空気は水に比べると熱伝導率がかなり低いので、ある温度の物体、例えば50℃の鉄の塊があるとします。これを30℃の空気中に放置した場合と、30℃の水中に放置した場合どちらが早く冷えるでしょうか?もちろん水中の方が早く冷えます。これは空気と水の熱伝導率の違いと、同じ体積の空気と水を温めるのに必要な熱量の違いによる物です。空気では体の表面に触れた部分の空気はすぐに温まってしまいますが、水ではそう簡単に温まりません。また、空気は熱伝導率が低いので、体の表面に触れた空気の熱がその周囲にある空気に伝わるのが遅いので、体の周りの空気はなかなか冷えてくれません。水では水自体が空気よりはるかに温まりにくい上に、温まっても熱伝導率が空気よりよいため、すぐに回りの水に熱が伝わってからだの回りの水はいつも冷たい状態です。これが、同じ温度でも暑く感じたり冷たく感じたりする大きな要因です。空気中では単に空気に熱を伝えるだけではオーバーヒートしてしまうので汗をかいて、汗を蒸発させることにより気化潜熱による冷却を併用しています。もちろん水中でも汗はかきますが、潜熱による冷却は水中では期待できません。従って周囲温度が体温よりも高いときは空気中の方が放熱は有利になり、水中では不利になります。例えば40℃のお風呂に入っていると体温は徐々に上昇していき、やがては40℃にまで上がってしまいます(これは汗をかいて潜熱による冷却ができないため)が40℃の空気中ではそのようなことはありません。もっとも汗が出ないような脱水状態では体温は上がり放題ですが・・・