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先取特権は一般債権者には優先するものの、一部の例外を除いて、他の担保物

先取特権は一般債権者には優先するものの、一部の例外を除いて、他の担保物権 には優先しないと考えてよいのでしょうか?

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回答No.2

自分が思うには、先取特権と他の担保物権との優劣につき、「論理的に分類わけするのは不可能」または「困難」であり、資格試験の受験生であれば条文を覚えるしかない。極めて多くのものを、「例外」として無視すれば、「論理的な分類わけも可能」だが、どこまで意義があるのか不明。 例外について「必要性と許容性で説明できる」と言えば、確かにそのとおりかもしれないが、受験生レベルでは「説明」できないだろう。 というのも、一口に「必要性と許容性」と書いているが、もう少し詳しく書くと、先取特権は公示不要のため、取引の安全に対する配慮に欠けるという点から制限が必要であるものの、特定の債権に「政策的な理由」から優先弁済権を与えるべきという要請もあり、このせめぎ合いということ。「政策的な理由」による先取特権は、民法上だけではなく、特別法によるものも多くあり、これらをすべて受験生レベルで「必要性と許容性で説明できる」とは到底思えない。国によっても先取特権として認められるか否か、また他の担保物権との優劣について、大きく異なる。 ただし、民法上の先取特権の優先順位を「暗記」する際の、「今日こそ日曜」とか、「とーごーさんろく」と大して変わらない「自分なりのひとつの目安」という意味で「考えてよいのでしょうか?」と質問しているのであれば、「よいかもしれない」と思う。

a1b
質問者

お礼

懇切丁寧かつ論理明快な回答を有難うございます。 特別法まで考えますと、とても収拾がつかなっくなってしまいますね。

その他の回答 (1)

回答No.1

先取特権と他の担保物権との優劣は、ほとんどが条文にあります。一部の例外など考える必要はないでしょう。そのように考えてしまうと、動産質権と先取特権の関係は理解できなくなると思いますよ(後述するように動産質権は330条1項の第一順位の先取特権と同一の権利になります)。  解釈が要求されるのが一部ありますが、大抵の基本書には書いてあるのではないでしょうか。ここで質問する前にご自身で一度調べられた方が勉強になると思いますが。。。 ・一般の先取特権と特別の先取特権間の優劣は民法329条 ・動産先取特権間は330条 ・不動産先取特権間は331条1項、325条、不動産売買間は332条2項 ・同順位相互間は332条 ・留置権は優先弁済権がないが、不動産競売では買受人は留置権の債権を弁済しなければならず、動産競売では留置権者の同意が開始の前提であるから、事実上は留置権が優先する。 ・動産質権は334条で第一順位の先取特権と同一の権利(したがって、同順位の先取特権との関係では按分、動産質権は一般の先取特権に優先) ・不動産質権は抵当権と同様の扱い(後述) ・動産譲渡担保との関係では、譲渡担保について所有権的構成を取るなら、占有改定があるので、333条により行使不可。担保構成なら334条類推で330条1項の第一順位。 ・一般の先取特権と登記された抵当権との関係は、一般の先取特権が登記を備えるときは登記の先後、備えなければ常に抵当権が優先(336条)。 ・一般の先取特権と登記のされていない抵当権では、登記のない抵当権は特別の担保を有しない債権に準じて扱われるので常に先取特権が優先すると解すべき ・不動産の先取特権と抵当権の関係は、そもそも不動産の先取特権は登記をしなければ優先権がなく、登記を備えている場合、保存と工事の先取特権は常に先取特権が優先(339条)、売買の先取特権については登記の前後。 こんな感じでしょうかね。

a1b
質問者

お礼

懇切丁寧かつ詳細な回答を有難うございます。 とても参考になりました。

a1b
質問者

補足

懇切丁寧かつ貴重な回答を有難うございます。 先取特権は細かく条文に規定されているわけですが、次のように整理でき ないでしょうか? 1.先取特権は担保物権の1つであることから、一般債権者との間では優 先権がある。 先取特権間では一般先取特権は特別先取特権に劣後する。 (∵一般先取特権は総財産に及ぶために効力が制限されていると思います) 2.担保物権間では、基本的に物権の優劣の原則である対抗要件(公示) の具備できまる。 いくつかの例外がありますが、それは必要性と許容性で説明できないでしょ うか? (1)不動産先取特権のうち保存と工事についてはその登記は抵当権の登記の先 後に関係なく優先されますが、これはたしか保存、工事によって不動産の価 値が増加した部分に限られるはずですので当然ということが出来ないでしょ うか? (2)先取特権は基本的に公示を備えることができませんので、対抗要件の先後 で決めることが妥当でない場合があり、例えば動産質の場合には、動産先取 特権と動産質は基本的に同じ優先度で扱う必要があると思われます。 つまり、先取特権であるということだけで、優先されるのは、一般債権者と の関係であって、担保物権との間では例外を除いて、物権の原則である対抗 要件の具備できまる。