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被相続人殺人による欠格についての疑問
- 被相続人殺人による欠格の法的な扱いについて疑問があります。
- 民法によれば、有罪判決が確定している場合、被相続人は相続欠格とされます。
- しかし、有罪判決までに数年を要する場合、相続は一旦確定された後に返還されるのでしょうか。また、執行猶予判決の場合はどうなるのかも疑問です。
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まず、執行猶予は、「執行猶予期間中に、新たな犯罪を犯すなどして、新たに禁錮刑又は懲役刑以上の刑を言い渡されない限り、実際に刑務所に服役する必要がなくなる」制度でしかなく、一度言い渡された有罪判決が、文字通りなかったことになるわけではありません。 したがって、執行猶予判決の場合は猶予期間が終わると(刑が無かったのと同じ扱いになるため)欠格が取り消されるなんてことはありません。 他方、有罪判決が確定するまでに時間がかかることがありうるのは仰るとおりですが、「獄中から指示して第三者に贈与する」なんてことは、ちょっと想定しづらい(不動産や預貯金の名義を変更したり解約したりするには、それなりの手続が必要ですからね)ので、極論すれば、他の相続人が、刑事裁判がすむまで遺産分割協議を止めておけば、あなたの言う「凍結」することができるでしょう。もちろん、家族の無罪を信じて、遺産分割協議をすすめてもかまわないですが。 ただし、相続人間で遺産分割協議をする前に、被相続人を殺したとされる相続人の債権者が、債権者代位権を用いて、相続を理由とする法定相続分による共有登記を行ったうえで、相続分について差し押さえることは、理論的には可能です。 もっとも、その場合であっても、他の相続人は、債権者の行った差押手続等に対して、不服を申し立てることによって、競売手続の進行を止めることも不可能ではないでしょう。
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- lawlawlawlaw
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横から失礼致します。 #2の回答にあるように、「3 執行猶予判決は、欠格事由にあたらないが、執行猶予が取り消されたときは、さかのぼって欠格事由にあたる」が通説。 「被相続人を死亡に至らしめた」から、「(いわゆる)殺人事件」を想起すると、ミスリードされるかもしれない。被相続人を死亡に至らしめ、執行猶予判決を得るケースというのは、例えば親が病気を苦に、自分を殺してくれるよう依頼し、子供が泣く泣く「安楽死させた同意殺人」だったりする。 これを杓子定規に相続人の欠格事由にあたるとするのは、通説及び一般人の常識とは大きくかけ離れるでのはないかと思う。
お礼
ありがとうございます。 確かに現実の事件としてはそうしたケースも多いかも知れませんね。
- tomo-tomo01
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面白い問題だったので、さらに突っ込んで調べてみました。 そうすると、大きく分けて、1 執行猶予判決は、その取消の有無にかかわらず、常に欠格事由にあたる とする見解、2 執行猶予判決は、その取消の有無にかかわらず、常に欠格事由にあたらない とする見解 3 執行猶予判決は、欠格事由にあたらないが、執行猶予が取り消されたときは、さかのぼって欠格事由にあたる とする見解 に分かれるようです。 このうち、学説上の多数説は、3説であるとされていますが、昭和50年代に実務家において議論されたときには1説が適切であるとの結論が出されています。 もっとも、執行猶予判決が出された場合の相続欠格の問題は、調べた限り、実際の裁判で問題になったケースはありませんでした。おそらく、殺人事件において執行猶予が付され、かつ、相続欠格をギリギリと争わなくててはいけないケース(当たり前の話ですが、相続すべき財産がなければ、理屈はともかく、現実問題として相続欠格の有無を議論する実益はありませんから)というのがほとんどないからなのでしょうが、結局のところ、判例の立場は明らかではなく、最終的にいずれの結論に落ち着くのかは不明であるというのが、穏当なところなのでしょうね。
お礼
大変詳しくありがとうございます。 執行猶予がレアケースなのももちろん、被相続人殺人にしてもしょっちゅうある話じゃないですからね。 フィクションの世界では定番ですが、一時的にでも相続できる可能性があるとなると、犯罪露見して全てを失いガックリというワンパターンは、変形がうまれるかも知れませんね、かつて多かった「時効成立5分前に手錠をかける」みたいな明らかな間違いとは違う話ですけど。
お礼
ありがとうござします。 私の書き方が悪かったのですが、執行猶予に関する記事は「有罪が無かったことになる」ではなく「刑の言い渡しがなかったことになる」という論拠でした。民法では「刑に処せられた者」となっています。 凍結は当事者間の協議になるのですね。そうすると、早く貰いたい相続人も多いでしょうから、被相続人殺人犯が一時的に相続するケースはかなりありそうですね。弁護料がそこから払われたり・・・・