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NHKのアナウンサーの言葉についての違和感
- NHKのアナウンサーが「戦争ではおびただしい数の人が犠牲になりました」という言葉を使用しているが、これに違和感を感じる。
- 辞書で調べると、「おびただしい」は非常に多い量や程度を意味するが、その悪い意味もあるため、人間や英霊に対しては使いづらい。
- この言葉の使用について、語学に詳しい方からの解説を求める。
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下の文例は数十年前の名文です。 「夥しい(おびただしい)」が死者、負傷者にも使われています。 虫にも、人にも、何にでも使われるようですね。 「おびただしい」が「人にはダメ」という印象を質問者さんが持ったのは、子供のころに見た「人以外の夥しい光景」が強く印象に残っていたからかも知れません。 アナウンサーは「数が大変多いという形容詞」で、チョッと難し目の言葉を使いたかったのでしょうか。 あんまり幼稚な言葉だと不謹慎な感じがしますし、難しい言葉は丁重な物の言い方に通じるところがありますから。 一方、「おびただしい」は「だらしがないことおびただしい」のように悪い意味に使われることがあります。 しかし、戦禍の犠牲者の数をおびただしいと表現することは、死者を鞭打つようなことにはなっていないと思います。 むしろ、戦争のもたらす残虐さを表現するのに、役立っているように思います。 下の文を読んでいるとそのように思います。 永井隆 「この子を残して」 ・・・おびただしい原子爆弾症患者、さまざまな症状、相次ぐ死亡者、それをなんとかして助けようと考えに考えを重ねる苦悩。医学者の生きがいをこの時ほどいたく感じたことはなかった。杖を頼りに不自由な負傷の身をもって、山越え野行き川を渡り、患者を訪ねて ・・・ 原民喜 「廃墟から」 ・・・ つぎつぎに死んでゆく夥しい負傷者の中にまじつて、私はあの境内で野宿したのだつた。あの、まつ黒の記憶は向に見える ・・・ 野上豊一郎 「ヴェルダン」 ・・・停戦当時は砲火のため樹林は根こそぎ失われてしまい、夥しい戦死者の遺骨と兵器が散乱していたそうだが、今日ではむしろ公園のような・・・。
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- hakobulu
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「戦争では多数の人が犠牲になりました」 であれば自然なんでしょうね。 「戦争では【おびただしい】数の人が犠牲になりました」 は、おっしゃるように違和感を覚えます。 これは、「おびただしい」の中に、「非常に多い数の」という意味がすでに含まれているからではないでしょうか。 「おびただしい数の人」は「おびただしい数の数の人」という意味になるので不自然、ということのような気がします。 個人的には、1の意味でも(厳密に言うと)誤用ではないかと感じます。
お礼
ご回答ありがとうございます。 なるほど、だから違和感があったのですね。 勉強になりました。
- 莽翁寒岩 一笠一蓑一杖(@krya1998)
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質問文の語感覚(センス)と#4の補足のまとめに教えられました。 そのとおりだと存じます。
お礼
ご回答ありがとうございます。 私の語感覚(センス)というものが、どの程度かは判然としませんが 改めて語彙の乏しさ・国語力の低さを実感した次第です。 日本語っておもしろいですね。 勉強になりました。
補足
少し補足です。 【おびただしい】が【数】にかかるのではなく、【犠牲者】にかかった方が 国語的にしっくりくるようにも思えてきました。 幼少からの用法の覚え方が間違っていたのかもしれません。 日本人として正しい日本語を使いたいものです。 改めて日本語の文法って難しいですね。
- cxe28284
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おびただしいという言葉は 戦争やその他災害でも多くの人の命が失われる時よく使われる言葉で、 語感として、沢山のと云うより実感がこもっているような気がします。 戦争の愚かしさ、むなしさ、悲惨を感じます。
お礼
ご回答ありがとうございます。 戦争被害に対しては、むしろ相応しい言葉のようですね。 勉強になりました。
- spring135
- ベストアンサー率44% (1487/3332)
おびただしい、夥しい 多いということを言う、客観的で格調高い言葉です。違和感どころか適切だと思います。 英語ではnumerous (2)の意味では「彼女は頼りないことおびただしい」 She is quite unreliable. という文例が出ていました。
お礼
ご回答ありがとうございます。 日本語は意味を知ると、用法も正されるんですね。 勉強になります。
補足
皆様のご回答を拝見しながら改めて考えてみましたところ、 【おびただしい】の用法ではなく、言い回しに違和感を感じていたみたいです。 「おびただしい数の人が犠牲になりました」 よりも 「おびただしい数の犠牲者がでました」 の方がしっくりくるような気がします。 これは、好みの問題なんでしょうか? 改めて自分の語彙の乏しさを実感した次第です。
- ktyln
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平家物語に「多人数」という意味の使い方で、 「山門の大衆、おびただしう下落す。」というくだりがあります。 少なくともその時代からこのような用法はあったということです。 尚、広辞苑によりますと「おびただしい」の意味は (1)甚だしい。ものすごい。大変だ。 (2)非常に大きい。 (3)甚だ多い。 とあります。この(3)の用法ですね。
お礼
ご回答ありがとうございます。 辞書によっても表記は様々なようですね。 勉強になります。
辞書で調べると 1 数や量が非常に多い。ものすごい なので間違った使い方ではありません。 辞書での解釈は1番の使い方、2番での使い方があるということです。 今回の場合は1番での使い方ということになります。
お礼
ご回答ありがとうございました。 日本語って意味解釈でいろいろと難しいですね。 これからも日本語って覚えることがたくさんありそうです。
- rimurokku
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1の「数や量が非常に多い。ものすごい。」を使うべきで、「戦争では【おびただしい】数の人が犠牲になりました」は何の問題もないと思います。 2については、在ることの数が度を超した尋常では無い数の場合を指すので、悪い意味に使われるのでしょう。 もっとも「戦争では【おびただしい】数の人が犠牲になりました」も、決して良い出来事では在りませんが。
お礼
早速のご回答ありがとうございました 参考にさせていただきます。
お礼
ご回答ありがとうございます。 国語力というのは幼少期から培われるものだと、つくづく思いました。 勉強になりました。