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SAAB車の素敵なところについて
SAAB車の良いところを教えてください。 SAABについては、元スウェーデンの会社だということは分かりますが、 どんな特徴があるのかというところでは詳しく知りません。 個人的なイメージ他としては ・スウェーデンといえばVOLVO。SAABは知名度的にイマイチ。 ・航空機も作っているが、自動車部門はGMへ売却。 (その後更にGMも売却?) ぐらいです。 ネガティブな内容はいりません。 SAABという車はこんなところが素敵なんだよっという ポジティブなお話を頂けると助かります。
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>SAABという車はこんなところが素敵なんだよっという ポジティブなお話を頂けると助かります。 それではまず技術史から。 ※今日では常識となっている前輪駆動方式は・・・世間では(特に日本では)英国のBMC社のミニ(後のローバー・ミニ)が最初の前輪駆動の量産車と言われていますが、実はサーブはミニの発表より9年も前の1950年に前輪駆動車の販売を開始しており、これは史上初の前輪駆動量産車・シトロエン(トラクシオン・アバン)に継ぐ、カーメーカとして史上2番目の快挙です。 しかもその構造は、今日では一般的なエンジンを最前端に置く配置で、現代では廃れてしまったシトロエン方式(トランスアクスルという形式の変速機が最前端に置かれています)とは違いました。 ※現代に於いては、前輪駆動方式はコストダウンの為に発明されたと思い込んでいるヒトが大多数ですが、サーブは操縦安定性向上の為に前輪駆動を採用しました。 事実、BMCミニのクーパー・バージョンが登場する以前の国際ラリー選手権(現代のWRC)に於いて最速のクルマの一台が、わずか750ccほどの排気量のサーブ92や93でした。(馬力的に劣る小さいエンジンのサーブがラリーで強かったのは、優れた操縦性のおかげでした。) ※車体のスタイルを決定する為に本格的に風洞実験を実施した最初のカーメーカがサーブです。 その為、最初の市販サーブ車である92型のCD値(=空気抵抗係数←数値が小さいほど空気抵抗が小さい)は0.30です。これは21世紀の今日に於いても驚異的な数値で、サーブ92より空気抵抗が小さいクルマは多くはありません。高速走行での(速度無制限のドイツの高速道路、アウトバーンは既にありました)、良好な燃費と低い風切音が容易に想像されます。 ・・・以上の様な技術的バックボーンを持つのがサーブ車で、それは近代・現代でも生きています。 ※優れた操縦性を持つ前輪駆動車というと、今日ではVWやアウディなどドイツ車が上がりますが、サーブはドイツ車と明確に違う独特の操縦性を持っています。これはドイツ車とサーブのどちらが優れているか?っという様な単純に優劣が付けられるレベルの話では無く、『前輪駆動車のベストな操縦性はどういうモノか?』という考え方の違いによるものであり、サーブがドイツ車より操縦性で劣るという話ではありません。 旋回性能にやや振り過ぎた感のあるドイツ車の操縦性や乗心地がピンとこないヒトには、サーブはお勧めです。 ※同郷のボルボと比較すると・・・ まず操縦性や乗心地。 これはスキ/キライが大きく作用する分野ではありますが、ワタシ個人はボルボよりサーブの方が概ね優れていると評価しています。 次に流体力学(空力学)では。 歴史的に見て、サーブが空力を車両開発の重点項目の一つに据えている点はボルボとの違いです。ボルボも前輪駆動化されてからは空力が驚異的に進化しましたが、この分野の研究の歴史は決して長くはなく、サーブが勝っている点の一つと言えるでしょう。 さて、ボルボというと衝突安全性ですが。 ボルボはダイムラ(メルセデス)と協業体制を築いていた時代もあり、EUの衝突安全基準確立の中心的カーメーカの一つですが(衝突安全技術で世界的なリーダーであるのは、ボルボが絶対的に優位な点です)、一方サーブは、GMグループ時代にドイツのオペル社と共にグループ内の衝突安全の技術標準をリードする立場にあり、決してボルボに劣るという事はありません。 ・・・っというワケでサーブは、ジャガーやキャディラックなどに代表される英国型・北米型の『心情的・官能的に秀でたクルマ』というより、ベンツやBMWの様な、『学問的に優れたクルマ』と言えるでしょう。
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- tm_tm
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滅多に見かけない事です。
お礼
あははははははは(大笑 それはホント大事な要素ですよね。 端的明白なコメントありがとうございました。
- ウラ漁師(@uraryoushi)
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SAABを初めて見た時は純粋に『衝撃』だったっすね。 っつーのもね、ゼロ戦ライブで見たっつー今は亡き俺の伯父さんのゼロ戦狂のおかげで世界の戦闘機が大好きだった少年時代、航空機メーカーのほうのSAABが作った37ビゲンと39グリペンっつーSTOL(短距離離着陸)戦闘機(添付写真)を図鑑で初めて見て「なんじゃこりゃ!」だったんっすよ。だってね、主翼が後ろで水平尾翼が前だよ。普通、ゼロ戦だってメッサーシュミットだってF4ファントムだってミグ25だって主翼が前で尾翼が後ろっつー黄金律は崩さなかったのに。なんかね、スタートレックとかスターウォーズや宇宙戦艦ヤマトに出てきそうなUFO的な感じで、子供心では宇宙人襲来くらいの衝撃だったっすよ。 で、時は過ぎて免許取って仕事で初めて自動車のSAABを見た時の衝撃っつったら、37ビゲンや39グリペンの比じゃなかったっすね。なんか、古っ臭くて。。。でも、しょうがないよね、ビゲンやグリペンが掟破り過ぎたから。一般的にはカタログか何かに『戦闘機メーカー』って書いてあったから薄く知ってる程度だけど、後ろにあるモノが前にあるよ、のビゲンやグリペンを最初に知ってからクルマのSAABっつーと見る前からグングンハードル上がって頭ん中でものすごいモノになってて、実際に見ると「あれ???」ってなっちった。 なぁんかね、当時日本にSAABが初めて入ってきた頃だったのかな、センセーショナルを前面に出したCMとかあったっすけど、その割にゃ当時のVAG(フォルクスワーゲン)ゴルフ的な『壁』のインパネにキノコ的なATシフトレバー、強い曲面のフロントガラスとか見てて。。。なんか、昔の馬車みたいだね、ってのが第一印象だったっす。俺みたいな(当時の)若ゾーには似合わない、おじいちゃんのクルマだな、って。 でもね、運転してみると、イイのが伝わって来るんっすよ。「何が良いんだよ?」って聞かれても答えられないんだけど、なんかイイ。。。本当にイイ奴って最初はそういう感じなんっすよね。 でもね、基本GMのプラットフォーム・イプシロンを採用しているからドイツのオペル・ベクトラなんっすよ。イプシロンの開発はほとんどオペルで、GMは権利のために金出してただけっすから。ボディと内装だけSAAB丸出しなんだけど、あとはベクトラです。この手の流用は意外と置くて、最近じゃアルファロメオやマセラッティがプラットフォーム・イプシロン採用してるっすね。実は優秀なプラットフォームなんっすよ。 でもそれだけでクルマ作るの癪だからっつーSAABの意地が自社製ターボユニットだったりするんっすよ。これが戦闘機メーカーの血統だけあって世界レベルでトップクラスのターボなんっすよ。ジェットエンジンの応用っすからね。それもSTOL(短距離離着陸機)メーカーだから加速は良くて当たり前。ターボが悪いわけがねえっす。 それにね、『壁』のコックピットなんかコストを抑えるだけの(当時の)VAGの奴と違って戦闘機的っすよ。知らない人は気が付かないけど、大昔のゼロ戦や隼やムスタング(アメリカの戦闘機)やフォッケウルフなんかを彷彿とさせるっすよ。見やすさ重視で戦闘機メーカーが作りましたっつー感じなんっすけど、どっちかっつーとプロペラ時代の戦闘機のコックピットのセオリーで作られてるから視認性はイイんっすけど俺みたいな戦闘機少年だった人が見ると「なんか、古っ臭いなぁ。。。」ってニヤッとするんっすよ。もちろんイイ意味で。だから自動車のセオリーの2DINの配置とか、完全無視っすから、ね。 だからね、実はSAABってすんげえ硬派なクルマだったりするんっすよ。元々第2次大戦後戦闘機メーカーはこぞって自動車産業にシフトしたし。日本でもゼロ戦の栄エンジンや一式戦闘機『隼』の中島飛行機は分社して富士重工とプリンス自動車(後に日産に吸収)になったしフォッケウルフのエンジン作ってたのがBMWだし(有名なメッサーシュミットはダイムラーベンツで英スピットファイアのエンジンはロールスロイスだけど、その辺はあんまり考えないようにするっす)。。。なんか、言われてみると似た臭がするでしょ?撃墜王臭っつーか、やる時はやる臭っつーか。。。 見た目がエレガントなだけに伝わり辛いけど、かなり攻撃的なクルマっすよ。
お礼
お礼が遅くなり申し訳ありません。戦闘機の解説もありがとうございます。こういった話も実に大好きです。ニヤリとしてしまいました(笑。 SAABといえばドラケンも実に変な形をしてましたよね。かなり昔の設計なのに、カナードといいSTOL性能といい実に先進的な機能をもっている「知る人ぞ知る」みたいなメーカーですよね。確かに昔の富士重工に近い匂いを感じさせます。はい、実に素敵ですっ! ターボのSAABですか、いいですねー。乗ってみたくなりましたよ。
- xiansui
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サーブ・オートモービル(SAABの自動車製造部門)は、GMの完全子会社となり、現在は「スパイカー・カーズ」の傘下となっていて、SAABとのあいだに直接の資本関係は無くなっています。 その特徴は、北欧であるスウェーデンのメーカーという事で、「VOLVO」と同様に、安全性能に対して積極的な取り組みをしているのがSAABの良心的な所でしょうか。 (他社に先駆けて、アクティブヘッドレストを採用したのがSAABだったりします。) SAABで最も特徴的なのは、やはりメインキーの位置だと思われます。インパネやステアリングコラムではなく、センターコンソールのシフトレバー後方にあります。 これは、ちょっとした事故でもキーで膝を怪我する事があるので、それに対する安全策として40年以上も前から、この位置にあります。この辺りもSAABの良心と言っていいかもしれません。 後は、元々スウェーデン国営の軍用機製造業が出自の為、各車が空力を研ぎ澄ましたボディ形状というのも、SAABの個性であり、航空機メーカーが出発点としてのコダワリだと思います。 (VOLVOと共に、「スカンジナビアンスタイル」とも言われますよね。) 特に、高速走行時の安定感というのは、空力を追求しているからだと思われます。 今年は、「9-5」や「9-4X」の日本導入も予定されており、新生SAABとして頑張って欲しい所です。
お礼
お礼が遅くなり申し訳ありません。 確かにメインキーが変わった場所にありますね・・・・。なるほど、そういう理由でしたか。変なコストダウン等々で古くからの伝統を捨ててしまう会社もある中で、そういったポリシーを時代に流されることなく、ずーっと大事に持っている会社って素敵だなと思います。 新生SAAB、がんばって欲しいですね。
お礼
お礼が遅れて大変申し訳ありません。 技術史、大変興味深く読ませていただきました。LB05さんの文章とても素敵ですね。なにより一方に偏ることなく非常に客観的に解説頂いている所がとてもわかりやすく、こちらも客観的に判断できるのでとても助かります。 やはり、航空機メーカーあがりの自動車屋は、物づくりに対する考え方が一味違いますね。なかなか大衆受けさせるのは難しいかもしれませんが、こういう素敵な出自があるんですから、その辺りを前面に押し出せば分かる方には分かると思うんですよね。 わたし個人的にはこういう「濃いい」会社は大好きです。