日本の今後の電力供給はどうするか?
現実的にどのようにして電力を補っていくのが理想でしょうか?
技術発達による将来性や世界情勢などあらゆる面を想定して具体的にお答えください。
一般的な各発電のデメリットは以下のようになると思います。
・火力発電=第一にCO2大量排出という問題。日本においては温暖化はさほど問題にならないが、生態系の変化や水位の上昇により世界的には大問題となる国が多数ある。
第二に燃料枯渇の問題。石油、天然ガスは数十年が限界とみられており、石炭はまだまだあるものの、CO2排出に拍車をかけることになる。
エネルギー効率はすでに限界に近い状態であり、技術的な革新は見込めない。
・水力発電=人のいない川の上流に設置するため維持費・設置費が高いうえに、大型水力発電を設置出来るような場所は日本にはもうほとんど無いと言われている。生態系へのダメージも大きい。
近年ではマイクロ水力発電の技術が発達してきており将来性はあるが、こちらもコスト面の問題が大きいため、どのようにして技術を発展させていくかが課題。使用しなければ技術は発達しない。
・太陽光発電=コスト高は我慢するとしても不安定供給の問題が大きい。雨の日の発電量は晴れの日の10分の1、夜はほぼ発電出来ない。
面積あたりの発電量にはまだ向上の余地があるが、それにも物理的な限界があり、日本のように国土の狭い国では大規模発電所としての設置は難しい。家庭用として普及しやすいが、日本には台風という難敵も存在する。
蓄電池、揚水発電との併用により安定供給を行う技術への将来性はあるが、家庭用としてはあまりにもコストが高くなりすぎるため実用化までの道のりは長い。
・風力発電=日本には安定した風力を得られる地形が少なく、こちらも不安定供給の問題が大きい。
近年では洋上発電により安定的な風力を得る技術も開発されてきているが、コストの問題はもちろん「強風に弱い」という特性により台風からどう守るかという問題もある。
欠点がコストと耐久性という面に限ることを考えれば技術的な将来性は高いとされる。
・地熱発電=火山大国である日本においては有力な発電になり得るが、「温泉」という文化のために設置場所が極めて難しい。
また火山大国である先進国が少なく、ほとんど日本だけで技術確立をしなくてはならないので技術の発達が遅いうえにその技術を海外に販売することも出来ず、結果的にコストは高くつく。
・原子力発電=あまりにも事故時のリスクが大きすぎることが最大の欠点。
特に地震大国である日本においては事故を防ぐことは極めて難しいことが証明された。
事故以外にも、少ないながらも放射性廃棄物による汚染の問題も有り。
ただし、核エネルギーの研究は「核融合発電」というクリーンかつ安全で大量安定供給する最高の技術を確立する可能性を秘めており、技術的な将来性は極めて高い。
また、放出されてしまった放射能についてもバイオ技術により少なからず除去する方法が確立されてきている。