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日本の送電設備

アメリカで停電が起きているようですが新聞や テレビによれば送電網の老朽化とか容量不足で 送電設備の許容を上回る事がよくあったとか やってましたが日本の場合老朽化や容量不足 とか問題を聞きませんが どういった状況にあるのでしょうか?

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  • aaa999
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回答No.5

(1).アメリカの現状 1. 送電設備の老朽化についてですが、大雑把に言えば送電線の構成は支持物(鉄塔)・電力線(銅線又はアルミ線)・絶縁体(碍子)で構成されています。 2. 電気を送る容量(W)を送電容量と言います、オームの法則のE=IRの関係です、難しい事は検索でオームを法則を検索して下さい。 3. 送電容量はW=V×Iとなります。Wが送電容量・Vが電圧・Iが電流です。 砕いて書けば家庭用の電灯を100w=電圧100V×電流が1Aの関係です。 だから送電容量は電圧を高く電流を多くすれば送電容量が増えます、電流を多く流すには電線を太くすれば多く流せますが、電線を太くすると支持物を強大な物が必要になりますので一般的には電圧を高くしています. 此の場合、電線の太さは関係有りません。 だからと言って電圧を高くするのも程度ものです、高くすれば絶縁を保つ碍子の個数を多くする必要があるからです。 参考ですが、東京電力の送電線の電圧は最高100万V・関西電力・中部電力は50万Vです。 4. 一般的に送電設備が老朽化(経年による自然劣化)して送電出来なくなるのは碍子が老朽して絶縁破壊を起こす事で送電出来なく(停電する)なるのが普通です。 5. だから今回アメリカで発生したのは、皆さんが一般的に思い起こした送電線が老朽化した事に因る停電ではありません。 6. 8月17日付けの読売新聞の報道も正確とは言えません、停電を惹起した送電線がどれだけの容量の電力を送っていたのか、発電量と需要電力量が判らないと一般的にアメリカ・カナダの東北部の総需要電力量は数千万KW単位でしょう、そこで34万KW程度の発電量が脱落しても大規模停電に至る事は考え難いのです。 7. 要するにアメリカ・カナダは送電線の連携状況がネットワークで有った事と送電をコントロールシステムが旧態だったと言えそうです。 (2).日本での現状 1. 日本での送電線の老朽化は、設備は新旧取り混ぜた現状はあります。 2. 旧い送電線は70年以上経過した送電線も稀にはあります、何故なら大正・昭和初期に建設された送電線も電力の需要に変化なく設備も健全で有れば建替をしないからです。 電気事業法会計規則では鉄塔が耐用年数50年・電線碍子が30年等定められています、耐用年数が来て設備を更新(設備工事)して行けばそれだけ電力会社の利益薄くなります、だから旧くても旧くて悪い箇所を取替(修繕工事)するのが原則です。 3. 送電系統について、日本の送電線は一次送電線、二次送電線、三次送電線に大別されますが此処では一般的な説明をします。 4. 一次送電線とは180kv以上の電圧で送電する超高圧送電線を言い代表的な電圧は275kv・500kv・1,000kvで原子力発電所・大容量火力発電所から需要箇所近くに設置する一次変電所まで電力送っています。 5. 二次送電線とは、一次変電所から二次変電所に電力を送電する送電線で一般的に154kv・177kvの電圧が使用されていますが稀に220kv・275kvも有ります。 6. 三次送電線とは、二次変電所から三次変電所(配電用変電所とも言う)に電力を送電する送電線で一般的に22kv・33kv・66kv・77kvの電圧が使用されています。 7. 三次変電所から6.6kvで御家庭に配電する配電線が出ています。 8. 送電系統の需要制御(コントロール) (1) 御存知と思いますが直流電源と違い交流電源は貯蔵出来ません、そこで時々刻々の需要予想を建て発電させます、需要予想は過去の天候・当日の気温予測・当日のイベント・曜日等を勘案した電力需要予測(コンピューターに拠り予測)と実際の電力需要を見ながら発電します。 (2) 現在のベース電源は殆どの電力会社は原発です、ベース電源としての原発の発電容量が少ない電力会社は火力発電をベース電源としています、そして負荷変動(需要)に対応するのが水力発電(揚水発電含)です。 (3) 何故原発・火力発電がベース電源かと言うのは発電量を増やすにはタービンを回転させる蒸気発生量を増やすのが分単位で対応出来ないからです。(詳しい説明は割愛します) (4) 前(1)(2)(3)を統括するのが中央給電指令所(日本の各電力会社に設置)と言う機関です。(各発電所に時々刻々変化する需要に合わせ発電量を指令します) 9. 送電系統の構成 先に回答された方が述べている東京電力の件は二重外輪送電線(一次送電線)関西電力のクロス型二重外輪送電線が電力業界では有名です。(大規模停電が発生するのは此の送電系統がダウンした場合)二・三次送電線がダウンした場合は大規模の停電(地域的な停電はあり)には至る事は殆ど有りません。 一次変電所がダウンした場合は一次変電所へ送電している発電所が発電を停止するので大規模停電に至る事がある。(一次変電所から送電している数系統二次送電線が停電する為) 10. 何故大停電が発生するのか。 大停電が発生するのは突発性の人為ミス・設備の老朽・自然現象の3件が代表的です。 (1)人為ミスとは文字どおり人間が起こす失敗で機器の操作ミスが有ります。 (2)設備の老朽又は不良 ア.電気設備は定期的に点検を行っていますが、見落としで設備の不良を見落とした場合・ イ. 経費節減の為、事前保全を事後保全とした場合。 ロ. 設備構成品が新品で有るのに製作不良品が有った場合等が有ります・ (3)自然現象の雷・台風等の暴風雨による送電設備(一次系統)が破壊された場合。 11. 停電する理由 (1) 碍子の絶縁破壊(劣化による絶縁破壊、雷に拠る碍子破損、・暴風に拠る塩害等) (2) 電線の断線(雷に拠る断線「技術が進歩して現在は皆無状態」暴風。竜巻等に拠る断線等) (3) 雷に拠る異常高電圧に拠る継電器動作 (4) 地震に拠る送変電設備の破損等 (5) 雷に拠る異常地絡電流に拠る継電器動 (6) 需要が突発的に著しく低下した事に拠る過電流継電器動作 (7) 需要が突発的に著しく低下した事に拠る周波数変動継電器動作 (8) 絶縁破壊に拠る継電器動作 以上の様に様々(まだ有ります)な原因があります、 12. 上記の継電器は各発変電所、開閉所等に設置されています。 13. 送電系統の発電系統グループ別並列運転 全ての送電線が変電所で結ばれている(並列と言う)訳では有りません、発電系統グループ別に需要の変化併せて並列しています。(アメリカ・カナダの大停電は報道に拠ると系統別ではなくネットワーク系統とループ系統を併用していた様に思えます。)此のシステムが大規模停電を防止しているのです。 14. 電力自由化が進めば大規模停電の発生率が上昇?する。 送電線の建設には膨大な費用が要ります、電力会社の固定資産が一番多いのは何だと思いますか、原子力、火力、水力発電所それとも数多くある変電所、一番多額なのは送電設備(超高圧送電線建設費用は1基数億円)です。 電力自由化が進めば新規の発電会社は現在の電力会社の送配電線の使用託送料(距離に関わらず一定額)を支払い送電します。 電力会社は電力需要が増えるのを見越して発変電所、送配電線を建設(コスト計算して)しています、それが電力需要増加分及び競争入札で電力会社より安い料金で売電すれば電力会社の利益が減少して新規の送電線を建設する事を手控え(アメリカがそうです)ます、何故なら託送料では送電線建設費をペイ出来ないからです。 送電線の修繕費も同様に削減(30%~40%)されているのが現状です。 未だ々ありますが、之が日本の送電システムの現況です。

naochannnn
質問者

お礼

ありがとうございました。 日本とアメリカの送電の違いがよく分かりました。 70年以上経過した送電線も稀にはありますというのが 驚きました。錆とか気になります。 二重外輪送電線などは日本の送電システムが優れている ものの一つとお聞きしたのですが諸外国では二重で ない国が多いのでしょうか?

その他の回答 (5)

  • aaa999
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回答No.6

錆については鉄塔を個別管理をしてランク別に分類(海岸部・工業地帯・市街地・平野部・山間部等)して計画的に塗装していますので大丈夫です。 電線・碍子等全ての項目も同様です。 外国の二重外輪送電系統はフランス・旧西ドイツ等も採用していると聞き及んでいます。(何分送電部門を離れて15年経過しているので最新の外国ニュースは?です) 発送配電を一貫している電力会社は効率・安定的に電力供給する為に採用し易いシステムです。 送電専門の会社としては託送料が唯一の収入源になりますので前回述べた様に新たな投資は難しいでしょう。 参照URLで調査すれば新しいニュースが入手できるかも。

参考URL:
http://www2.ttcn.ne.jp/~souken/
naochannnn
質問者

お礼

ありがとうございました。 塗装なども一本一本管理されてるんですね。 二重外輪送電系統の件もありがとうございました。 参考になるページありがとうございました。

noname#21649
noname#21649
回答No.4

老朽化の問題は.設計寿命が来ると電力会社でさっさと立て替えています。「この立替の経費の関係で日本の電気料金は高い」のが当たり前.という.電力関係各社のTV-CMが流れていませんでしたか。 関東地方では.東京の環状送電線を建設して「安定供給」をします.なんて宣伝していました。 容量不足は.「送電」に限ると.まず考えなくて平気です。というのは.東京環状線ができて.栃木等のようてい式発電所の電力を簡単に配れるだけの伝染はありますから。 ただ.20年後の需要増かに合わせた.北関東大環状線が一部しかできていません。 ただし.末端は別ですよ。末端の変電所の電柱に車が突っ込んで.電柱を倒したら.電柱から先には電気が届きませんから(先日の東京市部の停電事故参照.末端の変電所につながる唯一の電柱がひっくり返った)。交通事故は.電柱の劣化を急速に推進しますから。あくまでも.自然老化の内容です。 もし.観光旅行に出かけるのであれば.栃木県日光市の有料道路出口にある高圧線を見てください。この電線は.古河鉱山(だったか?)の専用発電所からの電気を精錬所に運ぶで電線で.戦前からの由緒正しき歴史をもつ電線です。こんな.古い設計の電線は.東電では使っていないでしょう。 福島幹線は昭和40年ごろに立てなおされていますし.原子力発電所からの送電線が完成した直後に.あっちこっちの小さな送電線を直しました。これが終わったらば.ようてい式発電所があっちこっちにできて.その後に.環状線を作って.変電所相互の電気利用を考えるようになりました。 通産省の需要計画にしたがって.設備投資をしていますから.老朽化は考えなくて十分です。

naochannnn
質問者

お礼

ありがとうございました。 日本の電気料金は高いというのは聞いたことがあります。 でも原子力の発電コストはかなり安いと聞いたことが あります(違ったかな??) 何故発電コストが安いのに電気代は高いの?と 気になってましたがこういった設備の設備投資 の金をかけてるんですね。

  • apple-man
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回答No.3

>日本の場合老朽化や容量不足 とか問題を聞きませんが  老朽化はまだ大丈夫ですが、原発が こけたので容量不足の問題が あります。  以前から夏の電力不足の問題はあったので、 電線メーカーなど、電力関連企業には 電力会社から要請があり、クーラーや テレビ(甲子園シーズン)の使用が増える 時期に、工場の夏休みを持って来るように していました。  でも今年の夏は、電力会社の営業の人が 今までお願いしていなかったところにまで 入って、頭を下げて節電をお願いしていた くらいでしたから、かなりやばかったみたい です。 >どういった状況にあるのでしょうか?  アメリカ、カナダの場合は電力自由化と いうのが進んだ悪影響の1つとして、今回の ような問題が起きていますが、悪いところ ばかりじゃないんです。運用基準を見直せば こんな事態は今後は避けられるでしょう。  ところが日本の場合、電力自由化の検討が 進んでいたときに、前のカルフォルニアの 停電があって、公共事業にタカル既得権を 持っている人たちが、いろいろな形で異議を 唱えたわけです。  公共性の高い電力事業を自由化すると、 大停電に繋がる。というわけです。  そんなわけで良くも悪くも、日本の電力 自由化はまだ思うように進んでおらず、 電力の売買市場も事実上存在しません。  しかし、このままでいいのかと言えば、 電力関連企業が、親方日の丸の電力と いう公共事業にタカっている実態は 変わらないため、電話料金の低下に 比べ電力料金は変化しておらず、 原発1本に絞り込むという国の 政策があったため、その原発、高速 増殖炉がこけた今となっては、 原発以外の方法で電力を生み、 それを売買する民間の電力売買市場の 成長が急務なのです。  今、前向きな電力関連企業は、分散発電 技術の開発に力を入れています。  つまり、電力の自由化が進むと、 電力の供給が、電力会社の発電所から ばかりでなく、民間企業の火力 発電所、風力発電施設、太陽光 発電施設、燃料電池発電施設など 複数の施設から供給されるようになり、 それらを調整するシステムが必要になる からです。  すでに都心の地下には、ビルの下に 設置されると思われる、燃料電池発電 施設などに備えて、大規模な変電 施設が用意されつつあります。

naochannnn
質問者

お礼

ありがとうございました。 日本の電力自由化もどうなるのでしょうかね? 自由化とか規制緩和とかで何か起きて被害受けるのは 我々なんですよね。そこらへんきっちり責任 とか明確にして欲しいですね。 規制緩和しすぎたりとかしないように 検証して欲しいものです。

  • netnabe
  • ベストアンサー率36% (16/44)
回答No.2

米国は電力の自由化が進んでいるので、様々な電力会社が同じインフラを使って様々な地域に電力を供給しています。このような、ある意味進んだエネルギー産業を支えるには、あまりに旧態依然としたシステムであったということです。 日本の場合は自由化がそれ程進んではいませんし、地域別に電力会社が分かれていて、責任範囲が明確になっています。東京などではこの冷夏にもかかわらず、夏の電力不足で不測の事態が起こったときの対応を東京電力が大口需要家(大企業など)に説明して回っていました。米国のような事態は、日本ではまず起きないでしょう。 ただし、日本でも今後、エネルギーの自由化が進むと考えられます。その過程で何を自由にし、何を規制すべきかを真剣に考えなければなりません。その意味で今回の米国の事故は教訓になるでしょう。

naochannnn
質問者

お礼

ありがとうございました。 今年は関東は冷夏なんで夏の電力不足も 問題なさそうですね。

  • ponpon12
  • ベストアンサー率20% (24/115)
回答No.1

 丸っきりの素人です。 本当かどうかわかりませんが聞いた話しです。  アメリカは、日本と違い電力についても自由化が進んでおり(良くも悪くも)発電する会社と送電する会社が分かれているそうです。 そのため営利を追求すると設備に余裕を持つ事が出来ないそうです。  その点日本は、まだまだ規制が厳しく、地域で独占状態の会社が発電から送電までを行っているため、何かあったら全てその会社が責任を負わなければならないため、多少の余裕を持った設備にしているそうです。

naochannnn
質問者

お礼

ありがとうございました。 こういう事があると電力自由化も考え物ですね。

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