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トランスジェニックは交配で導入遺伝子消失?

現在トランスジェニックマウスを作製して行動を見てます。 でも交配するごとにphenotype(多動性とか)がなくなったように思います! 実際に交配で導入遺伝子がなくなるとかそういう報告はあるのでしょうか? また、ノックアウトマウスだと交配してもなくなることはないと聞きましたがどうなのでしょうか? 教えてください! よろしくお願いします!

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  • negigi
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回答No.2

>もらった動物の行動解析のみをしている その場合でも、genotypingは自分のところでしておくべきですが、もちろん、してますよね。以前、知り合いが供与してもらったTGマウスについて、先方はTGホモだと言っていたにも関わらず、いざ交配すると、PCR結果からTGのバンドが消えたことがありました。不思議でもなんでもなく、貰ったマウスが実はヘテロだっただけの話です。 トランスジェニックは、変異遺伝子なりマーカー遺伝子なりをゲノム中にランダムに導入するわけです。それゆえ、たいがいのgenotypingでは、変異遺伝子の有無を確認するのみです。だから、ホモかヘテロかは、その子孫のgenotypeで判断するしかない、という場合が多々あります(だから、めんどくさい)。 一方のノックアウトの場合は、変異の入った場所がはっきり分かりますから、PCRだけでも、ホモ変異かヘテロ変異かの判別は容易に行えます。そのあたりは、なんとなくでも分かりますか?だから、確実にホモホモ交配を行えるので、genotypingしなくてもよくなる場合もあるのです。 >こういった認識は正しいのでしょうか 正しいか正しくないか、でいえば、まあ、正しくないです。 TGの目的は、過剰発現の他にも、上に書いたように、発現マーカー遺伝子の導入だとか、いろいろあります。だから、変なphenotypeを期待するものもあれば、そうでないものもありますね。 さらに、遺伝子というのは実に気まぐれで、過剰発現させたからといって、変なphenotypeが出るとは限らないし、逆に、マーカーを導入しただけなのに、その変異挿入部位によっては、変なphenotypeが出たりすることもあるみたいですよ。あと、過剰発現の表現型とKOの表現型が同じだったって話も、聞いたことあります。その研究者も、「どう評価したらいいか分からん」と、嘆いてましたね。 だから、 >ノックアウトされている限り必ずphenotypeにでる というのも、完全には正しくなくて、KOしたけどphenotype出ない、なんてことは、よくあります。 あと、 >交配をさせるごとに、より正常な遺伝子を翻訳するようになる→phenotypeなくなる については、知らないです。あるかもしれないし、ないかもしれない、とだけ。

nazuna123
質問者

お礼

ありがとうございます。 自分の遺伝子改変動物についての知識が幅狭かったことに気づきました…。 トランスジェニックに関しては、導入する遺伝子の種類はもちろん、数や部位によってもphenotypeが変わってくるんですね。 >genotypingは自分のところでしておくべきですが、もちろん、してますよね。 していません…。やっぱりすべきなんですね。 >ノックアウトの場合は、変異の入った場所がはっきり分かります ノックアウトは、ネオマイシンなど入れることで判別が簡単になるって聞いたことがあります。 イメージはあまりできていませんが、ノックアウトがより正確だと言われた意味が分かりました! >過剰発現の表現型とKOの表現型が同じだったって話 今の実験にもかかわるので非常に興味あります。 いろいろ考えていこうと思います。 丁寧な語ご説明ありがとうございました!

その他の回答 (2)

回答No.3

交配時(というか、配偶子形成時)にゲノムDNAにメチル化が入ることが原因で発現が落ちるという話はよく聞いたと思うのですが、現在は解決されたか、もしくは、あまり広がってない知識なのでしょうか? 打ち込んだ遺伝子の配列の種類によってメチル化されやすかったりされにくかったりするとか、けっこう厄介な問題も色々と聞いたことがあった気がします。(僕にとっては古い話ですが。なんせ、完全に離れちゃってますし。) マーカー遺伝子でも云々の件も、エンハンサーとの距離とかインシュレーターとの位置関係とかが変わることで既存遺伝子の発現度合いを変えてしまうとかなんとか、(仮の)説明が付いていたと思います。

nazuna123
質問者

お礼

メチル化については詳しくはわかりませんが、交配後の受精卵の遺伝子にメチル化をしてDNAに鍵をかけて発現を抑制する、というものでしょうか? たしかにそれでしたら、ホモホモ交配でちゃんと変異遺伝子が入っていても、交配によりphenotypeが出なくなる原因になりそうですね…。 ありがとうございます!調べてみようと思います!

  • negigi
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回答No.1

質問の意味が分かりません。 >交配するごとにphenotype(多動性とか)がなくなったように思います 当然ながら、トランスジェニックであっても、PCR等でgenotypeは確認してますよね。 まさかフェノタイプだけ見て、このマウスはTGだ。このマウスは違う。みたいなことしてないですよね。 それとも、ホモTGマウス同士の交配でしょうか?それでも、phenotypeがおかしいなら、念のためgenotypingはすべきですが。 他の事例は詳しくないですが、ホモホモ交配を続けていると、表現型が弱くなるといった話を聞いたことはあります。論文は知りませんが。 >交配で導入遺伝子がなくなるとかそういう報告はあるのでしょうか 例えば、B6とかbalb/cなんかの近交系マウスに遺伝的背景を揃えていく過程で、phenotypeがなくなる、といった報告はあります。報告されてなくても、そういった事例はよく聞きますので、遺伝的背景が単一でない変異マウスは、極力、遺伝的背景を揃えるようにしています。詳しいことは、「マウス バッククロス」でGoogle検索すればよいかと思います。 >ノックアウトマウスだと交配してもなくなることはないと聞きましたがどうなのでしょうか? 交配してもなくならない変異は、2本の染色体の両方に変異の入ったマウス(ホモ変異マウス)同士で掛け合せた場合です。一方が野生型だったり、あるいは染色体のうち1本しか変異が入ってないヘテロ変異マウスなら、子供か孫世代あたりで野生型の遺伝子しか持たないマウスが生まれてきます。たいがいはメンデルの法則に従いますので、高校生物の知識があれば、十分に理解できるかと思いますが。

nazuna123
質問者

補足

詳しい回答ありがとうございます! すみませんたしかに質問がよくありませんでした。 自分はもらった動物の行動解析のみをしているため交配の仕方などは詳しくはわかりませんが、もちろんすべてgenotypingした動物です。 トランスジェニックは正常な遺伝子に加え、変異させた遺伝子を過剰に導入させている →翻訳の際に、より多くある変異遺伝子を翻訳するようになる→phenotypeに出てくる →しかし交配をさせるごとに、より正常な遺伝子を翻訳するようになる→phenotypeなくなる ノックアウトは正常な遺伝子のみを欠損させる →ノックアウトされている限り必ずphenotypeにでる 表現が難しいですが、こういった認識は正しいのでしょうか? また仮に合っているとしても、なぜトランスジェニックは交配でより正常な遺伝子を選択するようになるのかも全く分からないので教えていただきたいです。 よろしくお願いします!