障害年金の裁定請求(注:受給を申請すること)から始めてみると良いと思います。
初診日が国民年金のみの被保険者期間中か20歳前(但し、20歳前の初診のときは何ら公的年金制度の被保険者でなかった場合)であれば「障害基礎年金」を、厚生年金保険被保険者期間中であれば「障害厚生年金」を考えてゆきます。
いずれの場合も、裁定請求の際に要する医師診断書は年金法指定の所定様式であることが必要で、精神保健福祉法指定医又は精神科医に書いてもらう必要があります(注:「身体障害認定医」は全くの別物の制度ですから、決して勘違いなさらないで下さい。)。
精神保健福祉法指定医であるか否かは、病医院のほか、役場の障害福祉担当課でも事前に確認できます。
また、前述の「身体障害認定医」というのは、身体障害者福祉法に基づいて、身体障害者手帳用医師診断書を記すことができるとして都道府県知事が認めている医師(正しくは「身体障害者福祉法指定医」)をいい、精神保健福祉法指定医とは全くの別物です。
したがって、身体障害認定医であるか否かを確認しても意味がありません。
うつによる障害年金は、ただ単に「現在の状況がきわめて重症である」というだけでは認められず、治療の経過や日常生活上の困難度、就労を試みた状況、社会的資源の活用度(例えば、デイケアであったり、福祉的サービスの活用など)も問われます。
具体的な基準は、国民年金・厚生年金保険障害認定基準などで示されています。
また、20歳以降に初診日がある場合には、初診日よりも前の保険料納付要件(国民年金保険料、厚生年金保険料)も問われるため、一定の保険料納付要件が満たされていない場合には、どんなに障害が重くとも1円も支給されません。
さらに、初診日前に未納があったとき、保険料納付要件を満たすべくその未納分を初診日以後に納めたとしても、保険料納付要件を満たしたこととはされないので、その点も十分な注意が必要です。
そのため、最寄りの年金事務所(旧・社会保険事務所)で保険料納付要件を事前確認しておくことを強くおすすめしたいと思います。
障害年金の受給の事実は、自ら明かさないかぎり、他者(就職先も含みます)に知られることは決してありません。就職して健康保険や厚生年金保険の被保険者となるときも、受給の事実を言う必要は全くありませんし、就職の際に不利益になることもありません。
つまり、受給そのものが影響してくることはありません。