることもありますので、今後の取引を予想して対応していただくのが良いと思います。
例えば、
専用住宅建築のための住宅ローンとして5000万円を借りた場合、
抵当権なら減税証明書の交付を受ければ、登録免許税が5万円ですみますが、
根抵当権なら設定額が6000万円の枠で組まれ、減税も受けられないので、登録免許税が24万円もかかります。
同じ金額を借りてこれだけの差が出るのですから、安易に金融機関のいいなりになる必要はないでしょう。
ちなみに設定費用などは、当然に債務者負担となります。
お礼
詳しい回答ありがとうございます。 早速これを参考にして銀行と話してみます。 素人なのでなめられないようにします。