オタクという言葉が発生する以前は、色々な趣味に深く関わる人たちはマニアと呼ばれていました。オタクは漫画・アニメマニアの中で、非常識な輩に対する蔑称として生まれ、身内での隠語として使用されていたものです。
ある事件によって有名になってしまい、その後は意味自体が変質し、非常にライトになってしまいましたが。
今では全てのジャンルに「オタク」という用語がつくようになってしまいましたが、質問の趣旨から、漫画・アニメ関係周辺に限った質問と解釈させていただきます。
以下は、研究者を自称するなら基礎教養の部分だと思いますが、それ以上のことを知りたかったのでしょうか。
でしたら、申し訳ありません。
他のジャンルに関しては、日本は大概の趣味において、質・量的なサポートや情報を容易に得られるだけの、文化・産業的なインフラが整っており、本人次第でいくらでも深く研究できるからだと思います。
しかし、最も大きな原因は、日本人が潜在的にオタク気質を持つているからだと思います。
>自分がオタクになったきっかけは何でしょうか。
私の場合は、オタクという言葉ができる以前から、好きな趣味を好きに楽しんでいただけです。
なので、オタクに「なった」きっかけも自覚もありません
若いオタクの方たちも、そうだと思います。
>オタクが日本という国で発生した原因とは何だったでしょうか。
これを本気で話すと、手塚治虫以前の貸本時代はもちろん、江戸を越え、平安まで遡ってしまいますので、70年代からオタク発生までをのお話をします。
アニメ・漫画に関しては以下の原因が考えられます。
1:表現の規制が日本は緩かった。
2:外国と較べて漫画・アニメに対する製作者と読者の意識の違い。
3:権利者(製作・販売元)が二次創作にたいして寛容→ファン活動の活発化
4:3が巨大化し例のイベントが発生→暴走
5:外国と較べて製作者が儲からない(安価に量を供給できるが、現在は問題がより深刻化している)
1ですが、外国は児童向けの本では、性や宗教・暴力表現は厳しく制限されています。その為に物語の幅が広がりにくく、バリエーションが乏しくなります。
日本の場合、規制が緩い為に、子供の時から、あらゆる表現に接する為に、良い方向に向けば感性自体は敏感になると思われますし、かえって耐性がつくのかもしれません。
2については、1の環境下で以下の違いが発生しますが、規制というより、国民性の違いかもしれません。
外国:厳しい規制の中では作家性を発揮することは難しく、作品の質にも影響する。モチベーションの維持も難しい。
日本:頼まれたわけでもないのに、子供向け作品でも、大人の鑑賞に耐えるものを作ろうと頑張ってしまう。
日本の場合、子供向けということで、表現や作劇上の制約をうけつつも、何が何でも自分の個性・テーマを表現しようと頑張ってしまう製作者が多く存在しました。というか、そんな製作者ばかりでした。これに対して、困ったことにそれらを理解する視聴者も大勢おり、子供向けなのに大人のファンがついてしまう現象が当たり前におこり、結果として大人向けの作品も製作されるようになりました。
以上の結果として、外国は年齢が上がれば離れていきますが、日本では年齢層に合わせた作品が生産される環境が出来、高年齢までの購買層を獲得し、市場として巨大化し、それが供給側の質・量の充実をもたらしました。
そして、子供とは言えなくなった人達が3の二次捜索を始め、4をもたらし、オタクは人口を増やし、種族として確立してしまいました。(現在外国で増殖中)
お礼
ご返事ありがとうございます。 とっても参考になりました。