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結局何?文庫本・川上未映子さんの「乳と卵」
友人に借りて読んだのですが、読後感の悪さ、結局何?という感じで共感出来そうで、もう一つ共感出来ずに読み終わってしまいました。 タイトル作後の短編も同じです。 読書は好きなのでジャンルを問わずいろいろ読みますが、こういう読後感は私にしては珍しく正直戸惑っています。 そこで、気分を変えて、もう一度読み直すつもりでいるのですが、どう読めば良いでしょうか? もしくは、読まれた方の感想をお聞かせ願えれば幸いです。
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『乳と卵』は良くも悪くも古典的な文学作品です。いきなり日記から始まったり、関西弁を多用するなどして表面上は破天荒に見せかけていますが、構造自体は非常に律儀になっています。 この作品がやっていることは、従来の女性性イメージの破壊です。つまり「子供を産む神秘的な存在」というイメージに新しい解釈を加えようとしているわけです。 その中心となるのが姉と姪の親子喧嘩なのですが、喧嘩の原因は豊胸手術を受けるか否かということでした。姉によると、胸が萎んだのは子供を産んだせいなわけですが、豊胸手術を受けて子供を産む前の身体に戻したいということは、子供を産まなきゃ良かった、つまり、姪の存在を否定する行為なわけです。 でまあ、姪は自分は絶対手子供を産まないと書いてたりするわけですが、子供を産もうが産むまいが自分が「生まれる前から」女性であることに変わりはなく、自己を否定する要素が内在し続けていることに恐怖を感じるわけです。 子供を産む機能に神秘を感じすぎて恐怖を覚える、というタイプの作品は多いですが、子供を産む機能が直接自己否定(死)に繋がるように描いているのはまあ、珍しいでしょう。 あと、構造的に、胸に子宮の役割を与えているのも、面白いと言えば面白い。子供が生まれて胸が萎むわけですからね。で、豊胸手術を止めさせる際に卵を割ってましたよね。あれは排卵のイメージになるわけです。もっとグロい解釈がお好みなら中絶でもいいですが。 駆け足に書いたのでいろいろ雑なところもありますが、だいたいポイントは理解出来たでしょうか? なぜこんな国語の授業のように堅苦しく読まなきゃならんのかというと、そう読むようにできているからです。つまり、この作品はほとんど芥川賞審査委員のために書かれた作品で、彼らの好みに合わせてあるわけですね。 芥川賞審査員ははっきり言って文学的センスの乏しい面子なので、これくらいわかりやすく説教臭く文学臭くないと理解出来ないのです。で、ここまで露骨に律儀で優等生で説教臭いと、一般読者にとっても、文学小説好きにとってもあまり面白くない作品になってしまいます。古典的文学的作品の読み方を知らない人にとっては理解不能だし、知っていても、読み方を制限されてしまうから読んでいて楽しくないです。
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- szk9998
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私も無理なくちですね・・・ そもそも、内容以前の問題かと。 あの文体がダメなのだと思いますよ。 脳まで届く前に読解不能ですよね。 何となく意味は分からなくもないのですが、だから何?ですね。 あれが新しくて個性的だと、直感できる人以外はとてもとても・・・ >もう一つ共感出来ずに読み終わってしまいました。 普通です
お礼
ありがとうございます。 本を貸してくれた友人もあまりの???に私ならそれなりに消化して感想を言ってくれるのではないかと期待していたようです(笑) 友人は賞を取っていた作品だから・・・という期待もあったようです。 それに関しては、あの賞はこれからに期待して・・・みたいな意味合いの強い賞だから・・・と伝えましたが、「それにしても・・・」と腑に落ちない様子でした。
お礼
ありがとうございます。 なぜ自分があの作品に共感出来ずに終わったのか分かりました。 書かれている母親も子も自分に似すぎて嫌悪を感じたのでしょうね。 共感できるわけがないです(笑)