補足です。
気体の圧力は容器の壁に分子が衝突することで説明されています。
その考え方は気体分子運動論という名前で呼ばれているものです。
高等学校の物理の教科書には出てくると思いますが化学では出てきません。
化学の教科書ではその結果を踏まえた
「圧力は衝突の衝撃力の平均を単位面積当たりで表したものである」
というような表現だけが載っているだけのように思います。
分子運動論で得られた圧力の表現の中には運動エネルギーの項が含まれています。
(・・・)×(mv^2/2)という表現になっています。
でもこれは結果です。エネルギーを使ってこの式をだしたのではありません。
vは容器内を飛び回っている気体分子の平均の速さです。vとmvは別々の所で使われて出てきています。
衝突回数を計算するときにvが使われています。1つの分子の衝突によって壁に働く力の累積値(力積)を求めるのにmvが使われています。これらの積をある短い時間Δtについて考えて平均しているのです。
熱平衡状態が実現していれば衝突によってエネルギーが変化することは考えなくていいでしょうから弾性衝突であるとしています。衝突によって分子の運動の平均の速さは変化しないということになります。
圧力は容器内を飛び回っている分子の平均の速さで決まっています。
壁との衝突で速度が変わりますが壁からある短い距離の範囲でどういうことが起こっているかを考える必要はありません。影響が小さいから無視しているというのでもありません。
衝突の後、壁からの影響がなくなる距離(多分、μm程度以下でしょう)以上離れたところで衝突の前と同じ速さになっているとすれば自動的に出てくることなのです。
分子間力は飛びまわっている分子と分子の間に働いている引力です。
常に引っ張り合っているのですから自由に飛び回ることが少し制限されています。
温度が同じでも平均の速さvが少し小さくなるのです。圧力が少し小さくなります。
もしあなたが言うように衝突後、壁からの引力で分子の速さが衝突前の速さにまで回復しないとします。分子は衝突を繰り返すたびにエネルギーを失っていくことになりますからだんだんと温度が下がって行きます。その分だけ壁にエネルギーが渡されているのですから壁の温度が上がります。初めに平衡状態が成り立っているとするとこういうことは起こらないはずです。壁を作っている粒子(分子の場合もイオンの場合もあります)も熱振動を動していますから同じ温度であれば平均的にはエネルギーのやり取りは生じないとしているのです。
お礼
たくさんの回答ありがとうございました。 理解するのが遅く、色々と質問してしまいすみませんでした。 壁分子と気体分子の引力が常に働いていて、それも分子の平均の早さに影響するのだとずっと思い込んでいました。また、気体分子運動論も理解していませんでしたので、圧力がどういう風に定義づけられているのかわかっておりませんでした。 壁分子と気体分子の引力は衝突の速さの変化に影響を及ぼすが、 熱平衡状態が成り立っているのなら弾性衝突して、反発の力によって 衝突後と衝突前の速さは同じになるはず →だから分子の平均の速さには影響を及ぼさない よって、気体の圧力には影響しない このように理解しました(不充分であればすみません。) まだ圧力の関係式の導出のあたり、自分でも勉強が不充分だと思いますので、テキストなど参考に勉強してみたいと思います。 とてもわかりやすい回答ありがとうございました。 お付き合いいただいてありがとうございます。