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アメリカが中国に元切上げを要求する理由は?
アメリカはよく中国に通貨の切り上げを要求しているようですが、理由は何でしたっけ? アメリカって中国に輸出するものより、中国から輸入するものの方が多いんじゃないんですか?それなら元安でいいはずですよね? それとも逆に輸出の方が多かったでしょうか? あるいは、米国債を元建てで償還するとき、元高の方が安く済む、という理由ですかね?
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元が割安という事は、中国企業が輸出する製品の価格(ドルに換算)が、国際的に見ると非常に割安になるという事です。 そうすると、割安な中国製品が米国や日本などの市場にたくさん入ってきます。 そうした製品を作って販売している米国や日本国内の企業が苦戦を強いられる事になります。 ですから、例えば「全米製造協会」のような製造業の団体が「元切り上げ」を主張する訳です。 (選挙の時期になれば、このような組織の票を得ようと、議員サイドでも元の切り上げを主張する事になります。) それに加えて、米国では、割安な中国製品の流入が継続的な物価下落(デフレ)の原因となっているのではないか?との見方があって、政府も中国に対する元切り上げ圧力を強めつつあるというのが現状です。
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- Kunfu
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中国は通貨安政策をとって輸出産業を支援しています。 アメリカ企業の持っている特許を無視して安く製品を作り、世界中に輸出して利益をあげています。 そして安い製品を輸入することで、アメリカの国内産業に打撃を与え失業を生んでいるとアメリカ国民は怒っています。 日本の産業空洞化と同じことです。 打撃を受けているのは、アメリカだけでなくメキシコ、ブラジル、インドなど中国と競合する国々も同じです。 ドイツも太陽電池パネルで2005年に世界一だったQセルズが中国企業との競争に負けて倒産寸前です。 中国の為替操縦で世界中が迷惑しています。 オバマは経済成長のために輸出を増やすという政策を進めようとしています。 そのためにドル安にしたいのですが、中国が実質的にドル連動性にしているので、中国の政策をあらためさせる必要があるのです。 ところが、最近アメリカはあまり強く迫らなくなってきています。 その理由は、中国がインフレが抑えられなくなってきているからです。 中国はインフレを抑えるため金利を上げたり、貸出準備率をあげたりしていますがうまくいきません。 そこで人民元を小刻みに切り上げています。 昨年より5%切り上がり、そこに物価上昇の5%を加えて10%中国製品の価格が上昇しています。 労働力が不足しはじめて賃金が上昇するにつれインフレ圧力はますます高まっているため人民元の切り上げは続くでしょう。 賃金上昇により、中国の労働集約産業はベトナムやミャンマーやバングラデシュ等に逃げ出しつつあり、玩具産業はアメリカやメキシコに戻りつつあります。 中国は賃金上昇により「中所得国の罠」という成長の踊り場にさしかかっています。 したがって、米中構造協議でもアメリカ側は為替問題をあまり強く言わなくなってきているというわけです。
お礼
なるほど、切上げは、米中交渉とは関係ないところでも自動的に進んでいるんですね…勉強になりました!ありがとうございます!
- nasi000
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実態としてはそうですが、自由市場経済を掲げている以上、アメリカ国民に対してはそうアピールせざるを得ないというのがアメリカの政治家たちの立場という事ですね。
お礼
そうか、そうですね!分かりやすく解説してくださって、ありがとうございます!