まあ、原子核の周りの電子の喩えは不正確な情報でしょう。量子力学的に言えば「確率的に分布している」ということになります。イメージを図示すると、原子核の周りに雲のようになっている感じです。
それはさておき。確認されている超光速はあります。代表的なものが、量子力学でいわれています(対になった二つの粒子のスピンなど)。過去には、アインシュタインなどがそれを否定しようと反論していますが、失敗に帰しています。
ですので超光速はあってもいいのですが、制限があります。情報などの「因果関係」を伝えることができないのです。もし光速より少しでも速い通信手段があれば、工夫次第で未来から過去へ情報が送れます。それは無理、因果律は破れない、ということです。
他の超光速についても少し。
宇宙は膨張しています。これは地球から遠方の恒星や銀河を観測すると、遠いほどドップラー効果が強いことから、遠い星ほど速く遠ざかっていることが分かりました。こういう速度を後退速度といいます。充分遠ければ、光速を超えます。超えても構いません。空間自体の速度ですから。そして、光速を超えた後退速度の星は観測できません。もちろん、行き来もできません。超光速の星は我々とは無縁です。
ブラックホールは事象の地平面という境界があります。それより内側では超光速で物質が中心に向かって落ちていきます。でも、事象の地平面からは、何も(光すらも)出て来れません。ですので、事象の地平面の内側は、我々とは無縁です。
どうも、なぜだか超光速といった因果律を破りそうなものから、我々は守られているようです。このためか、ホーキングは「時間順序保護仮説」といった説、ペンローズは「宇宙検閲定理」といったものを提唱しています。
お礼
分かりやすくご説明いただきありがとうございました!