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円高で差益は?その還元は?
ものすごい円高で日本経済は大変なことになっています。輸出業者は青息吐息です。 さて、輸入業者はどうなのでしょうか。円高による差益がタップリあって儲ける機会として 千載一遇のチャンスのはずですね。特に石油関連の大会社はガップリと儲けています。 当然ガソリンも灯油も値下がりして然るべきです。差益を国民に還元すべきだと思います。 それなのに全くその気配さえない。新聞を始め報道機関も全く触れていない。 これはどういうわけなのでしょうか。原油価格の高騰とは別の問題です。 この理由をどなたか教えてください。
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元売の利益が「円高メリットによるもの」と結論付けてしてしまうことに無理があるのではないでしょうか? 現在の石油製品価格は元売の独断で決まっているわけではないので、安く仕入れた原油で製品を作り、それを都合よく高い価格で売るというようなことはできません。 百聞は一見に如かずで、原油とガソリンの価格のグラフをアップしてみました。 ----------------------------------- 【原油】http://www.picamatic.com/view/7816502_tk-oil/ 【ガソリン】http://www.picamatic.com/view/7816503_tk-gas/ 原油は東京工業品取引所で取引されている中東産原油(ドバイ及びオマーン原油)。 ※日本は輸入原油の約9割が中東産原油です。 ※なお円建て取引のため為替換算は必要ありません。(つまり円高なら価格が下がります。) ガソリンはこちらの資料をもとにしています。 『自動車ガソリン(銘柄符号:7301) の東京都区部の小売価格』http://www.stat.go.jp/data/kouri/8.htm -------------------------------- ほとんど同じ動きをしています。 このような記事もあります。 『石油元売りのガソリン価格決定方式』 http://plaza.rakuten.co.jp/kakakuyosoku/diary/201006250000/ >自己の価格を守るために市場に供給しなかったり、供給自体を調整しようとしても、誰かがその網をくぐってしまうのだ。 >そして元売りの場合のガソリン価格の網をくぐるのは、韓国や東南アジアの国々の製品であろう。 「コスト+都合よい利益=販売価格」という殿様商売が難しくなってきていることがわかります。 円高で製品輸入が増えたら元売りには不利益になります。 ではなぜ元売は儲かっているのか? もちろん、業界の力関係で「コスト割れしない価格」で売りやすいのは確かです。 ですから、売り上げさえ増えればおのずと利益は増えます。 しかし、それは円高とは直接の関係がありません。 また、見かけの利益が増えることはよくあります。原油の安い時期に作った在庫が原油高の時期に売れれば見かけの利益は増えます。ただし、逆に原油高の時期に作った在庫が原油安の時期に売れれば見かけの利益は減ってしまいます。 つまり、製品が市場に出回るまでのタイムラグを勘案する必要があり、単期の決算ではなかなか実態は見えてきません。 元売の増益に大きく貢献しているのは”石油開発事業”です。原油高がメリットになる開発事業は近年の原油高で利益に貢献しました。 『原油高で石油開発は好決算 ―ここにきて原油急落で見通し難に―』 http://www.mantannet.com/news/item/855 >原油価格高で元売の石油開発事業の経常利益はJX日鉱日石エネルギーが229億円(前年同期は174億円)で55億円の増 >コスモ石油は132億円(88億円)で44億円の増益となっている。 >出光興産は営業利益で91億円(65億円)で26億円の増益となっている。 こちらの記事も同じようなことを書いています。 『石油元売り大手3社 価格上昇追い風に大幅増益』 http://www.sankeibiz.jp/business/news/110513/bsg1105130503006-n1.htm >石油製品が猛暑効果などで前年並みの売り上げを維持 >石油開発事業も原油価格上昇が底支えした。 >12年3月期は「需要減の可能性が高い」(JX)ことから、各社とも減益を予想している。 門外漢なので業界内部事情はよく分かりませんが、「【円高で】暴利をむさぼる元売り」という批判は個人的には違和感を覚えます。 <参考> [PDF]『 新価格体系の実態と評価 - 石油情報センター』 http://oil-info.ieej.or.jp/documents/data/20091005.pdf
- potatorooms
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この質問が多いのですが、今、世界中で政変や暴動が起こっているくらいに世界の原材料や穀物などの食品は高騰しています。 この辺は、マクドナルドが今月、値上げをしたり、パン、コーヒー、バターなどの値上げが続いているニュースで、解説がされていますが。 今、物価がほとんど値上がりしていない国は日本くらいですよ。円高差益は買ってないくらいに享受しているのが実態です。
- 4649D
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輸出関連の企業は、国内工場で生産したものを国内で売る分には コストも利益も変わりません。 ただ、国内で生産したものを海外で売ると、売り上げが目減りすると 言うことです。 ちょっと前の事例で言うと、任天堂3DS。日本では25.000円でしたが、 アメリカでは244.99ドルで販売していました。 為替前提と言って、会社計画(売上や利益)を計算するときに為替を 予想します。任天堂は100円/1ドル計算で見てました。 244.99ドル×100=24.499円と日本価格と同じ価格設定です。 でも為替が円高になり77円/1ドルになると18.864円となり、 日本価格25.000円-米国価格18.864円=6.136円。 この6.136円が為替損で、単純に任天堂が損をする部分です。 このケースは任天堂の為替の見通しの甘さ(楽観的)な部分もありますが、 円高も影響します。 円安で、食品とか洋服など輸入品ををそのまま売ることができる企業が還元 できる企業です。 ただこの円高で、海外の工場で生産して日本に逆輸入というかたちをとれば 全ての商品が安くなると思います。日本で日給1万円なら、アメリカでは7.700円 の給料で済むわけです(77円/1ドルなので)。実際その流れになりつつあります。 これを産業の空洞化というのですが、日本で造っていたものを海外で造るわけ ですから、日本国内の仕事が減る=失業者が増えるということになります。 輸出企業は、コスト削減と雇用を守るの板挟みできついのだと思います。 20年前の話をされましたが、よくわかりませんが時代が違うというのもあるのでは ないでしょうか。それをいうのなら、昔は銀行の1年定期も5~6%くらいはありまし たよね。でも今は?と、いうのと同じような気もします。昔できて、なぜ今できないみ たいな(ちょっとあげあしみたいになりましたが)。 円が対ドルで1円高くなると数億円の増収がある。これは、為替だけでなく原油価格も 予想してのトータルの見通しです。ちゃんと利益がでればガソリン代は安くなるのでは ないでしょうか。 ガソリン税が53.8円/リットルなので、すごく安くなること当面ないでしょうけど。 そもそもこのガソリン税は本来26.9円。財源確保のために1974年に暫定税率が適用さ れて、延長に延長を重ねて本来の2倍の53.8円になったままです。こちらにも目を配った ほうがよろしいかと思います。
- 4649D
- ベストアンサー率60% (407/668)
原油価格を抜きにして考えた場合、石油元売りの会社に円高メリットは ありません。 それは海外(主にサウジアラビア)から原油を輸入して、日本で精製して ガソリンや灯油をつくります。つまり、ガソリンや灯油は日本製です。 円高でも精製代、人件費やガソリンスタンドまでの運搬費など、全て 日本円で行うわけですから、コストは変わりません。 ガソリンや灯油という商品を直接海外から輸入すれば円高で安くなると 思いますが、それだと石油元売りの会社に失業者が増えてしまいます。 さらに震災でコンビナートが炎上し工場が被災している企業もあります から、一概に儲かっているという話でもありません。 例えばコスモ石油の利益推移(07/3~11/3実績、12/3予想)・(単位:百万円) 07/3 26.536 08/3 35.152 09/3 -92.429 10/3 -10.740 11/3 28.933 12/3予 24.000 という感じです。 余談ですが円高メリットの原油価格は、 1年前は1バレル(約160リットル)=約75ドル 今現在は1バレル(約160リットル)=84.96ドル(約113%) ドル円は1年前約85.5円、今現在76.96円。 日本円換算(原油はドルで売買します)で 1年前は、1バレル75ドル×85.5円/ドル=6.412円 今現在は、1バレル84.96ドル×76.96円/ドル=6.538円 実は円高でも1年前より少し高いです。ただ、原油も為替も平日毎日 動くし、ガソリン価格に反映されるまで流通の関係で数か月遅れます。
- Kunfu
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日本経済新聞の8月24日朝刊には大見出しで 「円高還元なぜ進まぬ」という記事がでていましたよ。 95年当時の円高と現在の違いを3つの視点から解説しています。 非常に鋭い分析でした。 是非お読みになるようお勧めします。
補足
丁寧なご回答ありがとうございました。なるほど、円高でも決して"儲け"にはならないということですか。「円が対ドル1円高くなると数億円の増収がある。」というのは嘘なのでしょうか。経済に弱い私にはどうも納得できないのですが、では、なぜこの円高の時、輸出業界は"ひどいひどい"と嘆くのでしょうか。ご回答の理論を逆に当てはめれば「それほどひどい状態にはならない」はずではないでしょうか。それとも「経済はそんなに単純なものではない。」のでしょうか。20年以上前でしたか円高の時、石油業界ががっしりと"大儲け"をして国民から顰蹙を買い、しかたなし「円高差益還元」などということをやったのを覚えています。