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年金財政
保険料を引き上げても、年金財政が改善されないのはなぜですか??
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年金財政が改善しない理由は大きいものでは少子化、高齢化、デフレだからです。 年金は現役世代の保険料を老齢者に仕送りする賦課方式という仕組みで運営されています。かつては出生率が高く寿命が長くなかったので、現役・若年世代が多く老齢者は少なかったので一人当たりの保険料が少なくても十分年金として仕送ることが可能でした。 しかし出生率が低下し人口を維持する水準を下回るようになる一方で平均寿命は医学の進歩などで世界一になるまで延びました。生まれる子供が減るのでお年寄りが増えるのですから現在の年金の仕組みで運営するのは難しくなります。 また年金は上記のように現役世代が稼いだお金の一部をお年寄りに分け与える仕組みでもあります。実は稼いだお金が十分に多ければお年寄りに分け与えるのは楽になります。 しかし現実には物価が下落し、現役世代の所得が伸びず消費も伸びないということで現役世代が稼ぐお金は増えずむしろ減りつつあります。稼ぐお金が減るので現在の年金の仕組みで運営するのはやはり難しくなります。 この状況を打破する為、04年に行われることが決まったのは3つです。 ●現役世代の年金保険料を段階的に引き上げ ●お年寄りの年金を現役収入の6割から5割に引き下げ ●基礎年金の国庫(=税金)負担率を1/3から1/2に引き上げ つまり年金財政側から見れば収入を増やし支出を減らし、足りない部分は税金で補うという話で政策としては王道です。しかし現状で予定通り進んでいるのは一番上の現役世代の保険料引き上げだけです。 2番目はマクロ経済スライドという仕組みで、年金の受取水準を段階的に引き下げる予定でした。しかしデフレ時にはマクロ経済スライドは実施しない規程になっておりほとんど機能せず受取水準は上昇しています。 3番目は国庫負担率は引き上げられましたが財源が未定で持続できるか問題があります。現在のところは特別会計の積立金(いわゆる埋蔵金)で補っているのが実情です。 なのでまず年金財政を改善するには上記の政策を少子化対策を行い少子化を改善しつつ、マクロ経済スライドをデフレに関わらず実施し、国庫負担金分の財源を設定し、年金は大丈夫という形にすることです。ただ04年より状況は悪化しており、支給年齢の引き上げなどは考える必要があります。 なお抜本的に積立方式への変更やベーシックインカムなどが叫ばれていますがこれは大変な困難を伴います。まず積立方式は急な景気変動やインフレに極端に弱く、高齢化の前では無力です。そしてベーシックインカムは支給額の設定が難しく、高額にすると財源の目処が立たない問題があります。 将来的に部分的移行は考慮しても良いでしょうが今すぐというのは無理があります。なので現行制度を手直しして運営していくというのが本筋です。なお現行の制度を続けていく上では他にも厚生年金と共済年金の一本化、3号問題、保険料未払い問題なども年金財政上ではやや細かい問題ですが片付けていく必要があるかと思います。 参考になれば幸いです。
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- rikukoro2
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少子化が進んでいるからです。 今の年金は戦後の人口増加が急激に進んでいる時代に作られたものです。 つまり『少数のお年寄りを多くの若者が支える』というのが前提でした しかし少子化が進み出生率が2.1を切った場合のことは想定していませんでした。 現状の1.4という出生率ではどんなに保険料を引き上げても、絶対に改善されません。 現状の出生率が続くのあれば100%破綻するのです。 それを改善するためには2つ 支給年齢を大幅に引き上げるか、年金制度そのものを一度破壊して、払った人間がそのまま受け取るという形にしなくれはなりません
お礼
回答ありがとうございました。
お礼
参考になりました。回答ありがとうございました。