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98年から自殺者数が3万人をこえた理由
警視庁の発表した自殺統計を見ると、97年には24391人だった自殺者数が、98年から突然32863人に跳ね上がり、翌年の99年に至っては、33048人を記録しました。いったい、この期間に何が起こったのでしょうか。また、自殺者数は98年から去年に至るまで3万人を維持し続けていますが、その原因はどのような点に求められるのでしょうか。 しきりに不況やリストラなどと言われてますが、私にとっては、わかるようでわからない、しかしとても気になる社会現象です。学術的な見解でも一向に構いませんので、ご存知の範囲でご回答をお願いします。
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こんはんは。 推測に過ぎませんが、1993年に導入された住宅ローンの 「ゆとり返済」制度によるものではないでしょうか? 生涯年収が上がって行くものと想定された金融商品ですが、 93年に支払いを開始した方々の支払い額がぐっと上がるのが98年です。 その当時から景気が良くなっている筈もなく、 雇用情勢・給与体系も、年功序列は崩壊しつつあります。 そんな中、リストラ・ボーナスカットなど、マイナス要因が次々と重なって住宅ローンの支払いに困り・・・ というケースが考えられませんでしょうか。
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- occured
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皆さんの意見は一通り拝見させて頂きました。 nes_さんのおっしゃっている通り、戦後不況では自殺者は少なく、現在の不況では自殺者が多いと言う事に着目して話します。 実は、ある本で心理学者が話しているのを見たことがあるのですが、通常不況時には自殺者は減るそうです。なぜなら、貧乏暇なしだからだそうです。自殺を考慮するほど、暇ではなくなるのが貧乏だそうです。 確かに今現在は不況です。しかし、不況だからといって、貧乏暇なしではなくなっているのだと思います。というか、貧乏ではないと思います。なぜなら、この不況の世の中で餓死する人が自殺者を越えるでしょうか?餓死しているケースというのは、非常に珍しいといえると思います。 例えば、ホームレスですら、めったに餓死はしないでしょう。それが日本の現状だと思います。 リストラによって受ける影響というのは、経済的な面も多いでしょうが、喰えないほどでもないと思います。では、何が影響を受けるかというと、自尊心だと思います。会社という組織の中で、自分を表現してきた人間にとってリストラとは、その自分を否定される行為だと思います。今まで、○○社の××さんと覚えられていた個人がリストラされると、いきなり××さんに戻ってしまう。その不安感が大きいと思います。 思いますばかりで、はっきりとした答えではありませんが、これは私個人の見解とでもいう事です。
お礼
まったくそのとおりだと思います。私たちは決して極貧などではないんですね。それどころか、余計なもの(物質的なものに限らない)が多すぎて、逆に乾きがたい欲望と焦繰感を煽ってしまってしまう皮肉があるのではないでしょうか。価値観も多様化しているとはいえ…結局はわかりにくい、まがい物が多くなっただけような気もします。 「自尊心」というのは私にとっては新鮮な視点でした。 ところで、不況下の自殺率の低下については、社会学方面ではデュルケムが「貧困は自殺を抑止する」という事実について、また、戦時下における自殺率の低下(これは日本において顕著)についても検討を加えています。いずれにおいても、人間がエネルギッシュな時代におかれている状態だったと思います。ありがとうございました。
- tauhon
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こんにちは。 これは98年に何かがあったわけではなく、漠然とした将来への不安が原因であると考えます。簡単に言ってしまえば、「生きる意味」が不明瞭になってきているのです。 今は悪いものを悪いと言った人が損をする世の中にあります。「何をしたらいいかわからない」人も多いでしょう。 そして地球上には60億以上の人が溢れています。内面の問題として、食料が足りていても満たされない人々は多いのです。 答えになっていないようですが、これが私の答えです。
お礼
私もまったくその通りだと思います。 >「何をしたらいいかわからない」人も多いでしょう。 裕福になりすぎ、つまり、ある意味で余計なものに囲まれすぎているからではないでしょうか。デュルケムは『自殺論』において、「貧困は自殺を抑止する」という点にも触れています。なお、97年と98年の間にある8千人の開きの要因については、#1の方のご回答に信憑性を感じています。 ありがとうございました。
- syakeomusubi
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高橋祥友著「中高年自殺」(ちくま新書)に興味深いデータが載っています。97年と98年の、自殺者数に関する比較です。 マスコミでは「50代男性の自殺が急増」と報じられています。確かに50代男性は前年比1.5倍強ですが、これは増加率の第2位です。第1位は10代の女性で、1.7倍弱。ちなみに男女合わせると、自殺者の増加は、50代よりも10代の方が上回っています。 50代男性の自殺原因は、確かに不況やリストラといった生活苦が大きなウエイトを占めていると思いますが、10代に関しては、ちょっと違う。 なぜ10代の自殺が増えたのか。 私は、将来に希望がもてなくなっていることが最大の原因だと思いますが、併せて、日本人の倫理観、「挫折したり、壁にぶつかったりしたときに、惨めな姿で生きるより、潔く死んだ方がマシ」という感覚があるように思います。 つまり、社会情勢が厳しくなり、挫折感を味わう機会が増えたこと、将来に希望がもてなくなったことで、若者が自殺に走りやすくなった、というのが、大きな要因ではないでしょうか。
お礼
高橋祥友さんのは『群発自殺』を読んだことがあります。『中高年自殺』も読んでみようと思います。たしかに、若年層の自殺が顕著ですよね。死因のトップを占めているとか。なるほどね。 >日本人の倫理観、「挫折したり、壁にぶつかったりした >ときに、惨めな姿で生きるより、潔く死んだ方がマシ」 >という感覚があるように思います。 これは私の考えていたことと逆だったので、意外でした。忍耐強く、耐え忍ぶ、がんばる、というのが日本人の美風で、それが壊れてきたから安易に自殺という選択に走るようになった、と単純に考えていた面もあったのですが。でもたしかに、潔し、というのも日本の美風ではありますよね。そういえば、社会学者の祖デュルケムの『自殺論』でも、「日本人がまったくつまらない理由で自殺をすることは有名である」というようなことを書いてましたね。つまり切腹のことですけど。いずれにしても、これは興味深いポイントになりそうです。 それにしても、10代にも、そういう日本人特有の意識が、しっかりと継承されている面もあるということなんでしょうか。先のデュルケムは、「それぞれの社会には固有(一定)の自殺死亡率がある」と言っていますが、日本特有の「潔し」という感覚が自殺統計に一躍かってきたとすれば、その立派な証明になるかもしれませんね。 ありがとうございました。
- apple-man
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>しきりに不況やリストラなどと言われてますが、私にとっては、わかるようでわからない、 以前NHKで、自殺した人の遺書を朗読すると いう異例の番組をやっていました。自殺する 人の心境を少しでもみんなに理解して欲しい というのが目的だったようですが。 遺書の内容にはいろいろなものがありましたし、 自殺に到る要因は2つ3つ、何か良くないことが 重なってというのが多かったですが、切っ掛けは やはり失業というものが目立ちました。 失業してなかなか次の仕事につけず いらいらしているところに家計のやりくりで 奥さんと喧嘩が続き、離婚。その後子供が 病死・・・ 遺書の中ではつまらないことで怒鳴りつけて 悪かったとか、子供ともっと楽しい時間を 過ごしたかったということが奥さんに向けて 長々とつづられていました。 しかし日本の失業率は悪くなったとは言えまだ5%台。 アメリカは景気がよくなったと言われたときでも 10%くらいの失業率なんですね。 一般的にリストラが自殺の切っ掛けになるなら、 アメリカのほうが大問題になってもいいはず。 問題は日本の産業構造と、日本人の意識なんです。 2,3年前の数字ですが、アメリカの平均失業率は 3ヶ月。日本の平均失業期間は3年。 つまり、日本では失業率はアメリカより低いが 一度職を失うと、再就職は難しく、できても 無職の期間も長いことから一から出直し。 以前より低賃金のならざるを得ないという 傾向があるんですね。 これは多くの企業が未だに年功序列、終身雇用 の維持に躍起で、業績の悪化から解雇をすることが あっても、中途採用などに消極的なためです。 またこれまでの日本は評価ということに 消極的で、工場労働者などよくやったと おだてられていることが多く、世間一般にも 1億総中産階級などという言葉が出てくるほど みなそう大差がない、そして自分はわりとよく やっているほうだ。だから今まで失業などしたことが ないという意識が広がっているので、 多くのサラリーマンは、真っ先に自分の肩が 叩かれたりすると驚き、失望が大きく これにさらに何か悪いことが重なると 先の遺書の例のように自殺に繋がって くるものと思います。
お礼
ご紹介いただいたNHKの番組は、私も見たことがあります。しかし、自殺の理由として、私自身が納得できるものはほとんどありませんでした。もちろん、遺書などでは表現しきれなかったその人自身の葛藤や苦悩があったわけで、動機不十分などと言うつもりはありませんが、あげられる動機はすべて「経済問題」に集約されるという意味で、ほとんど大差がないからです。そこには物質至上主義の末路がある気がします。それはただ「貧乏だから」というのではなく、物質主義に価値観のウェイトを置くことよる他の大切なものへの動揺の波及ですよね。つまり景気が悪くなれば、すべてが悪くなっていく。もちろん、景気の波(好況と不況の繰り返し)といった、ごく単純な中長期的展望を持つことすら難しくなっていることも見逃せませんよね。 >多くの企業が未だに年功序列、終身雇用 >の維持に躍起で、業績の悪化から解雇をすることが >あっても、中途採用などに消極的なためです。 年功序列とか終身雇用という既存の伝統的雇用体系(価値観)の崩壊が中高年の絶望を招いている、という一般論の一方で、そういう厳然たる現実もあるわけですね。なるほど、やり直しのきかない社会なわけですね、日本は…。 興味深い知見をありがとうございました。
- abichan
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確かに、自殺者が急激に増えたのは5年前の1998年からですね。この年の自殺者はご指摘の通り32,863人で、前年より8千人以上も増えてます。1998年は経済がマイナス成長となった転機の年であり、「経済・生活問題」が自殺理由としてこの年から徐々に増えてきています。 毎年、自殺の理由としては「健康問題」が一番多く、全自殺者の半数近くになります。これは1997年以前も以降も同様です。しかしながら見逃せないのが、「経済・生活問題」の増加が著しくなっていることですね。2002年は、「経済・生活問題」理由の自殺数が最も多かった2001年の6,845人より1,095人上回って7,940人となり、全自殺者の4人に1人が「経済・生活問題」を占めています。 2002年のデータでは、なかでも負債(4,143人、前年比664人増)、生活苦(1,168人、前年比232人増)、失業(683人、前年比117人増)の3つの理由が増えており、不況やリストラなどが色濃く影響していることが考えられそうです。 全自殺者を年齢別に見ると、60歳以上が最も多く3人に1人(11,119人)、年代が低くなるごとに少なくなってはきていますが、「経済・生活問題」を自殺理由にあげる人は30~50代に最も多いという特徴があります。 nes_さんのご指摘の通り、1998年より自殺者が増えた理由として不況・リストラは主要因のひとつでしょう。また高齢化が進んでくると健康問題の自殺者数も比例して増えるでしょう。 http://www.ipss.go.jp/Japanese/newest02/newest02.html 総じて社会・会社・家庭トータルでのメンタルヘルスのケアーが重要ですね。
お礼
具体的な数値を示していただいて、ありがとうございます。大雑把に言うと、健康問題という従来の自殺傾向に、ここ10数年の景気動向が絡んだ結果ということなのでしょうか。いずれにしても、当面はメンタルヘルスの問題になりそうですね。それにしても、景気動向と密接しているのは紛れもない事実のようですが、貧乏だけで人が自殺するなんてあり得ませんよね。戦後復興期は極貧状態であったけれども、自殺者は少なかったようですから。価値観が多様化し過ぎているのかな。
お礼
こんばんは。なるほど、それは一つのきっかけとして大いに考えられますね。そこからいろいろな経済的要因が絡み合ってきて、さらに既存の価値観も崩壊していく。98年はタイミングの悪い年だったわけですね。とても参考になりました。ありがとうございます。