こうなるのは時間の問題、と思ってたっすけどね。
20年位前にジェットコースターが大流行した事があったんっすよ。日本で初めて360度ループ1回転するジェットコースターが出来たらすっごく流行ってね。で、別の遊園地が360度ループをダブルで、ってやったらそっちのほうが流行って、そこに負けじと別の遊園地がトリプルでやって流行って、また別の所が4つ。。。じゃなくてダブルにひねりを加えて流行ったのね。
ところがこの流行のスパンは長くて1ヶ月と、オッソロシク短いもので次から次に『より過激に』を狙って、乗るほうは1ヶ月で飽きちゃう、っつー流れっすね。
こういうのを経済エコノミストとか社会学や心理学の学者さんなんかは『ジェットコースター理論』っつったのね。20年前には良く使った言葉っすよ。
で、あれから20年。。。散々過激なジェットコースターを新築増築改築を重ねた遊園地は軒並み閉演。生き残ったのはっつったら。。。そういうのに一切手を出さなかった浅草花やしきと20年前新参者だった東京ディズニーランドっすね。
レクサスなんかも見事に『ジェットコースター理論』に当てはまる戦略で今までやってきたっすからね。
今まで見た事ないような、手塚治虫か藤子F不二夫の漫画に出てくるような夢の仕掛けを載せて気分はジェームス・ボンドかバットマン、ってテンション上がるからレクサスって売れてたんっすよ。なめらにスゥ―――――。。。っと走ってテレビやナビや電気仕掛けのシートや世界最新鋭の電子機能を搭載して、って言うのがとても刺激的だったわけっすよ。
だけど大体出尽くしちゃった。そこにレクサスの装備をパクッてさらに安価な生産体制で打って出てくるヒュンダイや、レクサスで出尽くした最新鋭電子機能のトラブルを見切ったメルセデスやBMWなんかにやられちゃう。レクサスはイイ感じで当て馬にされてたっすね。このままレクサスに『刺激』を与えるにはもっと面白機能を載せるしかない、けどネタはほとんど枯渇してるっす。だからトヨタとしては『ハイブリッド』に躍起なんっすけどね。
景気がいい頃は刺激を追っかけてるだけでもイイんっすけど、今みたいな不景気ではむしろ足かせになっちゃう。そこに気づいてないからチョイ景気がイイ韓国にやられちゃってんだよね。
レクサスと家電に限って言えばね、もう新しい何かっつー『刺激』はもういいから、熟成させる事が求められてんだよね。
次から次におニューのモデルにするんじゃなくてね、不景気の頃に必ず求められる『安定』『安心』を追及してひとつのモデルをじっくり完成させていく事が求められてるんっすよ。ドイツ勢のエンジンの縮小化ってそういうことでしょ?熟成させて「昨日までの2000ccの性能が今日は1400ccでお楽しみ頂けます」ってわけだから。
遊園地の例でもね、「ウチはそういう毛色の遊園地じゃねえから」っつって頑固に木製ジェットコースターにアナログな遊具を熟成させてったでしょ?東京ディズニーランドだって、「ウチはネズミのワンダーランドだから」っつって自分たちの世界観を熟成させてったでしょ?
もうね、レクサスはリアルにクルマとして熟成させなきゃいけない時なんっすよ。いつまでもビックリ玉手箱か金のエンゼル銀のエンゼル、ってワケにゃあいかねえんっすよ。そういうのはチョイ景気がイイ韓国か中国にでも任せとけばいいの。フルモデルチェンジとか後回しにして、じっくりひとつのモデルを熟成する方向にシフトしないと生き残れないと思うっすよ。もっとも日本車がそっちにシフトしたらパクッてる韓国や中国もそっちに流れそうっすけどね。
実はそうなったらそうなったでレクサスに分があるんっすわ。だって、パクッたほうは値段でしか勝負できないから質を落としてくるでしょ?新幹線の例と一緒っすよ。質で勝負してるところで質落としたらああなっちゃう。もう『熟成』したほうがイイと思うんっすけどね。
こういう事、20年前からずーっと指摘されてた事だけどね。「トヨタはフルモデルチェンジが早すぎる」「もっとモデルを熟成させるべき」って。ただ言ってたのが松任谷由美の旦那と徳大寺とかでしょ?それじゃ聞き流されちゃうよね、そこに真実があっても。何このMen In Blackみたいな設定。