質問者さまは学生さんでしょうか。
古典も、深く見ていくと、面白いものが結構あると思います。
まず、古典を「つまらない」と感じる理由としては、
・時代背景の理解しないと分からない
・面倒な文法暗記がある
・立場による敬語の使い分けがややこしい
などですかね。
ただ、古典ならではの魅力もあるんですよ。
以下、私の記憶をもとに書いていきます。
たとえば、中学時代に暗記させられた『平家物語』や『方丈記』の冒頭部分などは、文語でなければ表せない堂々とした響きがあって、読んでいて楽しめます。
また、『いろはうた』は、47文字を過不足なく並べて意味の通じる歌にするという、日本語だからこそできる文化の結晶です。あの歌があったから、昔の時代でも、庶民は文字と親しめたわけです。
ついでに。
「いろはうた」の前にも、同様な「天地(あめつち)のうた」というのがあったのですが、こちらは単語が並んだだけだったので、あまり浸透しなかったようです。
そして、もうひとつ。
世界では、ここ数十年の間に、機械・電車・薬品など、さまざまな発展がありましたけど、肝心な「人間の体」とか「思考」は、そんなに変わっていないんです。
だから、『万葉集』の恋の歌にも、現代に通じる、こんな歌があります。
「きみのことが好きだけど、すぐには会えないから、せめて夢の中で会いたいなーと思っていたら、かえって寝られなくなったよ」。
さらに、『宇治拾遺物語』。
ある寺で、居候の子供が寝たふりをしていました。
そこへ、寺の僧侶たちが「ぼたもちができたから起きなよ。」と呼びに来ます。
でも、いきなり返事をしては、意地汚い奴だと思われる。それだと恥ずかしいので、とりあえず黙っているわけです。
しかし心の中で、『もういちど呼ばれたら返事をするぞー』と誓います。
ところが、2回目のお呼びはかからない。
それどころか、「寝てるなら起こすな。自分たちだけで食べちゃおう。」と言う話し声。
そして、向こうの部屋からむしゃむしゃ食べる音。
子供はもう困り果てました。
僧侶たちはタヌキ寝入りを信じて、自分を呼んでくれない。でも自分はぼた餅を食べたい。仕方がないので子供は…(あとは先生に聞くか自分で調べてみるといいですよ)
数百年前の人たちも、自分たちと同じ感覚を持っていたんだなぁと、しみじみ思えます。
古典というのは、そうした対話が出来るものです。
現代のベストセラーなら、せいぜい数十年が売れ行きの限度ですが、数百年も受け継がれてきた大作。それが古典。是非、触れてみてくださいね。
そして、できれば、「古典って面白いんだぜー」というようなエネルギーのある人…友だちでも教師でも…に巡り会えたらいいなと思います。
お礼
ありがとうございます。 社会人学生です。